2010年10月
中華人民共和国(広東省広州市)(国際電話国番号 086 )
気候:ケッペンの気候区分で温帯夏雨気候にあたり、夏は最高気温が30℃を超え、月に300ミリメートル弱の降水があり、高温湿潤となりますが、冬は最高気温が18℃前後で降水量も月30ミリメートル前後と乾燥します。寒さの程度は年によりますが、旧正月の頃には暖房が必要になることもあります。
地誌:広州市は珠江デルタの北、北回帰線のやや南に位置し、広東省の省都で、華南地区全体の経済的中心でもあります。上海、北京に次ぐ中国第三の都市で、古くから対外貿易の盛んなところです。
医療水準:中国の妊産婦死亡率は正常出産10万当たり45人 <2005年> (日本6人 <2005年>)、同じく乳児死亡率は出生千人当たり22人 <2007年> (日本4人 <2007年>)と、いずれも日本の昭和40年頃の医療水準にあたります。都市部から農村地域まで平均してしまうとこうなりますので、出来るだけ都市部のレベルの高い病院を受診することが肝要でしょう。
医療制度:広東省社会保険局では、毎年医療機関の調査を行い、結果を発表しています。省、衛生部直轄、大学病院などで、病床数500床以上を「3級」、村や居住区レベルで、病床数100床以下を「1級」、その中間を「2級」としています。また、病院の技術水準、医療条件、管理水準などを点数化し、1000点満点で900点以上を「甲等」、以下「乙等」「丙等」と分類しています。毎年の結果は以下の ウェブサイトでわかります。
広州市社会保険定点医病机構名単
(http://www.gd.lss.gov.cn/pub/gdlss/zwgk/gdjg/yljg/
)
南方健康網 広東省二級甲等以上医院
(http://www.fm120.com/zt/hospital/HTML/MU1.html
)
中国の病院では「初めに支払いありき」で、最初に窓口で支払いをしてからでないと受付が始まりません。救急車で運ばれても同様で、本当に生きるか死ぬかと言った状況でなければ、お金の支払いが先です。また、支払いは、受付だけでなく、医師の指名料、カルテ作成料、薬代等々、色々な場所に並んで、それぞれの支払いを済ませないと前に進めません。近年、大きな総合病院では、外国人や裕福な中国人向けに「VIP診療部」、「特診部」、「国際医療部」、「特需門診」等と名付けられた専用部門を設けるようになって来ました。自由診療となるため医療費は高額となりますが、そこでは、並んで支払いをする必要は無く、英語が通じますし、時には日本語通訳が居ることもあるなど、サービスが良いので、邦人にはお勧めです。
病院受診時ワンポイントアドバイス:基本的に日本語不可の病院がほとんどなので、中国語や英語での受診に不安がある場合は、以下のアシスタント会社のサービスを利用すると良いでしょう。病院の紹介から通訳、支払代行、搬送支援など色々なサービスがあります。
(1) インターナショナルSOSジャパン株式会社(http://www.internationalsos.co.jp/
、広州連絡先 020-8732-6253 <日本語可> )
(2) ウェルビー株式会社(http://www.wellbemedic.com/
、広州連絡先 020-3810-4750 <日本語可> )
(3) 日本エマージェンシーアシスタンス株式会社(http://emergency.co.jp/
、チャイナプラン http://china-plan.eaj.ne.jp/
、広州連絡先 020-2886-6688 <日本語可> )
水質:広東省環境保護庁発表の「2008年広東省環境状况公報」によれば、「広州市では、飲水用水道水の約20%がアンモニア、糞便大腸菌群、石油類で汚染されている」とのことです。前年の2007年には約25%が汚染されていたことからみると、年々改善されてきているようですが、水道水を蛇口から直接飲水することは控えた方が良いでしょう。大きなホテルやビル、マンションなどでは、浄水器を通した水を供給しているところもあるようですが、蒸留水が比較的簡単に入手出来ますので、そちらを利用することをお勧めします。
食品衛生:日本でもメラミンが入ったミルクの問題やいわゆる「ギョウザ事件」などが話題になり、中国の食品衛生には関心が高いと思われます。広東省では、毎年食品の安全性の検査をしています。頻度としては、2万品目中、100品目程度(約0.5%)に基準を超えた農薬や殺虫剤の残留、アルミニウムや硝酸鉛等の重金属混入、大腸菌、サルモネラ、キャンピロバクター、腸炎ビブリオ等の細菌汚染が認められています。広東省内で大規模な食中毒事件は、毎年約10件、被害者500名程度です。問題のある食品の頻度はそれ程高いものではありませんが、生鮮食料品は日系スーパーや地元の高級百貨店等で購入した方が無難でしょう。また、外食に際しても、出来るだけ加熱調理した物を食する方が無難です。
水や油が体に合わない、ウイルスや細菌に汚染された食物を摂取するなどして起きます。生水を飲まない、露天で買い食いをしないなど注意が必要です。
交通事故死者数で世界一二を争う中国では、車両当たり日本の約7倍の死亡者が出ています。その中国のなかでも、広東省は交通事故発生件数、死亡者数ともに全国一位となっています。交通法規も日本と異なっており、運転中、歩行中ともに十分な注意が必要です。
広東省での三大感染症は、性病、肝炎、結核です。また、感染症による三大死亡は、HIV/AIDS、結核、狂犬病となっています。中国で売買春は違法行為であり、呉々も安易な行動は慎むようにして下さい。
蛔虫、肝吸虫などに罹る人が多いようです。川魚の刺身や良く加熱していないヘビなどは避けた方が良いでしょう。
動物に接する機会が多い場合や地方都市に長期間滞在する場合は、前もってワクチンを接種することもご検討下さい。
小児が罹ることがほとんどですが、予防接種や手洗いなどに留意して下さい。
数年おきにデング熱が大流行することがあります。また、低湿地ではマラリアに感染する可能性もあります。SARS(重症急性呼吸器症候群)、新型インフルエンザ等、新興感染症にも注意が必要です。
(1) 大気汚染についての情報は、広州環境保護局(http://www.gzepb.gov.cn/
)から毎日提供されています。冬季は汚染度が増すようです。
(2) 夏は暑いので、脱水や熱中症にならないよう、出来るだけ日陰に居て、十分な水分補給に心がけましょう。
(3) 生水、水道水は飲まない、野菜や果物は良く洗い、出来れば皮をむいたり加熱してから食べましょう。頻繁に手洗いをして、出来るだけ人混みに入らないようにしましょう。
(4) 蚊やダニに刺されないようにしましょう。
(5) 出産については当地でも可能ですが、言葉や衛生上の問題から,出来れば香港か日本で行うことをおすすめします。
日本の定期予防接種は全てすませて下さい。成人で接種漏れがあれば、必ず接種してから赴任することをお勧めします。また、破傷風など接種から10年以上経つとワクチンの効果が急速に下がってくるものは、再度接種した方が良いでしょう。日本の任意接種のなかでは、A型肝炎、B型肝炎、水痘、おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)、季節性インフルエンザは、当地で流行していますので、接種が望ましいです。
| 初回 | 二回目 | 三回目 | 四回目 | 五回目 | |
|---|---|---|---|---|---|
| BCG | 0か月 | 3か月 | |||
| 経口ポリオ | 2か月 | 3か月 | 4か月 | 4歳 | |
| DPT | 3か月 | 4か月 | 5か月 | 18か月 | 6歳 |
| 麻疹 | 8か月 | 18か月 | |||
| 日本脳炎 | 8か月 | 18か月 | 6歳 | ||
| B型肝炎 | 0か月 | 1か月 | 6か月 | ||
| 風疹 | 1歳 |
| 初回 | 二回目 | 三回目 | 四回目 | |
|---|---|---|---|---|
| 流行性脳脊髄膜炎 | 6か月 | 4歳 | 6歳 | |
| A型肝炎 | 2歳 | 3歳 | ||
| Hib | 2か月 | 3か月 | 6か月 | 1歳 |
| MMR | 1歳 | |||
| 水痘 | 2歳 | |||
| 肺炎球菌 | 2歳 | |||
| インフルエンザ | 3歳から |
特になし。接種漏れがあると、上記接種を受けるよう指導されます。
外国人向けの乳児健診はありません。邦人の場合は、予防接種の時期などに合わせて受診すると良いでしょう。
所在地:広東省広州市中山二路58号
電話:020-2882-3108、020-8733-2200、020-8733-8011
ファックス:020-8733-0736
概要:設備、人員共に潤沢。24時間救急対応。日本語不可。邦人は「特種醫療中心」(英語可、要会員登録、料金は通常受診の約三倍)を受診した方が良いでしょう。海外旅行保険対応ですが、現金を用意して受診した方が無難です。
所在地:広州市中山二路106号
電話:020-8382-7812
概要:政府要人が多く受診し、設備も充実。24時間救急対応。ヘリコプター搬送も対応。日本語不可。邦人は「協和特需病区」(英語可、要会員登録、英語略称は「Concord Medical Centre」 )を受診した方が良いでしょう。海外旅行保険対応ですが、現金を用意して受診した方が無難です。
広州市から電車で2時間弱と近いので、初めから香港の病院を受診するのも一案です。(但し高額です。)
(1) 在広州日本国総領事館では、広東省主要都市の医療機関リスト(http://www.guangzhou.cn.emb-japan.go.jp/seqinfo/doc/iryokikan.html
)をご紹介しています。
(2) 在留邦人向け雑誌、新聞(Guangdong Whenever < http://gd.shwalker.com/
> 、Cross road < http://www.ngo-crossroad.com
> 、KANAN MONTHLY < http://www.kanan.cn/
> 、PPW < pocketpageweekly > < http://www.pocketpage.info/
> 、カントンジャピオン < Eメール: gzekitor@tianyicheng.com > 、 JI:MOジーモ広東 <Eメール: ad@jimoti.com > 、など)にも医療機関の情報が掲載されています。
当地の中国語は広東語ですが,北京語(中国(北京周辺)11.)もご参照下さい。