在外公館医務官情報

ホンジュラス

2010年10月

1.国名・都市名

 ホンジュラス共和国(テグシガルパ市、サン・ペドロ・スーラ市)(国際電話国番号504)

2.公館の住所・電話番号

3.医務官駐在公館

4.衛生・医療事情一般

 ホンジュラスは赤道以北・北回帰線以南の低緯度地域に位置し、基本的に熱帯の国です。季節はおおよそ5月から10月までの雨季と11月から4月までの乾季に分かれます。雨量はカリブ海側に多く、乾期でも相当量の降雨があります。首都テグシガルパは標高1,000メートル弱の高原地帯に位置するため年間を通じて比較的過ごしやすい気候です。気温は時期により日中30度以上になりますが朝晩は大体涼しく(日内変動が大きい)、また時期にもよりますが湿度はさほど高くありません。他方第2の都市サン・ペドロ・スーラをはじめとする標高の低い地域は高温多湿の典型的な熱帯性気候で、気温はほぼ一年中30度を超え、湿度は乾季の期間でも80%以上となります。

 年間を通じ消化器系感染症、蚊その他の昆虫に媒介される病気(デング熱、マラリア、シャーガス病、リューシュマニア等)が存在します。戸外では虫除けスプレーなどを使用して蚊その他の昆虫に刺されないようにする必要があり、特に海岸や湿地帯では注意が必要です。長袖・長ズボンの着用をお勧めします。またダニ、ノミの類にも注意を払う必要があります。

 食品衛生状況は良くないので路上売店等での飲食は基本的に避けるべきです。また出来るだけ加熱されたものを食し、生ものは温度管理が不充分ですから避けて下さい。当国の水道水は飲用に適しませんので市販の精製水やミネラルウォーターを利用する必要があります。

 公的病院は慢性的な医薬品・医療器具不足に悩まされており、なかなか検査治療を行ってもらえない・受診者が溢れている(待ち時間が非常に長い)等の事情から受診はお勧め出来ません。医師は午前中公的病院で働き、午後は自分のクリニックや私立病院で働くと言うのが当国の一般的スタイルです。従って、私立病院での受診は原則として午後(4時以降夕方)となります。大都市の私立病院はある程度の疾患に対応出来ますが、輸血を伴う手術等の処置を要する場合は基本的にはアメリカ合衆国等の先進国で受ける事をお勧めします。当国での輸血は、提供された血液の検査体制が充分でないおそれがあり、またHIVやB型肝炎をはじめとする血液を介する感染症の有病率が高いため、なるべく避けるべきです。国外への移送費やアメリカ合衆国での医療費は非常に高いので、旅行者傷害保険等に充分な保険金額をかけておくべきです。

5.かかり易い病気・怪我

(1)交通事故等:当国の運転マナーは非常に悪いため道路の横断等には充分な注意が必要です。特にタクシー運転手のマナーは一般的に酷く、タクシーは治安面の問題も含め利用を避けるのが賢明です(無線タクシーは比較的安全とされています)。また銃が氾濫しており喧嘩等にも使用されています。強盗は銃を所持していると考えるのが当国の常識で、身の安全を第一にし抵抗しないようにしてください。

(2)デング熱:ネッタイシマカという蚊により媒介されます。蚊の吸血によって感染し、5〜8日後に突然発熱と全身の筋肉痛が現れます。対処療法しかなく、またデング出血熱では死に至ることもあるため注意が必要です。重症例では早期の輸液や輸血その他の処置を行うことが必要となる場合もあります。2010年のデング熱患者数は例年より非常に多く第28週(7月17日まで)の時点で27,677人にのぼり、またデング出血熱の患者は853名、うち31名は死亡しています。

(3)マラリア:ハマダラカという蚊により媒介されます。当国のマラリアはほとんどが三日熱マラリアと呼ばれるもので薬剤耐性は有りません。首都圏および近郊で患者発生の報告はあまりありませんが、特に北部海岸地域、農村部では年間を通し蚊に刺されないよう充分注意する必要があります。2009年の患者数は北部のカリブ海沿岸地域(グラシアスアディオス、アトランティダ、コロン、オランチョ、ジョロの各県)およびバイア諸島を中心に疑い例18,539名、うち確定例が3,426名です。

(4)シャーガス病(アメリカトリパノソーマ):サシガメという親指大の昆虫により媒介されます。サシガメは日中には土壁や茅葺き屋根の中に潜み、夜間に人から吸血します。吸血直後に排便し、その中に感染幼虫が含まれます。吸血は無痛ですが強い痒みがあり、無意識にかきむしることにより感染幼虫が吸血部に擦り込まれヒトに感染します。潜伏期間は1〜2週間です。発熱、発疹、リンパ節腫脹が見られ、重症の場合は心筋炎や脳髄膜炎を併発することがあります。この時期に適切な治療を行わないと10年以上も経ってから内臓(食道、大腸、心臓等)の症状が出現し死に至ります。特に農村部で宿泊する際は注意が必要です。年間患者発生数は約80〜200名、2009年の患者数は各種病型を合わせて174名です。

(5)リューシュマニア:サシチョウバエやサンドフライと呼ばれる昆虫により媒介されます。感染後1週間から数ヶ月して持続性の高熱と全身倦怠で発病します。不明熱のまま診断がつかない場合がしばしばあります。内蔵型と皮膚粘膜型がありますが、適切な治療が行われないと刺された場所の壊死を生じます。年間患者発生数は約600〜1,000名、2009年の患者数は754名です。

(6)性感染症:HIV、梅毒、淋病、クラミジア、性器ヘルペス、B型肝炎等の患者数が多く充分な注意が必要です。

(7)消化器系感染症:下痢症は年間20万人台で発生し、赤痢は2万人台、A型肝炎は2,000〜4,000人です。水道水が汚染されている、食品衛生・温度管理が不充分である等の理由が考えられます。生水や生ものは避け、野菜等の食材も充分洗浄し加熱加工したものを食するよう心掛ける必要があります。

6.健康上心がける事

(1)食中毒、下痢症、A型肝炎が多いことから、生もの、生水および出所が不確実な氷は避けて下さい。

(2)熱射病に注意することが必要です。スポーツをする時は脱水に注意し、水分を摂取しながら行うようにして下さい。戸外で浴びる紫外線は非常に強いので屋外行動の時は日焼け止めを使用することをお勧めします。また目を守るためのサングラスも用意した方が良いでしょう。
(3)長期滞在する方は日本で定期的な検診を受け、必要が有れば予め日本で治療を行うようにして下さい。

(4)ロアタン島観光でダイビングをされる方は潜水病等の事故にあった場合、Anthony's Key Resort (Roatan, Bay Islands) に高圧酸素室の設備があります。通常は午前8時から午後5時までの稼働ですが緊急時には24時間対応可能ですので、電話:445-3003(ファックス:445-3140、普段は電話に設定してあるので必要時は前もって切り替えを依頼)に連絡し、緊急医療サービスを受けて下さい。また海岸ではヘヘン虫という吸血昆虫に刺されやすく、強い掻痒感に長期間悩まされますので虫除けスプレー・クリーム等の使用を強くお勧めします。

7.予防接種(現地のワクチン接種医療機関等についてはこちら(PDF)PDF

(1)赴任者に必要な予防接種

成人:A型肝炎・B型肝炎・破傷風(注:入国者の義務ではないが予防接種を受けることが望ましい)。

小児:BCG、ポリオ、DPT(3種混合:ジフテリア、百日咳、破傷風)、インフルエンザb菌、MMR(麻しん、おたふくかぜ、風しん)、B型肝炎 (注:B型肝炎は感染の危惧が有った時にのみ行う)。

(2)現地の小児定期予防接種一覧

現地の小児定期予防接種一覧
  初回 2回目 3回目 4回目とそれ以降
BCG 出生時 7歳    
ポリオ(OPV) 出生時 2ヶ月 4ヶ月 6ヶ月、1歳以後1年毎5歳まで
DPT 2ヶ月 4ヶ月 6ヶ月 18ヶ月、5歳
インフルエンザb菌 2ヶ月 4ヶ月 6ヶ月  
B型肝炎 感染時 30日 6ヶ月  
MMR 12〜17ヶ月     麻疹と風疹を7歳時に追加接種

(ポリオは日本と同じ経口ワクチンを用いている。)

(3)小児が現地校に入学・入園する際に必要な予防接種・接種証明

 当国で行っている予防接種の接種証明書が必要とされます。しかし教育機関により要求されないこともありますので、詳細は各校に直接ご確認下さい。

8.乳児健診

 日本で行われているような乳児健診システムはありません。

9.病気になった場合(医療機関等)

◎テグシガルパ市

(1)DIME(私立)

所在地:2901 Ave. Ucrania, Col. Humuya, Tegucigalpa

電話:239-9628,9629,9630, ファックス:239-9631,9634

概要:在留邦人が一番利用している病院です。救急は24時間対応、歯科も含めほぼ全科揃っています。緊急移送はSOSインターナショナルと提携しており協力的です。保証金は必要で、主なクレジットカードが使えます。日本で研修を受けた2名の医師がおり、受診時にあらかじめ連絡をしておけば日本語で対応し医療費の相談にものってくれます。Dr. Bayardo Pagoada Cruz (三重大学胸部外科に6年間の留学経験があり日本語が堪能です。心臓外科医)。Dr. Gustavo A. Moncada Paz (東京医科歯科大学循環器内科に留学、循環器内科医)。循環器疾患は設備も整っておりお勧めです。

(2)Honduras Medical Center(私立)

所在地:Colonia Las Minitas, Ave. Juan Lindo, Tegucigalpa

電話:280-1500, 280-1201(緊急用) ファックス:280-1560

概要:米国のThe Family Hospital Group of Companies が経営する2003年に開院した新しい病院です。医療設備は最新の診断機器が整備されており、アメニティも良好です。主なクレジットカードが使えます。救急科があり24時間対応です。主要な科と精神科(心療内科)もあります。交通事故等の緊急時にはお勧めの病院です。24時間の小児救急受け入れ可能です。

(3)歯科クリニック Dr. Jose Francisco Barahona

所在地:Condominio Lomas, Ave. Rep. Dominicana, Col. Lomas del Guijarro, Tegucigalpa

電話:239-5310, ファックス:239-5314

概要:東京医科歯科大学口腔外科に留学していた歯科医師です。日本語での受診が可能で、在留邦人が一番利用している歯科クリニックです。

(4) Centro de Implantes Dentales

所在地:Col. Florencia Sur #4402, Blvd. Suyapa, Tegucigalpa

電話:239-9761, 1331

概要:インプラントだけで年間約500件扱っています。設備が新しく充実しており歯科医師は専門の異なった者が数名在籍、英語での意思疎通が可能な歯科医師や小児専門の歯科医師も在籍しています。

○サン・ペドロ・スーラ市

(1)CEMESA(私立)

所在地:Col. Altamira, Boulevard del Sur, San Pedro Sula

電話:516-0174(ファックス共用)

概要:歴史のある総合病院で、要人の訪問に対応してきた市内では信頼されている病院です。付属の画像診断センターはMRI、マルチスライスCT 等、当国で最新の診断機器を備えた施設です。一部の医師は英語対応が可能です。

(2)Hospital del Valle(私立)

所在地:Col Bogran, Boulevard del Norte, San Pedro Sula

電話:527-8400, ファックス:551-8435

概要:新しく出来た総合病院です。MRI、CTを備えた画像センターと救急室、手術室、集中治療室などがあります。近年外来棟が増築され、外来診療機能が強化されました。アメニティは良好です。一部の医師は英語対応が可能です。

10.その他の詳細情報入手先

 大使館ホームページ:http://www.hn.emb-japan.go.jp/ 他のサイトヘ

11.現地語一口メモ

 主要言語―スペイン語をご参照下さい。

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