2010年10月
ニカラグア共和国(マナグア,グラナダ)(国際電話国番号505)
ニカラグアは中米地域のほぼ中央に位置し、国土はほぼ北緯11度から15度の位置にあり、亜熱帯地域に属します。首都のManagua 地域の年平均気温は27度前後、毎年5月から11月までの雨季と残りの時期の乾季に分かれています。湿度は雨季・乾季での差はそれほどなく、Managua地域で年平均75%です。こうした気候からいわゆる熱帯病といわれる病気が多く、全国的に呼吸器・消化器感染症やデング熱、マラリアに注意が必要です。人口約570万人、平均寿命男性68歳女性74歳(2006年)。国民の5〜6割は統計的に貧困層に属し、経済格差に根ざした医療保健体制の不備はこの国の大きな問題となっています。また当国では最近自動車の普及と共に交通事故件数も増加しています。道路が狭く十分な路側帯が設けられていないことや運転者の教育が行き届いていないこと、一般交通車両の安全装備の不備など、交通安全のための環境がいまだ整っていません。こうした状況から、緊急時には国外に治療を求める可能性もあると思われますので、当国への渡航前に緊急移送費用も含まれた海外旅行障害保険に加入されるようお勧めします。
(1)デング熱:ほぼ国内全土で発生しています。デング熱ウイルスを保有する蚊(主にネッタイシマカ)に刺されることによって感染します。当国ではデング熱は Managua市やその周辺の地域にも多く、毎年、在留邦人も感染しています。1990年代初めになって当国で初めて報告されて以来、現在ではほぼ風土病として定着してしまった状態です。1998年には1万人を超す流行がありましたが、以後減少傾向にあり、2007年までは毎年1500人前後の発症、うち5〜10%がデング出血熱と診断されています。また2009年には5年ぶりに大流行しました。発症すると高熱や頭痛、関節痛が持続し、時に出血やショック症状などで重篤になる場合もあり注意が必要です。高熱が持続する場合には速やかに医療機関を受診しましょう。高熱が持続する場合は速やかに医療機関を受診しましょう。住宅の窓に網戸を取り付けることも当地では大切な感染対策の一つになっています。
(2)感染性胃腸炎:感染性腸炎(下痢疾患):アメーバ赤痢、ジアルディア(ランブル鞭毛虫症)、コレラ、腸チフス、大腸菌、ブドウ球菌、サルモネラ菌等が主に飲食物を介して感染して引き起こされ、こうした病原体による地域的な流行は毎年発生しています。とりわけ乳幼児にとっては主な死亡原因となっています。激しい下痢や高熱が持続する場合は、自己治療だけで済ますことはなるべく避けましょう。可能な限り医療機関を受診し、便検査等で原因を明らかにした上で治療を受けておくことをお薦めします。
(3)マラリア:1996年に大流行があり7万6千人以上の感染症報告があった以降は減少し、特に熱帯熱マラリアに関しては約7割減少しました。2005年〜2006年にかけては毎年1,000〜2,000名の発症でしたが2008年には700名前後と減少しています。熱帯熱マラリアは全症例の5〜10%程度とされています。主に都市部よりも地方農村に多く、大西洋岸に多い傾向があります。WHOは予防薬としてクロロキンを推奨しています。首都マナグア中心部では予防薬の服用は特に必要ありません。
(4)結核:治療薬内服の直接確認システム(DOTS)が普及し治癒率も上昇していますが、いまだ中米の中でも感染率は高く(人口10万人あたり35〜50人の罹患)また結核による死亡者も年間400名を超えています(2006年)。高齢者・男性に多い傾向にあります。
(5)エイズ:2008年までにHIV感染登録者は累計5,000名を越え、AIDS発症報告数は500名以上で実数はその数倍以上 にのぼると推定されています。約8割が性交渉によるもので感染者は20〜40歳代の男性に多く、都市部に集中しています。
(6)生活習慣病:近年、交通網の発達、食生活の変化から高血圧、糖尿病が急速に増加しています。それにともない、心血管障害による死亡率も増加傾向にあります。
(7)その他の病気:主に農村部においてサシガメという昆虫に刺されて起こるアメリカトリパノソーマ症(シャーガス病)やサシチョウバエという昆虫に刺されて起こる皮膚粘膜リーシュマニア症という病気もみられます。どちらも慢性に経過し体中に重大な影響を与える可能性のあるものですので注意が必要です。
(1)熱帯地方で必要な一般的注意事項として、加熱調理した物を熱いうちに食べること、生もの(生水や氷、生野菜、生焼けの肉、切り売りされている果物等)は避けること。また飲用には大型スーパー等で市販されているミネラルウォータの使用をお薦めします。
(2)蚊に刺される可能性のある時には、長袖のシャツや長ズボン、靴を着用し、虫避けスプレーを使うなどなるべく蚊に刺されないようにして下さい。夜間は蚊を避けるため網戸や蚊帳、蚊取り線香(こちらでも市販されています)の使用をお薦めします。
(3)特に湿気が多く洗濯物も乾きにくく不潔になりやすい雨季には、ダニや疥癬虫の繁殖を避けるため、体を清潔に保ち、シーツや衣類も小まめに洗濯し(出来る限り晴れた時に日光に曝すこと)、きちんと部屋の掃除をするよう心掛けましょう。
(4)地方の古い家の土壁の亀裂や藁葺きの屋根にはサシガメと呼ばれる昆虫が潜んでおり、この虫に夜間吸血されることでシャーガス病(アメリカトリパノソーマ症)と呼ばれる重大な病気に感染する可能性があるので、古い民家などへの宿泊はなるべく避けるようにしましょう。
(5)当国は日射が強く、長時間炎天下に曝された場合には発汗により身体から多量の水分が蒸散し、脱水症を起こし、熱中症になる可能性があります。こうした場合には十分な水分補給が必要となります。野外に長時間出かける場合には十分な飲料水の準備をして下さい。発熱や下痢によっても脱水症は起きます。特に子供は脱水症を起こし易いので注意が必要です。
入国時に必須の予防接種はありませんが、成人についてはA型、B型肝炎ワクチン、破傷風の追加接種を最低済ませてくることをお勧めします。
カリブ海や中南米各地への出張や旅行が予想される方は黄熱病ワクチン接種をお勧めします。
| 初回 | 2回目 | 3回目 | 追加 | |
|---|---|---|---|---|
| BCG | 出生時 | |||
| ポリオ | 2ヶ月 | 4ヶ月 | 6ヶ月 | |
| DPTまたは五種混合 | 2ヶ月 | 4ヶ月 | 6ヶ月 | 18ヶ月 |
| MMR | 1歳 | |||
| B型肝炎 | 2ヶ月 | 4ヶ月 | 6ヶ月 | |
| インフルエンザb | 2ヶ月 | 4ヶ月 | 6ヶ月 | |
| ロタ | 2ヶ月 | 4ヶ月 | 6ヶ月 |
ポリオ:生ワクチン使用
注)上記は保健省が定めたスケジュールです。希望者は私立病院で自費にて米国のスケジュールに沿って、上記以外にA型肝炎・水痘・髄膜炎菌・肺炎球菌・ポリオ(不活化ワクチン)などの予防接種が可能です。
当地のアメリカンスクール等へ入学する際にはワクチン接種証明書が必要です。必要な予防接種としては明示されていませんが、BCG、ポリオ、DPT、MMR、B型肝炎は接種を済ませておいた方が良いでしょう。医療機関で追加接種することも可能です。日本より母子手帳を持参しましょう。
当国では国で定められた乳児健診制度はありません。
所在地:Km. 9 3/4 Carretera a Masaya, 250mts. Al oeste, Managua
電話:255-6900
概要:アメリカの大手資本と提携し、2004年開院の私立総合病院(英語可)。24時間体制で緊急対応可能です。 邦人が最もよく利用しています。
所在地:Atras del Reciento Universitario Carlos Fonsaca Amador.
電話:2249-7070、7277
概要:私立総合病院。24時間体制で緊急対応可能です。
所在地:Del Hotel Inercontinental 3 2/1 cuadras al sur, Managua
電話:222-2763
概要:国立の総合病院。24時間体制で救急対応可能
所在地:Km44 Carretera Masaya-Granada 100mts al sur, Granada
電話:2552−7049, 7050
概要:日本の経済協力で建設された総合病院
http://www.minsa.gob.ni/
(スペイン語):ニカラグア保健省のホームページ
http://www.paho.org/default.htm
(英語):WHOのアメリカ大陸の組織(PAHO)のホームページで、ニカラグアに関する医療情報が入手できます。
主要言語―スペイン語をご参照下さい。