2010年7月
コロンビア共和国(ボゴタ首都圏、メデジン市、カリ市)(国際電話国番号57)
コロンビアは北緯12度から赤道を挟んで南緯4度までにわたる熱帯の国です。中央に3本に分かれたアンデス山脈が走り首都ボゴタをはじめ主要な都市は熱帯病のない高地に存在します。気候は低地の熱帯雨林気候から冷涼で変化の激しい山岳性気候まで変化に富んでいます。コカ、大麻、ケシの三大麻薬が栽培され、北米、欧州に密輸されているため昔から利権をめぐって犯罪組織やゲリラの活動が絶えず一般犯罪も多発し国民の健康にも大きな影を落としています。自由に移動できる地域は限られています。ただ、大都市の私立病院では先進国で研修を受けた医師が働き設備も中南米にしては充実しています。社会保障制度は医療サービスを保険形式により提供する体系と税方式により提供する体系から構成されていますが、後者についてはそのサービスの水準及び内容が劣ると言われています。
裕福な住民は公的制度の他私的保険に加入し高度の医療をうけています。ボゴタでは水道水の質の問題は少なく大きなスーパーマーケットで売られている食品の品質も概ね問題はありません。
(1)誘拐を含む犯罪:誘拐された在留邦人が2年9ヶ月間とらわれた後2003年11月遺体で発見されました。2003年の年間誘拐事件発生件数は約2500件です。その後、減少傾向にあり、2009年度は213件でした。殺人件数の減少傾向にあります。ここ数年(2005年から2009年まで)も少しずつではありますが、確実に減少しています(2005年は18,111件、2009年は15,817件)。但し、恐喝、窃盗を含めた一般犯罪全体は増加傾向にあり、一般旅行者は注意が必要です。
(2)交通事故: 無謀な運転をするバス、タクシーが非常に多くみられます。
(3)高地障害: ボゴタは標高2,600メートルに位置しています。循環器、呼吸器、血液に問題のある人にとっては症状が悪化する危険があります。健康な人でも息切れ、不眠、頭痛などの高地障害の症状を訴える方がいます。到着直後は激しい運動、アルコール摂取は控えてください。高地では空気が乾燥しており強い紫外線がふりそそいでいます。このため皮膚乾燥症になりやすいです。目の障害として短期にはいわゆる雪目になります。長期的には白内障や皮膚癌になる危険があります。
(4)ノミ咬傷: バスやタクシーなどの公共交通機関、人混み、ホテルなどでうつることがあります。いくら注意していても使用人やペットが家庭に持ち込みます。全身性の激しい痒疹が出現したときはまずノミによる被害を疑ってください。
(5)マラリア: ボゴタには蚊がいないため発生しませんが標高の低いカリ、メデジンでは発生することがあります。マラリアの原虫には4種類があり、良性のものが3種類(3日熱マラリア、4日熱マラリア、卵形マラリア)と悪性のものが1種類(熱帯熱マラリア)あります。生命の危険有るのは殆どが熱帯熱マラリアの場合です。2009年のコロンビアでのマラリア発生件数は84,525件、熱帯熱マラリアが21,727件、3日熱マラリアが62,126件、これらの混合が638件でした。コロンビアの観光地として有名なカルタヘナでは74件、サンタマルタでは57件、サンアンドレス島では0件でした。特に熱帯熱マラリアの発生件数の多いのはカウカ県やナリニョ県でした。マラリアはまだワクチンは開発されていませんので、蚊に刺されないのが一番の予防策になります。
(6)デング熱: マラリア同様ボゴタには蚊がいないため発生しませんが標高の低いカリ、メデジンでは発生することがあります。デング熱はネッタイシマカにより媒介されるデングウイルスによって起こる疾患です。発熱を主な症状とする古典的なタイプと重篤な出血熱タイプのものがあります。潜伏期間は1週間前後、通常40度前後の高熱で発症し、その後麻疹のような発疹が体幹から始まり四肢に広がることがあります。血小板が減少し出血を伴う傾向を伴うようになったタイプが出血熱タイプです。デング熱の特効薬はありません。また、ワクチンは無いため何よりも蚊に刺されないことが重要です。特に2010年に入り中南米ではデング熱は大流行の兆しがあります。2009年にはデング熱感染者数は71,000人、死亡者は44人でしたが、2010年に入り6月30日までに感染を確認された者は90,360人、デング出血熱が6,852人となっています。死者も99人に昇っています。
(7)熱帯病: 黄熱病、リーシュマニア症、シャーガス病の流行地域はその多くが都会から離れた地域です。リーシュマニア症はサンショウバエという蚊、シャーガス病はサシガメによって感染します。宿泊施設はしっかりしたホテルを選んでください。旅行するとき黄熱病の予防接種は必須です(ちなみに黄熱病の発症件数は2009年度で9件でした)。宿泊施設はしっかりしたホテルを選んでください。
犯罪被害に遭わないように細心の注意を払った行動をとるようにしてください。詳細は大使館領事部に問い合わせてください。入浴後は保湿剤を皮膚に塗布することと屋外にでるときはリップクリーム、日焼け止めを使用しサングラスを着用してください。
(1)赴任者に必要な予防接種
成人: A型肝炎、B型肝炎、破傷風、黄熱病(特にイエローカード提示求められることはないが汚染地域を旅行する場合には接種が必要です。また、イエローカードは無いと他国で入国を拒否されることがあります。)
小児: 現地の小児定期予防接種一覧にA型肝炎、水痘を加えるのが望ましいです。
(2)現地の小児定期予防接種一覧
| 初回 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | |
|---|---|---|---|---|---|
| BCG | 出生直後 | ||||
| B型肝炎 | 出生直後 | 2ヶ月 | 4ヶ月 | 6ヶ月 | |
| ポリオ(OPV) | 2ヶ月 | 4ヶ月 | 6ヶ月 | 1才半 | 5才 |
| 三種混合 | 2ヶ月 | 4ヶ月 | 6ヶ月 | 1才半 | 5才 |
| インフルエンザb菌 | 2ヶ月 | 4ヶ月 | 6ヶ月 | ||
| 新三種混合(MMR) | 1才 | 5才 | |||
| 黄熱病 | 1才 | ||||
| インフルエンザa | 6-18ヶ月 | ||||
| ロタウイスル | 2ヶ月 | 4ヶ月 |
(2009年度WHO調べ)
ポリオは、接種を受ける医療機関によって、経口か不活化かが異なります。個人開業医は欧米の不活化ワクチンを使用しています。小児の予防接種は現地での病気の流行状況や住民の接種率によって回数が決まるものです。長期居住にあたっては現地のやり方に従うのが原則です。
(3) 小児が現地校に入学・入園する際に必要な予防接種・接種証明についてですが、していなくても入園、入学拒否はされません。但し済ませるように勧告を受けます。
コロンビアでは日本のような乳児健診の制度はありません。しかし、任意で毎月病院に行き、身長、体重の測定、聴診、触診、内診等をすることは出来ます。費用は総て込み110,000コロンビアペソです。
所在地: Calle 119 No.9-33
電話: ( 05,07,09)-1-603-0303, 603-0202(受付)
627-0766, 629-0479(救急センター)
概要: 救急センターは24時間稼働。概ね良好な医療水準。Ctscan, MRI, Pet-scan当最新の設備が整っています。小児の救急も受け付けています。医師の多くは英語を話しますが日本語を理解するスタッフはいません。マラリアの診断、治療は可能ですが元来マラリアのない地域ですから汚染地域を旅行してきたことを知らせないと誤診、診断の遅れにつながります。入院に際してはかなりの前払い金が必要です。支払いはカードでも受けつけられます。
所在地: Carrera 16 No.82-57
電話: (05,07,09)-1-530-1350,530-0470,530-1270(受付)
概要: 上記(1)に準じます。
所在地: 空港一階 アメリカン・エアー受付カウンター横。エスカレーターの後ろ。
電話: (05,07,09)-1-266-2247
概要: 黄熱病予防接種をしています。24時間稼働です。
所在地: Calle 134 No.13-83
電話: (05,07,09)-1- 627-1911 Ext.164
胃カメラ、大腸カメラ等検査が主な病院ですが、日本語が通じます。
所在地: Av.7 #119-14 Consultorio 521
電話 : (05,07,09)-1-619-8374
歯科医。小児科診察も可能です。インプラントも行っています。
所在地: Calle 7 No.39-290
電話: (05,07,09)-4-511-9332
所在地: Diagonal 75B No.2a-8-140
電話: (05,07,09)-4-345-8377
概要:外国人患者責任者; Dr. Diego Lalinde
所在地: Carrera 38A No.5A-100
電話: (05,07,09)-2-558-3732
大使館メール・アドレス:embjapon@colmsat.net.co
大使館領事部に小冊子「コロンビアで健康に過ごすために」を用意していますのでご利用下さい(無料)。簡単な健康相談を常時大使館在コロンビア医務室にて行っております。
主要言語―スペイン語をご参照下さい。