2012年3月
メキシコ合衆国(メキシコシティ,カンクン)(国際電話国番号52)
メキシコ全体の気候は緯度、高度、山脈の走行、海流などの要因により多様性に富んでいます。北部は乾燥していて、夏と冬の気温差は激しい一方で、南部は1年中高温多湿です。首都メキシコシティは標高2,240メートルの高地であり、気候は年間を通じて温暖で、最も寒冷な12月と1月で東京の秋程度、一番暖かい4月から7月で東京の初夏程度です。1年を11月~4月の乾期と5月~10月の雨期に大別できます。メキシコシティでは、90年代初めより大気汚染が深刻化し特に乾期には光化学スモッグが問題となっていましたが、近年ディーゼル車の制限や排気ガス点検の義務化により改善に向かいつつあります。しかし、依然その汚染レベルは基準を大きく超えており、慢性呼吸器疾患を持つ人は注意が必要です。
医療レベルは一定の水準にあり、都市部の私立病院の中には、アメリカと比較しても遜色ない設備の整った病院もあります。ただし、公立病院では予算不足による機材や設備の老朽化、医薬品の不足が問題となっており、満足な治療が受けられない場合があるため、ほとんどの日本人は私立病院を受診します。病院では医師以外は、英語の通じない病院スタッフがほとんどです。私立病院での医療費支払いは高額なため、クレジットカードが必要です。医療費は高額で、例を挙げると診察が1万円(検査・薬代は別会計)、血糖検査1,500円、腹部超音波検査2万5千円、胸部X線検査4千円、MRI検査9万円、上部消化管内視鏡検査10万円などです。また、入院の室料は1泊1万円から8万円程度です。例えば、私立病院に下痢・嘔吐による脱水で入院した乳児が血液検査・抗生物質を含む点滴を受けて3日間の入院で25万円程度となります。注意点として、救急外来受診時には、診察前にデポジットを支払う必要があり(5万円程度)、入院になると約25万円の前払いを要求されます。支払いできない場合は診察を拒否されます。従って、海外旅行傷害保険に入っておくことをおすすめします。
(1)高山病:標高2,240メートルのメキシコシティでは、軽症の高山病に悩まされることがあります。高地適応については年齢因子よりも個人差がありますので元気な若者でも症状が出ます。頭痛、吐き気、腹部膨満、動悸、息切れ、倦怠感、不眠等の症状が見られます。対策は無理に動き回らないこと、アルコール摂取を控えることや水分を多めに摂取することです。
(2)感染性胃腸炎:ウイルス、細菌などが原因で腹痛、嘔吐、下痢、発熱などの症状を起こします。1年を通して多くみられます。強い腹痛、高熱、血便、脱水等の症状が出た時には早期に病院を受診し、便検査や血液検査等で原因を明らかにした上で治療を開始することをおすすめします。
(3)原虫・寄生虫による消化管疾患:内服治療が必要になります。寄生虫(蟯虫、回虫、条虫)は全国的に見られます。
(4)呼吸器感染症:メキシコシティは年間を通じて空気が乾燥しており、特に乾期では湿度が20%を下回ることもあります。このため呼吸器感染症にかかると長引く傾向にあり、ときに咳が1ヶ月以上も続くことがあります。喘息等の慢性呼吸器疾患を持つ人はメキシコ渡航前に主治医とよく相談する必要があります。
(5)デング熱:デングウイルスを保有する蚊に刺されることによって感染します。メキシコの低地や海岸地域で見られます。
(6)マラリア:当国では三日熱マラリアがほとんどです。マラリア原虫を保有する蚊に刺されることにより感染します。
(7)サソリ:メキシコ市内でも散見されます。刺されたら可能であればサソリを捕獲して救急外来に受診してください。
(8)交通事故:完全な車優先社会ですので、たとえ青信号でも注意して道路を横断する必要があります。運転時には他者の無謀運転の巻き添えにならないよう十分に注意してください。また、道路は陥没していたり、マンホールの蓋がないまま放置されていることがあります。歩道も同様に穴があいていたり、基礎工事の金属棒が飛び出していたりしますので注意してください。
(1)屋台のタコスやアイスクリ-ムなどは温度管理が悪いと病原菌が急激に増加します。加熱調理されたものは熱いうちに食べ、生ものは避けましょう。
(2)飲料水は市販のボトルに入ったものを使用しましょう。
(3)旅行中に体調をくずし急死される高齢者の方や、ロスカボス、カンクンなどで水の事故に遭われる方がいます。時差ボケだけでなく、メキシコは国土が広いため、気候も多種多様で疲労が蓄積します。余裕を持った旅行スケジュールで行動してください。
(4)スーパーの野菜コーナーで生野菜用の消毒液を売っています。
(5)メキシコシティでは一時期より改善したとはいえ大気汚染は深刻です。交通量の多い地域を長時間歩くことは避けましょう。また、帰宅後はうがいや手洗いをしてください。
(6)高地では紫外線が強いので注意が必要です。皮膚炎、色素沈着、皮膚癌、結膜炎や白内障の原因になります。外出時は日焼け止めを塗り、帽子やサングラスを着用しましょう。
入国に際し要求される予防接種はありませんが、成人・小児ともに破傷風、A型肝炎、B型肝炎の接種を受けておくことをお勧めします。メキシコは野良犬が多く、「犬・猫に対する狂犬病予防接種キャンペーン」が全国的に行われています。狂犬病の発生自体はごくわずかですが、犬に咬まれた場合にはすぐに病院を受診し、必要な処置を受けてください。また、メキシコには日本のような予防接種に関する副作用救済制度はありません。
メキシコシティで黄熱病予防接種を受ける場合
保健所の名称:Centro de Salud Dr. Angel Brioso Vasconcelos
所在地:Benjamin Hill 14, Col. Condesa
電話:5277-6311
時間:月曜~金曜 9~13時、15~18時
料金:159ペソ(2010年8月現在)
事前確認とパスポート持参が必要です。
| ワクチン名 | 対象疾患名 | 回数・目的 | 年齢 |
|---|---|---|---|
| BCG | 結核 | 1回のみ | 出生時 |
| ANTIHEPATITIS B | B型肝炎 | 1回目 | 出生時 |
| 2回目 | 2ヶ月 | ||
| 3回目 | 6ヶ月 | ||
| PENTAVELENTE ACELULAR (DPaT+VPI+Hib) ※ポリオは注射ワクチン |
ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ、インフルエンザ菌b型 | 1回目 | 2ヶ月 |
| 2回目 | 4ヶ月 | ||
| 3回目 | 6ヶ月 | ||
| 4回目 | 18ヶ月 | ||
| DPT | ジフテリア、百日咳、破傷風 | 補強 | 4才 |
| ROTAVIRUS | ロタウイルス胃腸炎 | 1回目 | 2ヶ月 |
| 2回目 | 4ヶ月 | ||
| NEUMOCOCCICA CONJUGADA 7 valente | 肺炎球菌感染症 | 1回目 | 2ヶ月 |
| 2回目 | 4ヶ月 | ||
| ANTIINFLUENZA | インフルエンザ | 1回目 | 6ヶ月 |
| 2回目 | 7ヶ月 | ||
| 再接種 | 35ヶ月まで毎年10月~11月 | ||
| TRIPLE VIRAL SRP | 麻疹、風疹、流行性耳下腺炎 | 1回目 | 1才 |
| 2回目 | 6才 | ||
| Td | 破傷風、ジフテリア | 補強 | 12才以降 |
| SABIN(経口ワクチン) | ポリオ | 追加(2月と5月のポリオワクチン週間のみ) | 1~5才(ただし注射ポリオワクチンを2回接種済みの者が接種できる) |
| SR | 麻疹、風疹 | 追加 | SRP未接種者の13~35才 |
| Td(未接種者) | 1回目 | 10才以降 | |
| 2回目 | 上記1回目の4~8ヶ月後 | ||
| 補強 | 12才以降 | ||
| ANTIHEPATITIS B(未接種者) | B型肝炎 | 1回目 | 12才以降 |
| 2回目 | 上記1回目の1ヶ月後 |
ポリオワクチンは経口ワクチンから注射ワクチンへ移行中です。定期予防接種は「Cartilla Nacional de Salud」を持っている人は政府系病院、保健所等で無料で受けられます。
(3)在留邦人の子供たちが通う主な幼稚園やインターナショナルスクール入学時は予防接種歴を提出します。日本から母子手帳を持参してください。
「Cartilla Nacional de Salud」という日本の母子手帳に相当する手帳が連邦厚生省から発行されており(入手には手続きが必要)、これに基づいて定期予防接種や乳児健診が行われます。これによると生後半年までは1ヵ月毎、その後1歳までは2ヵ月毎、そして1~5歳までは6ヶ月毎の健診が勧められています。
メキシコシティやカンクンなど、観光客がよく利用する大きなホテルには、ホテルと契約している医師がいます。緊急の際には部屋まで往診に来てくれ、重症の場合は医療機関への手配も行ってくれます。以下にある総合病院では24時間対応で、小児科についても受け付けています。
固定電話からメキシコ市内の固定電話へかけるときは8桁の電話番号、市外の固定電話へ(から)は最初に01をつけてから10桁の電話番号をダイヤルします。
携帯電話から市内の固定電話へは8桁の電話番号、市外への固定電話へは10桁の電話番号をダイヤルします。
「総合病院」
所在地:Sur 136 No.116, Col. Las Americas, Mexico, D.F.
電話:(55)5230-8000、救急外来電話:(55)5230-8161
概要:アメリカンスクールの隣にあります。癌センター、臓器移植センター、循環器センター、栄養学・代謝疾患センターがあります。
所在地:Av. Carlos Graef Fernandez 154(entrada por Av. Vasco de Quiroga) Col. Tlazala Santa Fe, Cuajimalpa
電話:(55)1103-1600、救急外来電話:(55)1103-1666
概要:脳血管センター、母子医療センター、整形外科・外傷センター、眼科センター、予防医学センターがあります。2004年に建設されました。
所在地:Ave. Ejercito Nacional 613, Col. Granada, Mexico, D.F.
電話:(55)5255-9600、救急外来電話:(55)5255-9645
概要:日本人が多く住むポランコ地区に面した総合病院です。
所在地:Camino a Sta. Teresa 1055, Col. Heroes de Padierna, Mexico, D.F.
電話:(55)5449-5500、救急外来電話:(55)5652-6987, 5568-1540
概要:日本人学校(日墨学院)の近くにあります。
所在地:Puente de Piedra No.150, Col. Toriello Guerra, Tlalpan, Mexico D.F.
電話:(55)5424-7200(救急外来は左記電話のあと、3を選ぶ)
概要:メキシコシティ中心部からはやや離れた南部にあります。
「クリニック」
電話:5250-7964/7959
概要:日本人医師(多富医師/整形外科医)、日系人医師(白石医師/内科医、宗田医師/消化器・内視鏡医)が日本語で診察しています。
「歯科」
所在地:Salas 15 y 16 modulo"E"
電話:(55)5254-6698/5254-6743
所在地:Av. Ejercito Nacional 475-2A Col. Granada, Mexico D.F.
電話:(55)5545-0156
メキシコシティでは上記の他に日本人(日系人)医師・歯科医師が日本語で対応してくれるクリニックが複数あり、日本人向けの案内書、情報誌などに掲載されています。
メキシコシティ国際空港救急室(赤地に白の○十字のマークが掲示してあります。)はターミナル1に2カ所(国際線・国内線に各1)、ターミナル2に1カ所あります。機内、空港内で発生した急病人や突発事故に対する救急医療を目的とし、24時間対応しています。救急蘇生(処置)をして他病院に搬送します。
所在地:Av. Bonampak y Nichupte, Plaza Las Americas, Cancun, Quintana Roo
電話:(998)881-3400
所在地:Av. Bonampak Lote 7A Mz 2 SM 10 CP 77500
電話: (998)881-3700
所在地:Retorno Viento #15 S.M.4 MZ.22 (centro)
電話:(998)884-6133
大使館ホームページhttp://www.mx.emb-japan.go.jp/![]()
メキシコ厚生省公式ホームページ(スペイン語)http://www.salud.gob.mx/![]()
セントロメディコABC http://www.abchospital.com/![]()
スペイン病院 http://www.hespanol.com/![]()
オスピタル アンヘレス http://www.hospitalangelesmexico.com/![]()
メディカ スル http://www.medicasur.com/![]()
アメリ メド http://www.amerimed.com.mx/![]()
オスピテン カンクン http://www.hospiten.es/![]()
オスピタル アメリカーノ http://www.hospitalamericano.com/![]()
主要言語―スペイン語をご参照下さい。