世界の医療事情
ミャンマー

平成27年8月27日

1 国名・都市名

 ミャンマー連邦共和国(ヤンゴン市)(国際電話国番号95)

4 衛生・医療事情一般

 ミャンマーの気候は,大きく次の3つに分けられます。

  • 暑期(3月~4月)…もっとも暑い季節です。熱中症や脱水に注意しましょう。この時期,紫外線の強さは最高になります。日によっては,紫外線インデックスが11を超える事もあります。(概ね2月中旬~5月中旬)
  • 雨期(5月下旬~9月下旬)…季節性インフルエンザや食中毒に注意しましょう。(年によって雨期明けは10月)
  • 乾期(11月~2月)…もっとも過ごしやすいシーズンです。

 当地では,細菌性下痢症に容易に感染しますので,屋台などでの飲食や,加熱されていないものの外食,加熱されていても時間の経っている食物の摂取は避けてください。飲料水のみならず氷にも気をつけてください。氷は使わないことが原則です。多くは,病原性大腸菌(代表的なのはO-157のような毒素型),サルモネラ,カンピロバクター,腸炎ビブリオ,コレラ菌,赤痢菌,ノロウイルス,アメーバ赤痢などが原因となります。そのほか,汚染されたプールなどでの水泳,アイスクリーム,さとうきびの絞りたてジュースなどにも注意が必要です。

 また蚊が媒介する病気としては,デング熱,チクングニア熱,マラリア,日本脳炎などがありますが,ヤンゴン市内では,デング熱の感染に気をつけてください。

 なお当地では季節性インフルエンザは基本的に雨期の6月-9月に流行し,7月に大きなピークが有ります。したがって,予防接種(南半球対応用)は5月-6月初旬までに終えておく事をお勧めします。加えて,乾期の10月-2月にも発生が観られますのでご注意ください。以前は,南半球対応用ワクチンしか購入できませんでしたが,近年は北半球対応用ワクチンの接種も可能となってきました。9月下旬から10月上旬に販売が始まりますので,できれば10月中に接種が終えることをお勧めします。)

 当地の医療事情ですが,ヤンゴンでは冠動脈造影やPTCAという冠動脈を風船で広げる治療,ステントという管を入れる救急処置ができる病院と専門医は非常に限られているので当地での急性心筋梗塞重症例は,即死につながる可能性が非常に高いと言えます。こういった医療事情ですので,心筋梗塞など心臓病の既往がある方は,当地への滞在・訪問は難しいと思われます。

 また,当地の病院の設備,医療は先進国と比べて20年-30年遅れている印象が有ります。

 日本のような設備や衛生システムの手術室をもつ私立病院もありますが,それらの病院には常時専門医師がいるわけではありません。多くの専門医は契約ベースで診療時間が決まっています。富裕層を対象にした病院では,数週間に1回,シンガポールなどから医師団がやってきて,予約した患者(多くはお金持ち)の治療を行っている所も有ります。

 外国留学経験のある指導医クラスの優秀なミャンマー人医師達は,総じて疲弊している様です。

 これらの医療事情より,当地の日本人が手術や集中治療を要する病気になった場合には,海外へ緊急搬送となります。(多くはバンコクへの搬送が多い。)ただし,交通外傷や緊急手術等,応急的に当地で行わなければならないケースもあります。,最終的にバンコクや日本等へ緊急移送することを考慮して,搬送費用も含めた海外旅行保険への加入(治療費,搬送費用併せて上限までの加入)をお勧めします。また,保険証券番号とパスポート番号は常に控えておき,緊急時に備えましょう。もちろんそれらの原本保管場所も同行者や添乗員,家族など全員で把握しておいてください。患者さん本人しか知らないと言ったことは避けましょう。このように当地滞在中は常に「備えあれば憂いなし」を心がけてください。

5 かかり易い病気・怪我

 ほとんどが経口感染症,飛沫感染症や蚊等の昆虫に刺されてかかる病気です。

  • (1)感染性腸炎:たいていの人が経験します。細菌性食中毒(サルモネラ,腸炎ビブリオ,大腸菌,ブドウ球菌,キャンピロバクターなど),細菌性赤痢,アメーバ赤痢などがあります。このほか旅行での疲労,暴飲暴食,慣れない食べ物(ミャンマー料理は基本的に使い回しの油を多く使用)が原因で起こる下痢などもあります。
  • (2)デング熱,チクングニア熱:雨期の5月から10月にかけてヤンゴン市内でも流行します。夜間だけでなく昼間に活動するネッタイシマカに刺されないように配慮することが必要です。虫除けスプレー,蚊取り線香などを使って防御して下さい。時にデング出血熱に移行して死亡する人もいます。安静と対症療法が大切です。
  • (3)性・血液感染症:エイズ,B・C型肝炎などがあります。行動には十分注意して下さい。
  • (4)マラリア:ヤンゴンやマンダレーなどの都市部で感染することは殆ど無いと言えます。地方へ行かれる方は蚊に刺されない様注意しましょう。(昆虫忌避剤・蚊取り線香・蚊帳の使用等,長袖・長ズボンの着用,冷房の効いた部屋で寝る等)
  • (5)熱中症:3-4月の暑期はかなり高温になります。昼間,できるだけ炎天下での行動は避け,水分を補給することが大切です。汗をかくと体内の塩分も失われます。スポーツドリンク等も併用して下さい。
  • (6)ダニ,蟻,ノミ,南京虫による刺咬:これらに刺されるとかなり痒みが強く,人によっては局所が腫れ上がることが有ります。高温多湿の気候はダニなどが生息しやすい環境です。防虫対策に十分気をつけてください。

6 健康上心がける事

  • (1)十分に火を通して調理したもの,ミネラルウォーターなど,安全なものを飲食してください。レストランであっても必ずしも安心はできません。
  • (2)蚊が媒介するデング熱やマラリアの他,血液や体液を介して感染する性感染症やAIDS,B・C型肝炎など,感染経路に注意してください。
  • (3)疲労をためないよう,また暴飲暴食などを避けるようにしてください。
  • (4)気分転換をはかり,ストレスをためないようにしてください。
  • (5)近年,自動車の数が増加し,交通事故も増えています。手術や輸血が必要となるような交通事故による怪我には十分ご注意ください。

7 予防接種

(1)赴任者に必要な予防接種

 A・B型肝炎,破傷風,腸チフス(地方に出張することが多い方は狂犬病,日本脳炎)

(2)現地の小児定期予防接種一覧

ミャンマーの小児定期予防接種
予防接種の種類 1回目 2回目 3回目
BCG 6週
経口ポリオ 6週 10週 14週
DPT 6週 10週 14週
B型肝炎 出生時 6週 10週
(注)B型肝炎 6週 10週 14週
麻疹 9ヶ月 18ヶ月
MMR 任意
インフルエンザB 任意

(注)B型肝炎は出生時に接種できなかった児に対する代替えプラン

(3)小児が現地校に入学・入園する際に必要な予防接種・接種証明

 日本人の児童,生徒は現地の小中学校に入学できません。ヤンゴンには日本人学校とインターナショナルスクールがあり,どちらかに入学することになります。日本人学校入学に際し必要な予防接種や特別な接種証明は必要ありません。インターナショナルスクール入学にはDPT,ポリオ,BCG,麻疹,流行性耳下腺炎,風疹,A・B型肝炎の予防接種証明が必要です。

8 乳児検診

 乳児健診制度はありません

9 病気になった場合(医療機関等)

ヤンゴン市

(1)LEO MedicareVictoria Hospital内外国人用診療所)

所在地:No.68 Tawwin Rd, 9 Mile, Mayangone T/S
電話:01-651238,09-49585955
24時間受診可能。英語対応。入院はVictoria Hospitalで可能。
救急車サービス有り。(有料)。ミャンマー人医師は常時勤務。
月~金曜日 9~20時は外国人医師の受診が可能(確認した方が良い)。
Europ Assistance(緊急搬送会社)と連携。

(2)International SOS Clinic(外来のみ、緊急搬送サービス)

所在地:37 Kaba Aye Pagoda Rd, Mayangone T/SInya Lake Hotel敷地内)
電話:01-657920-24, 01-657922 (4回線受話可能)
外国人医師が常駐(月~金8:30-18:00、土8:30-12:00)、英語対応可能 。
日本人医師がコアタイムを月~金10~14時をコアタイムとして勤務開始(コアタイム以外は予約次第。状況はこまめに変わるので要確認)。
土12:00-20:00、日8:30-20:00はミャンマー人医師が対応(英語可)。
以前は時間外には医師が不在であり、on callの体制であったが、現在は時間外にもミャンマー人医師が待機しており、緊急時の受診が可能。
緊急移送時にも利用。 入院や精密検査の設備は無い。

(3)Asia Pacific Centre for Medical & Dental care

所在地:98A Kaba Aye Pagoda Rd, Bahan T/S
電話: 01-553783
診療時間 8時-20時(月曜日-日曜日)
入院設備はないが、日常診療で外国人が受診しやすい。ワクチン接種などでも気軽に受診できる。ワクチンの種類はヤンゴン市内で一番豊富。

(4)Shwe Gon Dine Specialist Centre(SSC)

所在地:No.7 Shwe Gon Dine Rd, Bahan T/S
電話: 01-544116,544128,541457 (受付担当が英語をあまり解さない場合が多く、救急部に繋いでもらうよう依頼するのがよい)
24時間受付の救急外来在り。邦人が虫垂炎などの手術を受けた事があります。

(5)Asia Royal Hospital

所在地:14 Baho Street, Sanchaung T/S
電話:01-538055,538054 (ミャンマー語で自動応答、1006/1007をプッシュすると英語対応可能な受付に繋がる)
24時間サービスの救急外来あり。SOSクリニックで入院が必要と判断された場合に利用されています。循環器内科の診断・治療では定評があります。冠動脈造影設備も備えています。
脳卒中の邦人が複数入院したことがあります。
タクシーで行く場合には「アシャトウィン セイヨー」と伝えた方が通じやすいです。

(6)Witoriya General hospital (Victoria Hospital)

所在地:No.68 Tawwin Rd, 9 Mile, Mayangone T/S
電話:01-9-666126,666128,666135,666141
24時間受付の救急外来在り。交通事故例も受け入れ可能です。
入院可能(食事付き)、救急車サービス有りますので依頼可能です。
院内に外国人専用クリニック(LEO Medicare)があります。

(7)Parami General Hospital

所在地:No.60 G-1, New Parami Rd, Mayangone T/S
電話:01-651674,657228~32
月~金の8:00-20:00,土曜日は午前中のみ、日・祭日休診だが、院内に24時間受付の救急外来あり。小児の受診、入院可能。院内11階に「International Clinic」があります。

(8)International Clinic at Parami General Hospital

所在地:Parami General Hospital 11階
電話:01-657987
外国人医師の診療は月~金。
診療時間:8:00-20:00 土曜日は半日、日・祭日休。
バンコクSamitivej病院との提携

ネーピードー市

(1)Nay Pyi Taw General Hospital(公立)Zabyu Kyetthayay Road

電話:067-420096(救急部)

(2)Thiri Thuka Medical Center

所在地:No. 1194, Yarza Htarni Road
電話:067-23553,09-43219494(病棟)
入院可能(30床)

(3)Shwe Clinic

所在地:Thapyaygone Market Street
電話:067-421500,067-414493
診療時間:8時~21時

(4)Nyein Chan Aung Clinic

所在地:Thapyaygone Market Street
電話:067-414897,09-43019823
診療時間:8時~21時

(5)Outara Thiri Hospital

所在地:Yarzathingaha RoadThiri Mandine Road角、Outara Thiri Township
電話:067-417350~3
24時間受診可能、入院可能(300床)

(6)Zabyuthiri Specialist Hospital

所在地:Pyinmana Taungnyo Road, Zabyuthiri Township
電話:067-550150~3 予約:067-550141~2
24時間受診可能、入院可能(1,000床)

10 その他の詳細情報入手先

11 現地語・一口メモ

 上記9の私立病院では診察の際,医師とは英語で話ができます。

 レセプションで英語が通じなくても,言葉が通じない患者さんが来たら英語が分かる医師などを呼んでくれます。基本的にエマージェンシー・ルームでは英語が通じます(主要言語英語をご参照ください)。

ミャンマー語表現

タクシー等に乗って病院へ行きたいとき

アイェポー セィヨー トワメ:緊急病院へ行きたいです。
アシャウィン セイヨー トワメAsia Royal Hospitalへ行きたいです。
SSC トワメ:SSCへ行きたいです。

主訴

~が痛い:○○ナーデー
とても痛い:アヤン ナーデー
少し痛い:ネーネー ナーデー
頭痛がする:ガウン カイッテー、腹痛がする:バイッ ナーデー
下痢している:ウン ショー デー
熱がある:ピィャーデー

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