2012年3月
コンゴ民主共和国(キンシャサ)(国際電話国番号243)
首都キンシャサはコンゴ川下流左岸に位置し、川を挟んで隣国のコンゴ共和国の首都ブラザビルと相対する、人口1000万人の巨大都市です。2010年7月現在で在留邦人数は約60人で、そのほとんどがキンシャサに在留しています。キンシャサの気候は5月中旬から9月にかけて乾期で降雨はほとんどなく、曇天の続く午前中の気温はそれほど上昇しません。10月から5月は雨期となり、毎月100ミリメートル~200ミリメートルの降雨があります。暴風と雷を伴うもので、日本の台風のように激しく雨が降ることもしばしばあります。その場合、道路が水没し運転が危険になります。
2010年6月30日には独立50周年を盛大に祝賀し、首都を中心に少しずつ道路、電気水道、学校、病院などのインフラの整備が進んできているとはいえ、まだ国民には生活向上に関して充分な実感が得られていないというのが現状です。豊富な天然資源に恵まれているにもかかわらず、長年の内乱、紛争の影響で国土は依然として荒廃の余韻をのこしています。市内では主に外国人が利用するスーパー、レストラン、ホテル、薬局などが徐々に増えてきてはいます。
しかし邦人が安心して利用できる保健医療施設に関してはきわめて限定されているといわざるを得ません。当国の医療水準はWHO(世界保健機関)の2005年から7年にかけての資料を参考にすれば、平均寿命男性50歳、女性54歳、新生児死亡は、出生1000に対し47(日本は1,以下括弧内の数字は日本)、乳児死亡率は、出生1000に対し108(3)、妊産婦死亡率は、人口10万に対し1100(6)、看護助産師数は、人口1万に対し5(95)、薬剤師数は、人口1万に対し1以下(19)、医師数は、人口1万に対し1(21)、病床数は、人口1万に対し8(140)です。キンシャサ市内でも、医師、看護師、薬剤師などの医療従事者数は少なく、医療スタッフの教育・研修システムの整備もされているとはいえません。医師に関しても臨床各科の専門医が僅少であり、したがってまた、衛生面、医療設備、医療者の質・量を備えた医療施設を見つけることは至難です。たとえば、CTスキャンなどの検査機器、検体検査室、手術室、救急患者受け入れなどが通常に稼働する病院は以下に記載するCPU以外にはないといっても過言ではありません。しかもCPUにおいてさえ、脳・心血管系疾患などの重症患者や緊急で侵襲的な処置の必要な患者への対応は困難で、全身状態を安定させたうえで南アフリカなどの医療先進国へ緊急移送となります。不測の事態に備え海外旅行傷害保険には必ず加入するようにしてください。移送費用も保険でカバーできるようにしておくことが望ましいと思われます。慢性疾患をお持ちのかた、再発可能性のある既往症をお持ちの方は、主治医と充分にご相談の上、旅行の適否を検討してください。
(1)マラリア:全土が年間を通じて感染汚染地域です。主に夜間に吸血活動するハマダラ蚊によって媒介されます。重篤な経過をたどることのある熱帯熱マラリアの優性地域(90~95パーセント)です。2009年保健省のデータによれば年間約730万人が感染し、1万5千人余がなくなっています。キンシャサでは80万人が感染し、2,000人弱が死亡しています。発熱、頭痛、筋肉痛、全身倦怠などがある場合はマラリアを疑って検査を受けることが肝要です。
(2)出血性下痢:当地ではマラリアについで罹患者数(報告数)の多い疾患です。出血を伴った頻繁な下痢と発熱を主症状とします。2009年の保健省の報告によれば、2万5千人弱が感染し、80人余が死亡しています。キンシャサ市内でも数百人の患者が発生しています。
(3)髄膜炎:保健省発表では個々の病原体は特定されませんが、毎年年間1万人弱の患者が報告され約10%が死亡に至っています。
(4)麻疹(はしか):ワクチンの接種が広く行われるようになりましたが、年少者、若年成人を中心に、当地では今なお年間相当数の患者の発生をみています。
(5)コレラ:コレラ菌による経口感染で、米のとぎ汁のような下痢による脱水症状が特徴です。赤道州、東部州、南北キブ州、カタンガ州にかけてが主な汚染地域です。
(6)HIV,エイズ:性行為および輸血等で感染し、免疫機能の低下を引き起こします。当地では約110万人がHIVウイルス/エイズに罹患しており、そのうち6割が女性であり、また年間10万人がエイズによって死亡していると見積もられています。
(7)その他:百日咳、破傷風、腸チフス、黄熱病、エボラ出血熱、サル痘、アフリカ嗜寝病、狂犬病、チクングニア、デング熱
(1)食べ物は加熱処理したものを取るようにしてください。
(2)生水は飲まず、ミネラルウォーターを飲むようにしてください。
(3)マラリア等の感染を防ぐために夜間の長袖の着用、防虫スプレーの塗布、蚊帳、蚊取り線香を使用してください。
(4)無謀な運転による交通事故が多発しているため、歩行、道路の横断には充分に気をつけてください。
(1)入国ビザ取得に際し、黄熱病のワクチン接種の証明書が必要です。なお、証明書が有効となるのはワクチン接種後10日以降となりますので、渡航日程との関係で、早めに接種されることをおすすめします。他にA型肝炎、B型肝炎、破傷風等のワクチン接種をお勧めします。
(2)小児の予防接種
| 接種年齢 | ワクチン | ||
|---|---|---|---|
| 出生時 | BCG | ポリオ(経口) | |
| 6週間 | ポリオ | DPT B型肝炎 Hib | 肺炎球菌(2011年~) |
| 10週間 | ポリオ | DPT B型肝炎 Hib | 肺炎球菌(2011年~) |
| 14週間 | ポリオ | DPT B型肝炎 Hib | 肺炎球菌(2011年~) |
| 9ヶ月 | 麻疹 | 黄熱病 | |
(3)現地校に入学の際、ワクチン接種証明の提出を求められることがあります。
行われていません。
所在地:Avenue Wegenia 168, Kinshasa
電話:898950300
概要:外来患者診療部で、内科、外科、整形外科、心臓病、神経外科、皮膚科、泌尿器科、耳鼻咽喉科、理学診療科、眼科、産婦人科などがあります。緊急時には24時間対応が可能です。CMKには入院部として、ベッド数62床のCentre Hospitalierがあります。入院部の所在はCoin des Avenues du Commerce et Bas-Congoです。
所在地:Coin des Avenues du Commerce et Bas-Congo ,Kinshasa
電話:898950305
概要:CPUは、おおむね6週間間隔で交替するヨーロッパ人医師1名、数名の医療スタッフと標準的医療機器を備えた救急部で受診に際して予め登録が必要で完全会員制です。重症疾患・多発外傷などはここで一時的な処置が施された後、南アフリカなどの先進医療の受けられる国へ緊急輸送となります。なお、ここは登録なしのやむを得ない緊急受診には、供託金として6000ドルから1万ドルが必要となります。3ヶ月を超えない滞在者に対しては1枚420ユーロのポイントカードなどの制度もあります。事前登録について考慮してください。
所在地:Batiment Pergola,Av du Bas-Congo ,La Gombe Kinshasa
電話:0815014798
フランス人家庭医1人と3人のコンゴ人医師が外来診療を行っています。レントゲン検査、血液検査が可能です。
所在地:4197、Av de la Montagne Quartier Joli Parc Kinshasa Ngaliema
電話:0815029456
概要:総合診療科のほか、外科、整形外科、眼科、耳鼻咽喉科、小児科、産科,神経科などがある。CT、人工透析などの設備も配備しています。44床の入院ベッドをもっています。
所在地:474 Av.Mondjiba Commune de Ngaliema Kinshasa
(UTEXAFRICA となり)
電話:0818941564
診療時間:予約制 月曜から金曜 8時00分~12時00分、14時00分~17時00分
緊急:月曜から金曜 9時以降或いは電話で話を聞いた上で対応
(1)在コンゴ民主共和国日本国大使館ホームページ
http://www.rdc.emb-japan.go.jp/
(2)厚生労働省検疫所のホームページ
http://www.forth.go.jp/destinations/country/m_africa.html![]()
(3)国立感染症研究所(感染症情報センター)のホームページ
http://idsc.nih.go.jp/index-j.html![]()
(4)世界保健機関のコンゴ(民)に関するホームページ
http://www.who.int/countries/cod/en/![]()
(5)米国疾病管理センター(CDC)のコンゴ(民)に関するホームページ
http://wwwnc.cdc.gov/travel/destinations/democratic-republic-of-congo.aspx![]()
(6)コンゴ(民)保健省ホームページ
http://www.minisanterdc.cd/fr/![]()
医師は数カ所の医療機関を掛け持ちしているので、専門医の受診の場合は医師の携帯電話に直接連絡して予約することがあります。個別の専門医のリスト等は当大使館で入手できますのでご連絡ください。