在外公館医務官情報

パナマ

2010年10月

1.国名

 パナマ共和国(パナマ)(国際電話国番号 507)

2.公館の住所・電話番号

3.医務官駐在公館

4.衛生・医療事情一般

 パナマは一部の山岳地帯を除き、全土が熱帯に属し、年中通じて高温多湿です。1月~4月の乾季と5~12月の雨季にわかれます。人口約340万人うち過半数は都市部に集中しています。平均寿命は女性79歳、男性74歳で中南米では長寿の国となっています。都市部は近代的な高層ビルやショッピングモールが立ち並ぶ一方で、地方を中心に貧困層が4割に達するなど、地域間での格差を認めます。医療事情も地域差があり、約20%の医療施設はパナマ県に集中しています。首都のPanama 市では一部高い水準の医療が期待できる反面、地方においてはそうした医療施設に乏しい状況です。乳幼児死亡率も近年減少傾向にありますが、地域によって大きな差があります。人口の9%を占めるインディオ系の住民が多く住むボカス・デル・トロ地区では乳幼児死亡率は全国平均の2倍ともいわれています。パナマ市内に滞在する限り、上水道の発達もあり衛生上の問題はさほどありませんが、飲料用にはミネラルウォーターをおすすめします。万が一病気になった場合、手術や入院時にかかる医療費は他の中米諸国同様、高額となります。是非とも渡航前に緊急移送費用も含まれた海外旅行障害保険に加入されることを勧めします。

5.かかり易い病気・怪我

(1)デング熱:1993年の流行以降は毎年数百から数千例の報告があります。2009年は7,000例を超えるなど、年により差があるものの風土病として定着しつつあります。デング出血熱の報告はそれほど多くありませんが、出血熱の場合はショック症状などで重篤になる場合もあり注意が必要です。高熱が持続する場合には速やかに医療機関を受診しましょう。

(2)感染性胃腸炎:乳幼児を中心に毎年多くの感染者の報告があります。パナマの都市部ではそれほど感染の心配はありませんが、日頃より調理の際には十分過熱する、生物は避けるなど飲食物の扱いには十分注意しましょう。

(3)マラリア:コスタリカとコロンビアの国境付近の地域(ボカス・デル・トロ、ダリエン、サン・ブラス県)を中心に、マラリア感染が報告されています。2002年から2006年にかけて流行し毎年数千人の感染例のうち約10%が熱帯熱マラリアでした。その後感染者が減少傾向にあり2008年以降は年間約700名前後の症例、うち数%が熱帯熱マリアによる感染です。WHOは予防薬としてボカス・デル・トロ県ではクロロキン、東部コロンビアとの国境地域ではメフロキンやドキシサイクリンを推奨しています。パナマ市ではマラリア予防薬服用の必要はありません。

(4)結核:治療薬内服の直接確認システム(DOTS)の普及により近年、治癒率が高くなってきているようですが、いまだ結核の発症少なくありません。毎年10万人あたり45人前後の報告があり2005年以降はなだらかに減少していますが、毎年100名以上が死亡しています。男性、高齢者に多い傾向があり、エイズとの合併も数%あるといわれています。

(5)HIV/AIDS:1984年に Panama で最初の例が報告されて以来、増加傾向にあります。HIV感染者は累計で数万人にのぼり、うちAIDSの発症者は毎年数百名から千名程度が報告されています。異性間性行為によるものが6割を占め、30~40歳代の男女ともに発症率が高くなっています。

(6)その他の病気:主に農村部においてサシガメという昆虫に刺されて起こるアメリカトリパノソーマ症(シャーガス病)やサシチョウバエという昆虫に刺されて起こる皮膚粘膜リーシュマニア症という病気もみられます。どちらも慢性に経過し体中に重大な影響を与える可能性のあるものですので注意が必要です。

6.健康上心がける事

(1)国土の多くは熱帯の気候ですが、場所によっては山岳部等、気温の低い所や極めて湿度が高い所もあり、気候の変化に応じて衣類の着脱をこまめに行うことが必要です。

(2)地方や密林では暑くても出来るだけ半ズボン、サンダル等、露出度の高い服装は避け、虫に刺されないよう注意して下さい。就寝中に蚊に刺されないように戸や窓の開閉に注意し、必要に応じて網戸や蚊帳(かや)、防虫剤の使用を心掛けて下さい。

(3)暑さによる脱水症を予防するため、水分を十分摂るように心がけて下さい。

(4)麻薬に関する犯罪も多く、こうした事件に巻き込まれないようにして下さい。 交通事故や外傷、中毒なども死因の上位を占めています。※これらの傷害は致命的な場合もあり、その後の人生に大きな影響を及ぼす可能性があるのでくれぐれも注意して下さい。こうした場合に備えて当地への渡航前にあらかじめ海外旅行傷害保険に加入しておいて下さい。

(5)無理なスケジュールは病気の誘因になる場合が多いので注意が必要です。休養をこまめにとりましょう。

7.予防接種

(1)赴任者に必要な予防接種 成人・小児共、入国に際して法的に要求されるワクチンはありません。ただし、ブラジル、ボリビア等の黄熱病汚染地域からの入国に際しては黄熱病接種証明書(イエローカード)の提示が求められます。またカリブ海や中南米各地への出張や旅行が予想される方は黄熱病ワクチンを接種しておく必要があります。

 成人についてはA型、B型肝炎ワクチン、破傷風の追加接種を最低済ませてくることをお勧めします。
(2)現地の小児定期予防接種一覧

現地の小児定期予防接種一覧
  初回 2回目 3回目 追加
BCG 出生時      
ポリオ 2ヶ月 4ヶ月 6ヶ月 18ヶ月、4歳
DPT 2ヶ月 4ヶ月 6ヶ月 4歳
MMR 12ヶ月 4~5歳    
B型肝炎 出生時 2ヶ月 4ヶ月 6ヶ月
インフルエンザb 2ヶ月 4ヶ月 6ヶ月 15~18ヶ月
DT       6歳
A型肝炎 12ヶ月 18ヶ月    
黄熱 12ヶ月     11歳

ポリオ:生ワクチン使用

注)上記は保健省が定めたスケジュールですが、希望者は私立病院で自費にて米国のスケジュールに沿って、上記以外にA型肝炎・水痘・髄膜炎菌・肺炎球菌・ポリオ(不活化ワクチン)などの予防接種が可能です。

(3)小児が現地校に入学・入園する際に必要な予防接種・接種証明:

 当地のアメリカンスクール等へ入学する際にはワクチン接種証明書が必要です。必要な予防接種としては明示されていませんが、BCG、ポリオ、DPT、MMR、B型肝炎は接種を済ませておいた方が良いでしょう。医療機関で追加接種することも可能です。日本より母子手帳を持参しましょう。

8. 乳児健診

 当国では国で定められた乳児健診制度はありませんが、私立病院や開業している小児科医に依頼すれば個別に健診していただけます(有料)。

9.病気になった場合(医療機関等)

◎パナマ

(1)Hospital Punta Pacifica(オスピタル プンタ パシフィカ)

所在地:Boulevard Pacifica y Via Punta Darien

電話:204-8300/8400

概要::2006年に開設された近代的設備の整った私立病院(英語可)。24時間体制で緊急対応可能です。多くの邦人が利用しています。

(2)Centro Medico Paithilla(セントロ メディコ パイティージャ)

所在地:Avenida Balboa y call53, Panama

電話:265-8800, 8888(緊急時)

概要:24時間体制で緊急対応可能です。邦人も利用しています。

10.その他の詳細情報入手先

 http://www.minsa.gob.pa/ 他のサイトヘ(スペイン語):パナマ保健省のホームページ。

 http://www.paho.org/default.htm 他のサイトヘ(英語):WHOのアメリカ大陸の組織(PAHO)のホームページで、パナマに関する医療情報が入手出来ます。

11.現地語一口メモ

 主要言語―スペイン語をご参照下さい。

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