在外公館医務官情報

ベトナム

2012年3月

1.国名・都市名

ベトナム社会主義共和国(ハノイ市・ホーチミン市)(国際電話国番号84)

2.公館の住所・電話番号

3.医務官駐在公館

4.衛生・医療事情一般

(1)緯度と標高の差が大きいベトナムの気候風土は変化に富んでいます。
 ハノイ市を中心とする北部は亜熱帯に属し、日本ほどではありませんが四季の変化がみられます。ハノイでは夏が最も長く、4月中旬頃から9月下旬頃まで続きます。夏には最高気温が常に30℃を越え、平均湿度は80%以上で、時には気温が40℃前後になり、耐え難い暑さとなることがあります。9月下旬頃から暑さも和らぎ湿度も下がり、最も過ごしやすい秋を迎えます。12月中旬頃から気温はさらに下がり冬となり、最低気温が10℃以下になる日もあり、曇天や霧雨が降る日が多くなります。旧正月(テト)が終わる2月中旬~下旬頃からは気温が少しずつ上昇し始め、短い春を迎えます。このようにハノイがある北部の気候は湿度を伴った寒暖の差があるため、渡航時期に応じた体調管理と服装に気をつける必要があります。
 ホーチミン市を中心とする南部は熱帯モンスーン地帯に属し、年平均気温は25℃以上、年平均湿度70%以上と年間を通じて高温多湿です。3月から5月にかけて最も暑くなり、最高気温が40℃近くまで上昇することもあります。12月から2月は気温も湿度も年間で最も低くなり、最も過ごしやすくなります。季節は5月から10月までの雨期と11月から4月までの乾期に大別されます。雨期には雨が多くなりますが、一日中降り続くというより、主に夕刻短時間、シャワーのような形で降ることが多いようです。

(2)このような温暖・湿潤な気候により土壌は肥沃であり、農作物の生育に適していると共に病原体の繁殖にも絶好の自然条件を備えています。一方で社会インフラがまだ十分ではなく、上下水道の不備などが目立ち、水質も決して良いとは言えません。また食生活に対する人々の衛生観念も日本人とは異なっています。したがって食品衛生を中心として、当地の衛生事情を十分に留意しつつ日常生活を送る必要があります。

(3)疾病事情に関しては、過去には地方を中心に栄養失調者も多くみられていましたが、近年の経済発展により、現在では大きな問題ではなくなってきています。また政府による拡大予防接種計画の高い実施率や、各種疾病対策国家プログラムの成功などから感染症の多くはコントロールされるようになってきています。しかし、前記のような衛生事情から水や食品を介した経口感染症は常時みられます。また、デング熱の発生は雨期をピークとしてベトナム全土でみられ、そのほかにも日本脳炎などの昆虫媒介感染症の流行がみられます。2003年からは高病原性鳥インフルエンザH5N1のヒトへの感染例が毎年発生しています。またB型肝炎キャリア(ウイルス保有者)は全人口の15%程度と高率で、薬物乱用によるHIV感染者も増加傾向にあります。非感染性の疾病では、平均余命の上昇と経済発展による生活水準の向上のため生活習慣病や癌の増加が増えてきていますが、早期発見のための検診は、ほとんど行われていません。
 さらに劣悪な交通事情による交通事故は重大な国家問題となっており、死亡原因でも交通事故による頭部外傷が一位になっています。2007年12月には全国的にバイク乗車時のヘルメット着用が義務付けられました。また、2009年6月からは同乗する小児のヘルメット着用も義務付けられています。

(4)日本や欧米先進国からの保健医療分野への援助も多く、医療水準は改善されつつありますが、近隣のタイやシンガポールなどと比べると未だ不十分で遅れているのが現状です。一部の都市を除き近代的な医療設備を持つ医療機関は少なく、地方と都市部の格差が目立ちます。さらに患者数に対する慢性的な医療スタッフ不足が、医療サービスの低下に繋がっている現状があります。一方で欧米諸国や日本へ留学する医師も増えており、最先端の医療技術指導を積極的に受け入れていることから、一部では専門的な医療も受けられるようになっています。しかしながら、これが全国的に拡がるためにはまだ時間を要すると思われます。

(5)ハノイ市やホーチミン市などの都市部では外国資本の私立医療施設が存在します。勤務する医師は外国人や海外経験のあるベトナム人医師であり、軽症の疾患への対応に関しては大きな問題はほとんどありません。しかしそれらの外国人向け医療機関は外来機能を中心とする施設がほとんどであることからその対応能力には限界があり、高度な医療技術を必要とする重症疾患や複雑な診断過程が必要な疾病は、近隣のタイやシンガポールあるいは日本への搬送を考慮しなければなりません。したがって不測の事態に備えて、十分な疾病治療費用額の海外旅行傷害保険(赴任者保険)に加入しておくことは必須です。

5.かかり易い病気・怪我

 一般的な在留邦人の生活環境では、特殊な病気にかかる可能性はそれほど高くはなく、感冒や食中毒をはじめとする下痢などの日本でもかかりやすい病気が多くなっています。しかし、デング熱は南部を中心に季節的な流行があり、2006年にはベトナムでデング出血熱のため亡くなられた在留邦人もいました。最近はハノイ周辺でも増加してきています。日常生活でも、不衛生な屋台などでの食事や不完全な調理が原因となり、アメーバ赤痢やA型肝炎などに罹患する場合もあります。また、2007年以降コレラの発生が継続してベトナム全土で散発的に見られており、2009年にはハノイ市とその周辺で100人以上のコレラ患者が発生しました。2010年になってもハノイ市・ホーチミン市では、引き続きコレラの発生が散発的に見られています。

 日本と比べて当地においてかかりやすい病気としては下記のようなものがあります。

(1)デング熱

 熱帯シマ蚊やヒトスジシマ蚊の吸血によって感染するウイルス感染症です。潜伏期は大体5~7日間程度で、38~40℃の急な高熱で発症します。激しい頭痛(特に後眼窩部痛が特徴的)、関節痛、筋肉痛などの症状が出現し、発熱後期から解熱後に少し痒みのある発疹を伴うことが特徴です。発熱は4~5日間程度続きますが自然治癒します。特効薬がないために、治療は安静と水分補給の対症療法となります。時に出血傾向を伴ったデング出血熱やデングショック症候群になることがあり命に関わることもあるため、慎重な経過観察が必要になります。ワクチンや予防薬がないために、長袖・長ズボンの着用や防虫スプレーなどによる防蚊対策と周辺環境から蚊を発生しにくくする対策が予防法です。

(2)アメーバ赤痢・各種消化管寄生虫症

 アメーバ赤痢は、汚染された水や食品などから感染する原虫感染症です。典型例では下痢、粘血便、排便時の腹痛などの症状があります。抗原虫薬(メトロニダゾール等)で治療します。その他に回虫症・蟯虫症・サイクロスポーラ症・肝蛭症などの原虫・寄生虫症が外国人にも見られています。

(3)A型肝炎

 汚染された水や食品などから感染するウイルス感染症です。感染の機会から2~4週間後に高熱、全身倦怠感などが出現し、次第に黄疸が見られてきます。肝機能障害を伴うために数週間の入院が必要となりますが、ほとんどが自然治癒します。特効薬がないために、治療は安静と対症療法となります。まれですが、劇症肝炎になることがあり血液検査などによる経過観察が必要です。ワクチンでほぼ100%予防できるので、長期滞在される方は接種すべきです。

(4)日本脳炎

 蚊の吸血によって感染するウイルス感染症です。感染の機会から1~2週間後に頭痛、発熱により発症し、頸部硬直や筋硬直などの症状に進行します。重症例では意識障害、痙攣、昏睡になります。脳炎の発病率はおよそ300~3,000人に1人といわれており、多くは無症状で治癒しますが、発病した場合には約30%の死亡率があり、半数近くに後遺症が残るといわれています。特効薬はありませんが有効なワクチンがありますので、免疫力の低い小児や高齢者はワクチン接種が望ましいと考えられます。(日本では、定期予防接種項目に入っているものの、数年前にADEMと呼ばれる副作用が発生したため一時的に積極的勧奨が控えられていました。2009年末からは新しいタイプのワクチンが導入されています。)

(5)腸チフス

 病原体が入った水や食品などから感染する細菌感染症です。感染の機会から1~3週間後に突然の高熱で発症します。下痢や発疹(バラ疹)を伴うこともありますが、熱以外に症状が見られないことが多いのも一つの特徴です。経過中に腸出血や腸穿孔を起こすこともあるために、慎重な経過観察と感受性のある抗生物質での治療が必要です。予防にはワクチンがあり、当地での接種は可能です。このワクチンは、日本では認可されていません。

(6)マラリア

 ハマダラ蚊の吸血によって感染する原虫(寄生虫)感染症です。多くは熱帯熱マラリアで感染の機会から1~2週間後に40℃(度)近くの高熱、頭痛、全身倦怠感などが出現します。中部山岳・南部メコンデルタ地域・国境付近でリスクが高くなるとされており、ハノイ、ホーチミン、ダナン、ハイフォン、ニャチャンなどの都市部やリゾートでは感染の危険性は非常に稀であると考えられています。しかしながら、稀に南部の都市部で旅行者が感染したという報告もあり、蚊に刺されない注意が必要です。発症した場合は早急に治療を開始する必要があり、インドシナ半島では薬剤耐性マラリアも多く存在するため、適切な薬の選択が重要となります。前述の感染リスクが高い地域に滞在する場合には、虫除けや蚊帳を使って夜間に蚊に刺されないよう注意し、リスクの程度によっては予防内服を考慮します。

(7)狂犬病

 ウイルスを保有する哺乳動物に咬まれることにより感染するウイルス感染症です。感染の機会から発症までの期間(潜伏期)には大きな幅があり、通常は1~3ヶ月です。発症すると意識障害や発熱などの脳炎症状が見られるとともに、咽頭・喉頭の筋肉の痙攣が起こり飲水を避けるようになる恐水症などの症状がみられ、進行すると高熱、錯乱、麻痺、全身痙攣などの症状から昏睡状態に陥り死亡します。発症すると有効な治療法がないために、100%死亡するといわれています。従って、哺乳動物に咬まれた場合には直ちに発症予防のワクチンを接種すること(暴露後予防)がきわめて重要です。咬まれる前にあらかじめワクチンを接種する方法(暴露前予防)もあります。

(8)性行為感染症

 B型肝炎キャリア(ウイルス保有者)が多く、近隣のタイ・カンボジア程ではありませんが、性行為感染症としてのHIV感染症も増加傾向にあります。近年ベトナムでも風俗産業が増えており、節度を守った行動を心掛けるべきです。

(9)熱中症・脱水症

 熱帯・亜熱帯の気候では脱水になりやすく、特に湿度が高い当地では熱中症になる条件がそろっており、屋外での活動では常に充分な水分補給を心掛ける必要があります。また度数の高いアルコールの多飲は血管内の脱水を招きますので、注意が必要です。

(10)心臓血管病(心筋梗塞・脳出血・脳梗塞など)

 在留邦人や旅行者が罹患する重症な疾患で多いのは、脳出血・脳梗塞・心筋梗塞などの心臓血管病です。特に高齢の方や糖尿病や高血圧などの持病をお持ちの方が、高温多湿の環境と過密なスケジュールによる過労などが重なり発症することが多いようです。日本であれば迅速に的確な治療が受けられる病気であっても、当地では適切な医療が遅れたり、受けられずに致死的になることがあります。

(11)交通事故

 都市部の道路事情が良くなく、交通マナーが日本と大きく異なり、縦横無尽に走るバイクの多さから、邦人が事故に巻き込まれることも少なくはありません。最近は、地方と大都市をつなぐ幹線道路上でのスピードを出した車両同士の追突事故が増加しており、注意が必要です。

(12)高病原性鳥インフルエンザA/H5N1

 ベトナムでは主に家禽類が保有するインフルエンザ(A/H5N1型)ウイルスにヒトが感染することにより発症します。通常はヒトインフルエンザと同様の症状で発症しますが、呼吸器症状の他にサイトカインストームと呼ばれる現象のための多臓器不全などの全身症状が強いことが特徴です。2003年以降、2010年9月までに当国では119人のH5N1型鳥インフルエンザウイルスのヒトへの感染が確認され、59人が死亡しています。現段階では家禽類(特にアヒルがキャリアーになっていることがある)との接触がなければ、感染する可能性はないと考えられています。しかし、ヒトからヒトに感染しやすい形に変異したウイルスに変化すると、新型インフルエンザの大流行(パンデミック)となり得ることから、今後も注意していく必要があります。

(13)新型インフルエンザ2009A/H1N1亜型

 2009年4月、北米大陸(メキシコ)でヒトへの感染が確認された新型インフルエンザA/H1N1の感染は徐々に拡大し、ベトナムでも5月31日に国内第1例目の輸入例(米国から戻った留学生)が確認されました。その後、2009年10月に第1波のピークを迎えた後、2010年9月時点で流行はほとんど見られない状態になっています。今後は季節性インフルエンザとして流行する可能性があります。なお、ベトナムの季節性インフルエンザは夏にも流行することがあります。

6.健康上心がける事

(1)都市部での生活では過度に心配する必要はありませんが、食生活に関する最低限の注意は必要です。生水を飲まないことは当然ですし、衛生状態の悪い屋台などでの食事は勧められません。また調理する際には十分に洗浄、加熱処理を行い、食事前の手洗いを励行して下さい。強毒性鳥インフルエンザH5N1が家禽類のみならずヒトでも発生している国ですので、家禽類への直接接触は避けるようにして下さい。

(2)熱帯では夏にインフルエンザが流行することもあり、日本ほどの季節性はありませんが、北部では主に冬期、南部では主に乾期になると呼吸器感染症やインフルエンザが流行します。日頃から手洗いやうがいの習慣を身につけ、規則正しい生活を送ることが大切です。

(3)高温多湿の環境下では気が付かないうちに脱水となっていることがあります。脱水症は体調不良の原因になり、放置すると致死的になる場合もありますので、意識して水分摂取を心掛けるようにして下さい。大量の水分補給を行う場合は、スポーツドリンク等の飲用が推奨されます。

(4)日本と比べて紫外線が強力です。炎天下での外出時には帽子やサングラスを着用し、日焼け止めを塗布するようにして下さい。

(5)交通事故には特に注意する必要があります。交通事情が悪いため邦人が巻き込まれる交通事故も増えており、車やバイクを自ら運転することは避けた方が無難です。また、道路の横断も注意が必要です。

(6)動物との接触は控えて下さい。飼い犬も含め狂犬病ワクチンの接種率が約30%と低く、毎年100人以上が狂犬病で死亡しています。狂犬病の可能性がある動物に万一咬まれた場合には、直ちに狂犬病発症予防のワクチンを接種すべきです。

(7)当地に限らず、在外生活では病気の予防がきわめて重要です。赴任前の予防接種、定期的な健康診断、規則正しい生活、適度な運動など積極的な自己健康管理に努めて下さい。

7.予防接種(現地のワクチン接種医療機関等についてはこちら(PDF)PDF

(1)長期赴任者の予防接種

<成人の場合>

強く勧めるもの:A型肝炎、B型肝炎、破傷風(追加接種)

望ましいもの:日本脳炎

余裕があれば接種:狂犬病、腸チフス(日本では未認可)

<小児の場合>

強く勧めるもの:定期予防接種(BCG、ポリオ、DPT、MR)、日本脳炎、B型肝炎

望ましいもの:流行性耳下腺炎、水痘、A型肝炎(日本製は16歳未満に対し未認可)、ヘモフィルス・インフルエンザB(HiB)

余裕があれば接種:狂犬病、腸チフス(日本では未認可)

(2)短期出張者・旅行者の予防接種

 下記のものを接種しておくと安心です。

<成人の場合>

A型肝炎、B型肝炎、破傷風、日本脳炎、インフルエンザ

<小児の場合>

A型肝炎(2歳未満は感染しても無症状のことが多い。日本製はまだ16才未満に対し未認可)、日本脳炎、インフルエンザ

*狂犬病については咬まれた直後から接種を受ける「暴露後接種」でも発症予防が可能です。接種が必要な場合には、欧米製のワクチンが接種できる医療機関(後述10.を参照して下さい。)で、咬傷後できるだけ早く受けるようにして下さい。

(3)アフリカ、中南米の黄熱流行地から入国する場合には、黄熱ワクチンの接種証明書が求められることがあります。

*当地での黄熱ワクチン接種可能場所

Epidemic Control Center of Hanoi, Hanoi Health Department
4 Son Tay Street, Ba Dinh District, Hanoi

電話:04-3733-9803

(4)ベトナムの小児定期予防接種一覧

ベトナムの小児定期予防接種(公費による実施)
  初回 2回目 3回目
BCG 出生時~1ヶ月 なし なし
経口ポリオ 2ヶ月 3ヶ月 4~5ヶ月
DPT 3種混合 2ヶ月 3ヶ月 4~5ヶ月
B型肝炎 2ヶ月 3ヶ月 初回から6ヶ月後
麻疹 9ヶ月 3歳 なし
日本脳炎 1歳 初回から1ヶ月後 初回から6ヶ月後
5価ワクチン(DPT, B型肝炎, ヘモフィルスインフルエンザB) 2ヶ月 3ヶ月 4~5ヶ月

*公費によるワクチンの多くはベトナム製を使用。

*希望により外国製のワクチンも使用できるが私費負担となる。

*2010年からベトナム全土で5価ワクチン(DPT3種混合, B型肝炎, ヘモフィルスインフルエンザB)の接種がGAVI/UNICEFの援助で可能になっている。(いつまで続くかは未定)

(5)小児が当地の教育機関に入学・入園する際に必要な予防接種・接種証明

 当地日本人学校では、入学の際に予防接種証明書は特に要求していません。その他のインターナショナルスクールでは、接種記録の提出が学校から要求されることが多いようです。したがって最低でも日本で行われている定期接種を済ませ、英文による接種証明書(学校に様式がある場合も多い)を持参することをお勧めします。

8.乳児検診

 ベトナムでは日本で行われているような乳児健診は行われていません。一部の外資系クリニックでは、乳児受診の際には必要に応じて身体測定や検査などを行い、希望があれば母子手帳への記入も行っています。

9.病気になった場合(医療機関等)

I. 医療機関の受診方法と医療費

(1)通常の受診

 外国人がよく利用する私立病院の場合、受診の際には原則として予約が必要です。ただ、日本人がよく利用するクリニックなどは救急の場合24時間の受け入れ体制をとっています。現地の公立病院の場合は特に予約は必要ありませんが、非常に混雑した待合室で長時間待たなければならないことや、ベトナム語しか通じないところがほとんどのため勧められません。

(2)救急医療体制

救急電話番号:救急車 115

消防 114

警察 113

 電話で公的救急車を呼ぶことは可能ですが、ベトナム語しか通じず、搬送先の病院の指定もできません。一度入院すると転院が困難となることが多いようです。従って緊急の場合は、外国人のよく利用するクリニックや病院の日本語受付を利用することを勧めます。

(3)医療費

 支払いは、現金が原則です。外国人がよく利用する医療機関ではクレジットカードも利用できます。加入している日本の海外傷害保険の種類によっては、キャッシュレスサービスが利用できる外国人向け医療機関もあります。

 当地に限らず、海外で医療を受ける場合には医療費が高額となるため、十分な補償額の海外旅行傷害保険に加入しておくことが必須です。

II. 医療機関(平成22年9月現在)

◎ハノイ市

(1)Hanoi French Hospital(ハノイ フレンチホスピタル)

<概要> ハノイで唯一外国人を対象とした入院設備を持つフランス資本の総合病院。

<所在地> 1 Phuong Mai Street, Dong Da District, Hanoi

<電話> 04-3577-1100(日本語直通:04-3576-0508)

<診療時間> 月~金曜8時30分~17時30分 土曜8時30分~12時00分

<日本人スタッフ> カスタマーサービスに2名

<主な診療科>
総合診療科、内科(循環器・内分泌・消化器・腎臓・神経・呼吸器・アレルギー)、外科(消化器・胸部・小児)、小児科、産婦人科、皮膚科、耳鼻咽喉科、眼科、整形外科、脳神経外科、泌尿器科、形成外科、精神科、リウマチ科、性病科、麻酔科、歯科など

<主な設備>
入院施設(56床)、集中治療室(ICU)、新生児ICU(NICU)、手術室、CT、超音波、内視鏡、院内薬局など

<特色>
フランス人医師(大部分は数か月までの短期的勤務)とベトナム人医師から構成されているベトナムで最初の外国人向け私立総合病院。24時間救急があり、出産パッケージや健康診断パッケージなどもある。

(2)Family Medical Practice, Hanoi(ファミリー メディカルプラクティス ハノイ)

<概要> 外資系クリニック

<所在地> 298 I Kim Ma Street, Ba Dinh District, Hanoi 

<電話> 04-3843-0748(24時間時間対応)

<診療時間> 月~金曜8時30分~17時30分 土曜8時30分~12時30分(但し急患は24時間対応)

<日本人スタッフ> 看護師1名、カスタマーサービス4名

<主な診療科>
総合診療科、内科、小児科、産婦人科(分娩施設はないがフレンチホスピタルとの連携あり)、臨床心理(心療内科)、理学療法
歯科および専門科(外科、耳鼻咽喉科、眼科、整形外科、皮膚科、泌尿器科)は予約制
*総合診療科、内科、小児科は外国人常勤医師4名が対応
*専門科は非常勤のベトナム人医師が対応

<主な設備>
救急治療室、レントゲン設備、超音波診断装置、短期入院施設2床、院内薬局など

<特色>
ホーチミン市、ダナン市にも同様のクリニックを持つ。24時間対応の日本語直通ホットラインがあるほか、診療時には必要に応じて日本人スタッフが日本語通訳を行う。クリニックは24時間オープンし、時間外の救急症例には当直医が急患対応に当たる。また各種健康診断や救命救急処置の出張トレーニングも行う。救急車搬送サービスもある。

(3)International SOS, Hanoi Clinic (インターナショナSOSル ハノイクリニック)

<概要> 全世界に展開しているアシスタンス会社の直営クリニック

<所在地> 1 Dang Thai Mai, Ho Tay, Hanoi

<電話> 04-3826-4545 (24時間救急対応TEL:04-3934-0666)
24hr. Alarm Center 08-3829-8520(ベトナム全土共通)

<E-mail> HanoiJapan@internationalsos.com

<診療時間> 月~金曜8時00分~19時00分 土曜8時00分~14時00分

<日本人スタッフ> 医師1名、看護師1名、カスタマーサービス1名

<主な診療科>
総合診療科、小児科、産婦人科、皮膚科、耳鼻咽喉科、眼科、外科、整形外科
泌尿器科、放射線科、呼吸器科、消化器科、歯科、理学療法、カウンセリング
*総合診療科は常勤医師(外国人3名、ベトナム人3名)が担当。
*総合診療科以外の専門科はすべて非常勤のベトナム人医師が担当。

<主な設備>
救急治療室、レントゲン設備、超音波診断装置、短期入院施設(2床)、理学療法施設、院内薬局など。

<特色>
日本人スタッフによる24時間体制サポート。緊急コールを受け付ける併設のアラームセンターと連動し、初期診療から緊急移送の実施まで行う。世界各地に設置されたアラームセンターネットワークと連携しての緊急移送など患者の傷病や容態に応じた適切な救急対応を行っている。全ての医師が医療先進国での経験を積んでおり、医薬品は薬剤師の管理のもと、先進国から輸入したものを使用している。

(4)H Clinic Trung Hoa (H クリニック チュンホア)

<概要> 近年発展が著しいCau Giay地区に10.(1)のフレンチホスピタルが2006年開設したクリニック。

<所在地> 24T1 Hoang Dao Thuy Street, Cau Giay District, Hanoi

<電話> 04-3251-2835

<診療時間> 月~金曜8時00分~20時00分, 土曜8時00分~12時00分 

<日本人スタッフ> 週に2回日本人通訳がハノイフレンチホスピタルから出張している。

<主な診療科>総合診療科、小児科、産婦人科

<主な設備>

レントゲン・超音波検査室、院内薬局など。血液検査はフレンチホスピタルで実施。

<特色>
外国人が多く住む高層アパートの1階にある清潔なクリニック。労働許可の健康診断などで邦人も利用している。

<歯科医療機関>

(1)Peace Dental Center(ピースデンタル)

<概要> 米国資本の歯科クリニック。米国、デンマーク、フランス、チェコの免許を持った歯科医師が勤務。(土・日休診)

<所在地> 2nd Floor Green Island Building, 51a Nguyen Khac Hieu, Truc Bach Lake, Ba Dinh, Hanoi

<電話> 04-3715-2286, 090-448-3511

日本人直通:0122-725-9825

<日本人スタッフ> 日本語通訳1名

(2)Westcoast International Dental Clinic(ウエストコースト・デンタル);ハノイ

<概要> フランス人、中国系米国人、日本人歯科医師(月に1週間程度上海から出張)が勤務する歯科クリニック。土曜も診療を行っている。

<所在地> 2F Syrena Shopping Center, Tay Ho, Hanoi

<電話> 04-3710-0555, 日本語ホットライン090-271-6703(ホーチミンと同一)

<日本人スタッフ> 歯科衛生士1名、月のうち1週間程度日本人歯科医師の診療がある。

○ホーチミン市

(1)Franco-Vietnamese Hospital (フランコ ベトナミーズ ホスピタル)

<概要> フランス資本の総合病院

<所在地> 6 Nguyen Luong Bang Street, Tan Phu Ward, District 7, HCMC

<電話> 08-3411-3333(日本語:内線1068)(24時間救急 08-3411-3500)

<診療時間> 月~金曜 7時30分~18時00分 土曜 7時30分~12時00分

時間外診療 月~金曜 18時00分~21時00分

<日本人スタッフ> 0名(ベトナム人日本語通訳2名)

<主な診療科>
内科(循環器・消化器肝臓・内分泌)、外科(消化器・呼吸器・血管)、小児科、産婦人科、整形外科、形成外科(美容外科)、泌尿器科、耳鼻咽喉科、眼科、口腔外科、ペインクリニック、放射線治療部など。

<主な設備>
入院施設(220床)、手術室、集中治療室(ICU)、新生児ICU(NICU)、超音波砕石室、各種検査室(超音波・内視鏡・CT・MRI・核医学)、院内薬局など。

<特色>
2003年に開院した外資系総合病院。国際レベルの技術を身につけた常勤医70名(フランス人20名、ベトナム人50名)と200名ほどの看護師が勤務する。常時フランス、ベルギー、スイスから各分野の専門医を招き、医療技術の向上を図っている。また、通常の健康診断のほか、労働許可、ビザ申請、入学に必要な健康診断も行っている。

(2)Family Medical Practice, Ho Chi Minh City(ファミリー メディカルプラクティス ホーチミンシティ)

<概要> 外国人を対象にしたクリニック。日本人医師、イスラエル人医師、その他の外国人医師、ベトナム人医師が勤務。

<所在地> Diamond Plaza 34 Le Duan Street, District 1, HCMC

<電話> 08-3822-7848(24時間対応)日本語直通 08-3822-1919

<診療時間> 月~金曜8時30分~17時30分 土曜8時30分~12時30分

<日本人スタッフ> 日本人医師2名、カスタマーサービス2名

<主な診療科>
総合診療科、内科、小児科、皮膚科、耳鼻咽喉科、眼科、整形外科、放射線科、歯科、東洋医学・鍼灸、理学療法など。

<主な設備>
救急治療室、レントゲン設備、超音波診断装置、短期入院施設、院内薬局など。

<特色>
ハノイと同様。ベトナムにおけるセンター的役割は、このホーチミンクリニックが果たしている。

(3)International SOS, Ho Chi Minh Clinic(インターナショナルSOS ホーチミン クリニック)

<概要> インターナショナルSOS(世界的アシスタンス会社)の直営クリニック

<所在地> 167A Nam Ky Khoi Nghia Street, District 3, HCMC

<電話>
08-3829-8424 (24時間対応) 
24hr. Alarm Center 08-3829-8520(ベトナム全土共通)

<診療時間> 月~金曜8時00分~18時00分 土曜8時00分~18時00分

<日本人スタッフ> 医師1名、看護師1名

<主な診療科>
総合診療科、小児科、産婦人科、皮膚科、耳鼻咽喉科、眼科、外科、整形外科、泌尿器科、放射線科、精神科、呼吸器科、消化器科、歯科、整体、心理カウンセリング
*総合診療科は常勤医師(外国人5名、ベトナム人4名)が担当。
*総合診療科以外の専門科はすべて非常勤のベトナム人医師が担当。

<主な設備>
救急治療室、レントゲン設備、超音波診断装置、短期入院施設2床、院内薬局など。

<特色>
ハノイのインターナショナルSOSクリニックと同様。ホーチミンのクリニックがベトナムの中心となって運営されている。

(4)Columbia Asia Saigon Clinic (コロンビアアジア・サイゴンクリニック) & Columbia Asia Gia Dinh Hospital (コロンビア アジア ヤーディン ホスピタル)

<概要> アメリカ資本のクリニックおよび病院

<所在地>
08 Alexandre de Rhodes Street, District 1, HCMC(サイゴン クリニック)
1 NoTrang Long Street, Binh Thanh District, HCMC(ヤーディン ホスピタル)

<電話> 08-3823-8888(サイゴン クリニック)、08-3803-0678(ヤーディン ホスピタル)、24時間対応日本語ライン 08-3829-0485

<診療時間> 8時00分~21時00分

<日本人スタッフ> 看護師1名、カスタマーサービス1名

<主な診療科>
内科・小児科・一般外科・耳鼻咽喉科・産婦人科・形成外科・美容外科・皮膚科・眼科・整形外科・泌尿器科・神経科

<主な設備>
入院施設、手術室、各種内視鏡設備(ヤーディン ホスピタル)

<特色>
一般診療のほか、健康診断、各種予防接種、企業単位のファーストエイドトレーニングなども実施。英語・ベトナム語の他、日本語、韓国語、フランス語、ドイツ語による医療サービスを提供。日本語ホットラインは24時間対応可能、医療相談など気軽に受けられる。ヤーディン ホスピタルでは24時間緊急対応。必要時には同病院においても日本人スタッフによる通訳・対応が可能。

(5)Lotus Clinic (ロータス クリニック)

<概要> 日系クリニック

<所在地> 22-22 Bis Le Thanh Ton Street, Ben Nghe Ward, District 1, HCMC

<電話> 08-3827-0000

<診療時間> 月~金曜9時00分~12時30分 14時00分 ~18時00分 土曜9時00分~13時00分

<日本人スタッフ> 医師2名、看護師2名、ローカルスタッフは全て日本語堪能。

<主な診療科>
総合診療科(プライマリーケア)

<主な設備>
検査室(レントゲン・超音波・内視鏡)、小児用プレイゾーン、ベビーシート、授乳室など。

<特色>
2007年8月に開院したベトナムで初めての日系クリニック。日本人医療スタッフによる日本と同等の医療サービスの提供により、「海外医療への不安解消」や海外に滞在しながら「日本と同じ医療を受診できる環境作り」を目指している。入院が必要と認められる場合にもホーチミン市内だけではなく、日本、タイ、シンガポールなどの病院への紹介も行う。予防接種や健康診断にも力を入れている。

<歯科医療機関>

(1)West Coast Dental Clinic(ウエストコースト・デンタル);ホーチミン

<概要> フランス人、中国系ベトナム人歯科医師が勤務する歯科クリニック。ハノイのWest Coast Dental Clinicと同じ経営。日本人歯科衛生士は、同じ人が毎月期間を決めてハノイとホーチミンの両方で勤務。

<所在地> 27 Nguyen Trung Truc Street, District 1, HCMC

<電話> 08-3825-6999, 日本語ホットライン090-271-6703(ハノイと同一)

<診察時間> 月~金曜8時00分~20時00分、土・日 9時00分~17時00分

(2)European Dental Clinic

<概要> 日本人歯科医師が常駐する歯科クリニック

<所在地> 127 Dien Bien Phu Street, District 1

<電話> 日本語ホットライン: 091-635-2940, 英語・ベトナム語は、091-874-9204

(3)Naomi Dental Clinic

<概要> 日本人歯科医師が、月のうち1週間程度勤務する歯科クリニック。

<住所> R4-45 Hung Phuc 4, Phu My Hungt, District 7, HCMC

<電話> 08-3935-5410, 日本語ホットライン:0122-272-3964

<診察時間> 月~土曜 9時00分~20時00分 日曜9時00分~17時00分

(4)Smile Dental Clinic

<概要> 日系歯科クリニック。小児期からの矯正を含めた予防歯科に力を入れている。

<所在地> 173 Ton Dat Tien Street, Tan Phong Ward, Phu My Hung, District7, HCMC

<日本人スタッフ> 常勤歯科医1名、歯科衛生士1名、マネージメント1名

<電話> 016-5511-3366(日本語)、016-5511-2255(英語・ベトナム語)

<診療時間> 月~金曜 8時00分~20時00分 土曜 9時00分~18時00分、日曜 9時00分~12時00分

○ダナン市

(1)Family Medical Practice Da Nang(ファミリー メディカルプラクティス ダナン)

<概要> 外資系クリニック

<所在地> 50-52 Nguyen Van Linh Street, Nam Duong Ward, Hai Chau District, Danang

<電話> 0511-582-699 (24時間対応)091-391-7303

<診療時間> 月~金曜8時30分~17時30分 土曜8時30分~12時30分

<日本人スタッフ> 0名

<主な診療科>
総合診療科、内科、小児科

<主な設備>
救急治療室、短期緊急入院施設、院内薬局など。

<特色>
ダナンで唯一の外資系クリニック。ハノイ、ホーチミンにもあるクリニックの分院で、規模は両都市に比べ小さいが同様のサービスを提供している。

10. その他の詳細情報入手先

 在ベトナム日本国大使館ホームページ:http://www.vn.emb-japan.go.jp他のサイトヘ

 在ホーチミン日本国総領事館ホームページ:http://www.hcmcgj.vn.emb-japan.go.jp他のサイトヘ

 在ベトナム日本国大使館医務官室 +84-4-3846-3000 (内線3140)

11.現地語一口メモ

(ベトナム語は声調が複雑なため、カタカナ読みではほとんど通じませんが、参考まで)

病院 benh vien(ベン ヴィエン)

医師 bac si(バック シイ)

救急 cap cuu(カップ キューウ)

風邪 bi cam(ビ カム)

発熱 bi sot(ビ ソーッ)

頭痛 dau dau(ダウ ダウ)

胸痛 dau nguc(ダウ グッ)

腹痛 dau bung(ダウ ブン)

下痢 di ngoai(デイ ゴオアイ)

吐気 non(ノン)

傷 bi thuong(ビ トゥオン)

薬 thuoc(トゥオーック)

注射 tiem(ティエム)

具合が悪い bi om(ビ オーム)

デング熱 sot xuat huyet(ソッ スアッ フェッ)

アメーバ赤痢 benh ly amip(ヴェン リ アミップ)

A型肝炎 viem gan A(ヴィエム ガン アー)

B型肝炎 viem gan B(ヴィエム ガン ベー)

日本脳炎 viem nao nhat ban(ヴィエム ナーオ ニャッ バン)

コレラ ta(ター)

腸チフス benh thuong han(ベン トゥオン ハーン)

マラリア sot ret(ソッ ゼッ)

狂犬病 benh dai(ベン ザイ)

性病 benh hoa lieu(ベン ホア リエウ)

エイズ si da(シー ダー)

熱中症 say nang(サーイ ナーン

脱水症 mat nuoc(マーッ ヌオック)

心筋梗塞 nhoi mau co tim(ニョイ マーウ コー ティム)

脳梗塞 nhoi mau nao(ニョイ マーウ ナーオ)

交通事故 tai nan giao thong(タイ ナン ザオ トン)

鳥インフルエンザ cum ga(クム ガー)

病院へ連れて行って欲しい Xin lam on dua toi den benh vien(シン ラムオン ドゥア トイ デン ベン ヴィエン)

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