在外公館医務官情報

ミャンマー

2010年10月

1.国名・都市名

ミャンマー連邦(ヤンゴン市)(国際電話国番号95)

2.公館の住所・電話番号

3.医務官駐在公館

4.衛生・医療事情一般

 ミャンマーの気候は、大きく次の3つに分けられます。

暑期(2月下旬〜5月中旬)・・・もっとも暑い季節です。熱射病や脱水に注意しましょう。

雨期(5月下旬〜10月中旬)・・・季節性インフルエンザや食中毒に注意しましょう。

乾期(10月下旬〜2月上旬)・・・もっとも過ごしやすいシーズンです。

 当地では、アメーバ赤痢(アメーバ症)や食中毒に容易に感染しますので、屋台などでの飲食や、加熱されていないものの外食は避けてください。食中毒は、病原性大腸菌(代表的なのはO-157のような毒素型)、サルモネラ、カンピロバクター、腸炎ビブリオ、ノロウイルスなどが多いです。飲料水のみならず氷や汚染されたプールなどでの水泳、アイスクリーム、さとうきびの絞りたてジュースなどにも注意が必要です。

 また蚊が媒介する病気としては、デング熱、チクングニア熱、マラリア、日本脳炎などがありますが、ヤンゴンでは、デング熱やチクングニア熱が多いです。

 なお当地では季節性インフルエンザは雨期にはやります。従って、予防接種は5月までに終えておかねばなりません。

 当地の医療事情ですが、ヤンゴンでは冠動脈造影ができません。したがって、PTCAという冠動脈を風船で広げる治療や、ステントという管を入れる救急処置が全くできないので、当地での急性心筋梗塞重症例は、日本人の場合でも即死につながります。こういった医療事情ですので、陳旧性心筋梗塞など心臓病の既往がある方は、当地の滞在・訪問は難しいでしょう。

 また、2009年8月に、ネーピードーの病院で初めて、腹部大動脈瘤の人工血管置換手術に成功したとの新聞報道がありました。しかしこれは日本で当たり前に行われている手術の一つで、現在先進国ではお腹を切らなくてもいいステント治療という治療法に進歩しているくらいです。大使館の医務官がヤンゴンでの心臓外科治療を実際に見学しましたが、先進国から30年以上は遅れている印象です。

 加えて、手術室の衛生管理にも問題があります。通常、日本の手術室はクリーンエリアと呼ばれ、ドアは手で開けず、すべて全自動扉になっていますが、ヤンゴンでは手術室の最初のドアを手で開けると、あとは開けっ放しのところが多いです。ときにはそこを「はえ」が乱舞しています。日本のような衛生システムの手術室をもつ病院もありますが、それらの病院は外国資本で、常時医師がおらず、数週間に1回、オーストラリアやシンガポールから医師団がやってきて、予約した患者(多くはお金持ち)の治療を行っています。そういった状況ですから、ヤンゴンでは患者さんが多くいる病院は衛生面に問題があり、設備の整った病院は医者がいない、と言ったちぐはぐな状態となっています。

 首都がネーピードーに移って以来、政府はネーピードーの病院に力を入れているため、外国留学経験のある優秀なミャンマー人医師は、月に何回もネーピードーとヤンゴンを往復し、疲弊する上に、ヤンゴンの患者さんがほったらかしになることもままあるようです。病院の整備予算もネーピードーが主体となってきているため、ヤンゴンの病院は設備投資をしたくともできないというジレンマと闘っています。

 これらの医療事情より、当地の日本人が手術や集中治療を要する病気になった場合は、交通の便も考慮すると、多くはバンコクへの緊急搬送となります。ただし、交通外傷や緊急手術は、当地で行わなければならないケースもあり得ます。その場合を含め、搬送費用も含めた海外旅行保険への加入をお勧めします。また、保険証券番号とパスポート番号は常に控えておき、緊急時に備えましょう。もちろんそれらの原本保管場所も同行者や添乗員、家族など全員で把握しておいてください。患者さん本人しか知らないと言ったことは避けましょう。このようなミャンマーの衛生・医療状況では、当地滞在中は常に「備えあれば憂いなし」を心がけてください。

5.かかり易い病気・怪我

 ほとんどが経口・飛沫感染症や蚊に刺されてかかる病気です。

(1)感染性腸炎:たいていの人が経験します。細菌性食中毒(サルモネラ、腸炎ビブリオ、大腸菌、ブドウ球菌、キャンピロバクターなど)、細菌性赤痢、アメーバ赤痢などがあります。このほか旅行での疲労、暴飲暴食、慣れない食べ物が原因で起こる下痢などもあります。

(2)デング熱、チクングニア熱:雨期の5月から10月にかけてヤンゴン市内でも発生します。昼間に蚊に刺されないようにすることが必要です。

(3)性・血液感染症:エイズ、B・C型肝炎などがあります。

(4)マラリア:ヤンゴンやマンダレーなどの都市部でかかることはないようです。地方へ行かれる方は蚊に注意しましょう。

(5)熱中症:3、4月の暑期は炎天下ではかなり高温になります。昼間、炎天下は避け、水分を補給することが大切です。

6.健康上心がける事

(1)十分に火を通して調理したもの、ミネラルウォーターなど、安全なものを飲食してください。レストランであっても必ずしも安心できません。

(2)蚊が原因となるデング熱やマラリア、血液感染が原因となる性感染症やB・C型肝炎など、感染経路には注意してください。

(3)疲労をためないよう、また暴飲暴食など避けるようにしてください。

(4)気分転換をはかり、ストレスをためないようにしてください。

(5)手術や輸血が必要となるような交通事故や怪我には十分ご注意ください。

7.予防接種(現地のワクチン接種医療機関等についてはこちら(PDF)PDF

(1)赴任者に必要な予防接種

 A・B型肝炎、破傷風、(地方に出張することが多い方は狂犬病、日本脳炎)

(2)現地の小児定期予防接種一覧

現地の小児定期予防接種一覧
  1回目 2回目 3回目
BCG 出生直後    
DPT 6週 10週 14週
ポリオ(OPV) 6週 10週 14週
B型肝炎 6週 10週 14週
麻疹 9ヶ月    

(3)小児が現地校に入学・入園する際に必要な予防接種・接種証明

 日本人の児童、生徒は現地の小中学校に入学できません。ヤンゴンには日本人学校とインターナショナルスクールがあり、どちらかに入学することになります。日本人学校入学に際し必要な予防接種や特別な接種証明は必要ありません。インターナショナルスクール入学にはDPT、ポリオ、BCG、麻疹、流行性耳下腺炎、風疹、A・B型肝炎の予防接種証明が必要です。

8.乳児検診

 乳児健診制度はありません

9.病気になった場合(医療機関等)

◎ヤンゴン市

(1)Myanmar International SOS

所在地:37 Kaba Aye Pagoda Road, Inya Lake Hotel

電話:01-667 877(24時間), 01-667 879, 01-667 871

仏人医師が常勤しています。

(2)Asia Pacific Centre for Medical & Dental care

所在地:81 Kaba Aye Pagoda Road, Bahan Township

電話:01-548 022

予防接種のワクチンを割合多く置いています。

(3)Shwe Gon Dine Specialist Centre(SCC)

所在地:7 East Shwe Gon Dine Road, Bahan Township

電話:01-544 116, 01-542 400, 01-541 457, 01-542 622

邦人が虫垂炎などの手術を受けています。

(4)Asia Royal Cardiac & Medical Care

所在地:14 Baho Rd, Sanchaung Township

電話:01-538 055(22回線あり)

脳卒中の邦人が複数入院したことがあります。

10. その他の詳細情報入手先

 在ミャンマー日本大使館医務室まで個別の事情をお電話下さい(01-549 644)。医務官が対応いたします。
(月曜日〜金曜日、午前8時半〜12時半、午後1時半〜5時15分)

11.現地語一口メモ

 上記9.の私立病院では診察の際、医師に英語が通じます。

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