在外公館医務官情報

オーストリア

2010年10月

1.国名・都市名

 オーストリア共和国(ウイーン、ザルツブルグ、インスブルック)(国際電話国番号43)

2.公館の住所、電話番号

3.医務官駐在公館

4.衛生・医療事情一般

 オーストリアはヨーロッパ大陸のほぼ中央にある内陸国で面積は北海道とほぼ同じ、緯度も北海道と同じくらいのところに位置します。人口は約830万。言語はドイツ語。気候は冬季は日照時間が短く、寒さも平均最低気温が氷点下になります。夏期は日照時間が長く平均気温20度前後の気候となります。衛生状況は良好で、水質も良く水道水はそのまま飲用できます。医療事情も良好でどの診療科も特に問題なく診療を受けることができます。医師の多くは英語を話しますが、他の医療従事者ではドイツ語が必要な場合があります。大使館領事部では医療通訳者のリストを準備しており、依頼があれば紹介できるようにしています。薬局(ドイツ語ではApothekeと看板がでている)は市中に多く見かけますが、医師の処方箋がないと買えない薬となくても買える薬がありますので薬剤師に直接相談するとよいでしょう。各薬局には、当日の夜間(日曜、祝日)に営業している薬局(当番制)が表示されており、営業時間外にも薬を購入することが可能です。薬剤を許可なしに国外から送付してもらうことは原則的には禁止されています。外国人でもオーストリアの国民健康保険に加入することができます。保険料は収入によって違います。利用できるまでに半年ぐらいかかります。その他に私的保険もあります。医療費は非常に高額なので滞在期間にあわせて日本からの海外傷害旅行保険等に必ず加入しておきましょう。

5.かかり易い病気・怪我

(1) 感冒:冬季はインフルエンザの流行する年もあります。予防ワクチンは「Bezirksgesundheitsämter:地域保健センター」で接種できます。保健センターの住所、電話番号等は領事部あるいは大使館医務室に問い合わせ下さい。

(2)ダニ脳炎: 風土病的な病気としてダニ脳炎(初夏脳炎ともいわれる)があります。オーストリア、チェコ、スロバキア、クロアチアなどが危険地域です。これはダニにさされることにより感染し脳炎をおこすもので死亡する例もあります。ダニにさされたら皆脳炎になるというわけではありませんが、体調不良、頭痛、筋肉痛などの症状が3~14日目から出始めます。これといった治療法はありません。ワクチン接種が病気にかからないためにも薦められます。野外ではダニに刺されないような服装を心がけ、屋外から帰ってきたら衣服を脱いで、ダニにさされていないかチェックするようにしましょう。予防ワクチンは保健センターで接種してもらえます。保健センターではその他の予防接種も行っています。

(3)その他:[Bundesministerium für Gesundheit und Frauen:健康と女性のための連邦省」から報告される感染症情報によるとサルモネラやキャンピロバクターによる食中毒、その他肝炎の報告もあります。淋病、梅毒、AIDSの報告もあります。小児では猩紅熱が多くみられます。

6.健康上心がける事

 夏は極端に日照時間が長く、冬は極端に短く気分的にも暗くなりがちです。風土・環境の特性に自分の生活をうまくとけこみ健康的なライフスタイルをつくることが大切です。

7.予防接種(現地のワクチン接種医療機関等についてはこちら(PDF)PDF

(1)赴任者に必要な予防接種

 入国に必要な予防接種はありません。成人、小児ともにダニ脳炎の予防接種が勧められます。日本では接種できない(不可能ではありませんが、相当に高額です。)ので当地にきてから接種しましょう。破傷風ワクチンも接種しておくとよいでしょう。

(2)現地の小児予防接種一覧(2008年4月)

オーストリア小児予防接種一覧(2008年4月)
生後 DTaP Hib IPVポリオ B型肝炎 肺炎球菌 MMR dT-IPV dTaP 水痘 HPV ロタ
7週-6ヶ月                     ○7)
2ヶ月 ○1) ○1) ○1) ○1) ○2)            
4ヶ月 ○1) ○1) ○1) ○1) ○2)            
6ヶ月 ○1) ○1) ○1) ○1) ○2)            
12-24ヶ月 ○1) ○1) ○1) ○1) ○2) ○4)          
6-9歳                    
9歳~                 ○5) ○6)  
13歳        ○3)              
13-16歳                    

1)DTaP(ジフテリア・破傷風・無菌体百日咳ワクチン)、Hib(インフルエンザb菌結合型ワクチン)、ポリオ及びB型肝炎の6種混合ワクチンとして接種される。

2)肺炎球菌ワクチンPCV-7は、日本で接種可能な肺炎球菌ワクチン(23価ワクチン)とは内容が異なります。

3)追加接種或いは、未接種の場合は勧められます。

4)2歳までに、二回の接種が勧められます。初回接種は、生後12ヶ月後に、二回目は初生後20-24ヶ月をめどとし、二回目接種は15歳に達する前に終了しておくことが勧められます。

5)9歳までに二回の接種が勧められます。

6)HPV(子宮頚癌ワクチン)は、9歳までの女児に接種が勧められます。

7)ロタウィルスワクチンは、生後7週から6ヶ月の間に、2-3回の接種が必要です。

(3)小児が現地校に入学・入園する際に必要な予防接種・接種証明

 ポリオ、DPT、MMR、B型肝炎、インフルエンザb菌ワクチンなどの予防接種証明を求められることがあります。またツベルクリン反応の結果をもとめられることもあります。

8.乳児健診

 乳児健診を受けるための特定な施設・制度はなく、かかりつけの小児科医に生後1週間、4-6週間、12週間に発育状態や神経機能その他に異常がないか受診して診察を受けるようにすすめられています。外国人が受診する場合の料金は、私的保険扱いなのでおよそ60-120ユーロ前後の支払いとなります。

9.病気になった場合(医療機関等)

 オーストリアの健康保険に加入している場合などは救急でなければ一般医を最初に受診します。一般医では余り医療設備はないので検査等はまた別の医療機関にいかなければならないこともあります。またそこで対応できない場合は公立病院を紹介受診します。私立病院は数人のスタッフ以外は病院が契約した専門医がそれぞれ時間を決めて診療を行います。受診は自由ですが予約制が原則ですので公立病院と違って余り待つことはありません。しかし私立病院は診察料、治療費等は病院、医師によって違います。歯科診療もどこで受診しても問題ないと思いますが、治療に際しては治療費等を確認して下さい。日本語の通じる病院はありません。支払い方法は振り込み等が多く受診時に現金がいらない場合もあります。もし、支払い請求がきていなくても、永久に忘れ去られるということはなく2年後に請求が来たと言うこともあります。また、支払期日がすぎると、本来の医療費のほかに延滞金が加算されるので支払いの期日を守る必要があります。また入院の時は、デポジット(病院によって値段はさまざま、およそ4000ユーロ前後)を要求されます。

 救急車を呼ぶ時は144です。(オーストリア国の保険に入っていない人は有料で約4,000ユーロ)病院は指定できませんが、救急医療を行っている病院に搬送してくれます。

◎首都ウイーン

(1)Allgemeines Krankenhaus(略称AKH)

所在地:Währinger Gürtel 18-20, 1090 Wien(地下鉄U6“Michelbeuem-AKH”下車)

電話:01-40400-0

概要:国立ウイーン大学医学部付属病院。約二千床の総合病院。歯科はありません。重症はほとんどここに運ばれます。一般外来は紹介受診が原則です。救急外来は充実しており、年中無休で24時間可動しています。入院の宿泊費は高額でおよそ1泊9~10万円です。またデポジットが必要です。

(2)St. Anna Kinderspital

所在地:Kinderspitalgasse 6, 1090 Wien(トラム43または44“Brünnlbadgasse”下車)

電話:01-40170-0

概要:小児科専門病院。(小児)内科が主です。入院設備もあります。外科、歯科はありません。24時間診療です。

(3)Privatklinik Döbling(ドゥブリング病院)

所在地:Heiligenstädter Straseße 57-63, 1190 Wien(トラムD“ Rampengasse”下車)

電話:01-36066-0

概要:入院設備、検査設備も整った私立病院です。救急対応には不向きですが、予約をすれば歯科以外はほとんど診療科目で受診可能です。

(4)Rudolfinerhaus(ルドルフフィナー病院)

所在地:Billrothstraße 78, 1190 Wien(トラム38またはバス10A、39A“Silbergasse”下車)

電話:01-36036-0

概要:胃ガンの再建術で有名なDR. Billrothが創設した歴史のある病院。入院設備、検査設備も整った私立病院です。

(5)Unfallkrankenhaus Lorenz Böhler(ローレンツ・ビュウロー外傷専門病院)

所在地:Donaueschingenstraße 13, 1200 Wien(地下鉄U6またはバス5A、37A“Dresdnerstraseße”下車)

電話:01-33110-0

概要:外傷専門の病院です。

(6)Dr.矢本クリニック

所在地:Schottengasse1010 Wien(日本国大使館の近くです)

電話:01-5263062

概要:日本人医師が当国の医学部を卒業され医師免許を取得。2003年12月より総合医として開業。診療の他、医療通訳なども依頼可能です。

(7)ウイーン国際空港クリニック

所在地:ウイーン国際空港内

電話:01-7007-22245

概要:空港内でおきた急性疾患の対応のみならず、予防接種、旅行医学情報の提供なども行っています。

○ザルツブルグ市

(1)Landeskrankenanstalten Salzburg

所在地:Müllner Hauptstraße 48 5020 Salzburg

電話:0662-4482-0

概要:歯科、精神科を除く総合病院。24時間診療。

○インスブルグ市

(1)Landeskrankenhaus Universitätsklinik

所在地:Anichstraße 35,6020 Innsbruck

電話:0512-504-0

概要:総合病院。歯科、精神科もあります。24時間診療。

10.その他の詳細情報入手先

 大使館医務室にはウイーン市内の専門別の医療機関・保健センター等のリストがあります。必要な方はご相談下さい。

 インターネットでの医師検索(ドイツ語):http://www.aekwien.at他のサイトヘ

 当国の予防接種情報:http://www.euvac.net/graphics/euvac/vaccination/austria.html他のサイトヘ

11.現地語一口メモ

医師:Arzt (アルツト)

飲み薬:Medikament (メディカメント)

座薬:Zapfchen (ゼップ(フ)ヘン)

注射:Spritze (シュプリッツェ)

頭痛:Kopfschmerzen (コプフシュベルツェン)

胸痛:Brustschmerzen (ブルストシュメルツェン)

腹痛:Bauchschmerzen (バウフシュメルツェン)

下痢:Diarrhoe (ディアールローエ)

発熱:Fieber haben (フィーバーハーベン)

吐気:Ekel, Ubelkeit (エッケル,ウーベルカイト)

傷:Wunde (ヴンデ)

気分が悪い:Ich fuhle mich nicht wohl. (イッヒ フゥーレ ミッヒ ニヒト ヴォール)

病院へ連れて行って下さい:Bitte bringen Sie mich zum Krankenhaus. (ビッテ ブリンゲン ズィー ミッヒ ツム クランケンハウス)

風邪をひいた:Ich habe mich erkaltet. (イッヒ ハーベ ミッヒ エアケルテット)

下痢をした:Ich habe Durchfall. (イッヒ ハーベ ドゥルッヒファール)

めまいがする:Ich fuhle mich schwindelig. (イッヒ フゥーレ ミッヒ シュビンデリッヒ)

ここが痛い:Es schmerzt hier. (エス シュメルツト ヒアー)

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