2010年10月
モーリタニア・イスラム共和国(ヌアクショット)(国際電話国番号222)
休館日:金・土曜日
気温は年間を通じて首都ヌアクショットでは30度から38度、砂漠地帯では45度くらいまで気温が上がり夜間は10度以下まで下がることがあります。季節は7月から9月の雨季と10月から翌年6月までの乾季とに分かれます。この時期は、サハラ砂漠の砂を含む季節風が吹くため乾燥、埃による呼吸器感染症状や結膜炎が増える傾向にあります。また、細菌性髄膜炎が流行するのもこの季節です。雨季の始まりとともに蚊の発生が急増し、マラリアの発症がピークを迎えます。また、一般的な衛生状況は良好とはいえず、赤痢、コレラ、サルモネラ等の消化器感染症の罹患者もみられます。
水道水は飲料には適しません。食中毒の原因になる可能性もあります。歯磨き、コンタクトレンズの洗浄を含めなるべくミネラルウォーターの使用を心がけて下さい。
当地には国立病院、州立病院、私立病院(プライベートクリニック)などが存在しますが、治療体制は十分とはいえません。プライベートクリニックでは、ごく簡単な手術が行える場合がありますが、邦人の利用実績はありません。出来る限り外国人がよく利用するヌアクショットの医療機関を受診するようにして下さい。
マラリアは毎年、年間を通して20万人以上の人が罹患し、数十人の方がなくなっています。主にモーリタニア南部のセネガル国境付近でみられますが、首都ヌアクショットでも毎年1万人以上の患者が見られるため注意が必要です。モーリタニアを含む西アフリカでは4種類あるマラリアのうち一番悪性度の高い熱帯熱マラリアが大多数を占めています。熱帯熱マラリアは放置すると死に至ります。ハマダラ蚊に刺された時にマラリア原虫が体内に侵入し、1-2週間後に発熱、頭痛、寒気、腹痛、だるさ、吐き気、筋肉痛などが始まります。そして血中で原虫が大量に繁殖し脳に移行すると、治療が困難となるため、早期治療を要します。子供ほど症状が重く、進行が早い傾向があります。血液中にマラリア原虫がみつかれば診断が確定します。
発熱は37度台から40度台まで個人差が大きいという特徴があります。発熱はマラリアに限ったことではなく、他の病気でもありますが、当地ではまずマラリアを疑い血液検査を行ないます。多少の発熱だからと楽観しないことが大事です。
予防薬としてメフロキン(MEPHAQUIN, LARIAM)、またはプログアニルとアトバコンの合剤(Malarone)が推奨されています。治療は、ACT治療薬(アルテミシニン ベース混合治療薬)であるCoartemなどを用います。
ハマダラ蚊は夕方から朝方にかけて出没します。感染リスクが高い地方だけではなく市内でも夜間外出を控え、やむを得ない場合は長袖・長ズボンなど肌の露出を少なくし、防虫スプレーで防御してください。
2010年9月現在、モーリタニアはWHO(世界保健機構)による黄熱リスク国となっています。日中に活動するネッタイシマカに刺され感染するウイルス疾患で、発熱、肝機能障害、黄疸が見られます。予防接種を受けることが必要です。
米のとぎ汁様の下痢が大量に出て、急速に脱水に陥ります。経口感染ですので、生水、生野菜はさけ、流行時には特に手洗いをしっかり行って下さい。モーリタニアでは、2005年に4208例が罹患し、82例が死亡しました。
年間を通じモーリタニア南部でよく見られます。雨季に多くなる消化器疾患です。下痢、発熱、及び血便の症状が出ますのでそのような症状が出た場合は病院を受診してください(検便等が必要です)。点滴と、細菌性なら抗生物質、アメーバ性ならばメトロニダゾール(FLAGYL等)にて治療します。
乾季、砂が舞う季節に流行し、目が赤く充血します。非常に感染力が強く、外出から帰ったら手洗い、洗顔を行い、清潔を保ってください。患者さんとはタオル等、触れるものは共用しないで下さい。結膜炎に罹患したら、抗生物質の点眼が必要になります。
これも乾季に流行し、モーリタニアは流行地域(髄膜炎ベルト)に属しています。発熱、頭痛から始まり、頸部硬直、意識障害といった症状が出現してきます。抗生物質で治療が可能ですが、予防接種がありますので、この季節に滞在する場合は、あらかじめ接種しておかれることをお勧めします。2007年には近隣国で、100名を超す死亡者がみられる流行がありました。
動物(犬、猫、山羊、羊、牛等)と接触する場合、噛まれなくても、唾液より狂犬病ウイルスの感染の危険があります。噛まれた場合、すぐに、ヌアクショット国立病院を受診しワクチンを複数回接種してもらう必要があります(暴露後接種)。いったん発病すると死亡率100パーセントと言われ、動物との接触が予想される場合は、予め接種(暴露前免疫)をお勧めします。
日差しは年間を通じ強く、帽子、日傘、日焼け止めクリームを使用して下さい。
屋外にいると喉の渇きが出る前に汗で水分が失われます。常にミネラルウォーターを携行し、水分補給に努めて下さい。頭痛、だるさ、発熱は熱中症の症状です。重症例は経口摂取も不十分となるので、病院を受診し点滴が必要の場合があります。
整備不良の車の排気ガスで大気汚染が見られます。また砂漠の砂塵の影響で呼吸器の異常がでる方が多いです。2005年には226,357名の方が呼吸器疾患で病院を受診しています。喘息等の呼吸器疾患のある方は、マスク等で予防に努めて下さい。
年間を通じてみられます。水道水は飲料に適しません。ミネラルウォーターを飲んで下さい。生野菜も十分に洗浄していないものは食べないように注意が必要です。鶏卵も良く火が通ったものを食べて下さい(半熟不可)。サルモネラ菌で汚染されている場合があります。肉は火が通っていても安心できません。購入した場所での保管状況に問題がある場合があります。現地の方が食べて問題がない場合でも、邦人が食べると高熱、下痢、激しい腹痛などの食中毒が起こる場合もあります。信頼の置ける店で購入するか、またはレストランで食べるようにして下さい。
医療体制が十分でなく、手術が必要な救急外傷への対応はモーリタニアではできません。
成人:黄熱病、破傷風、A型肝炎、B型肝炎、狂犬病、髄膜炎菌性髄膜炎
小児:上記に加え、日本で実施されている定期の予防接種(ジフテリア、百日咳、ポリオ、麻疹、風疹、結核(BCG))、任意の予防接種(おたふくかぜ、水痘、肺炎球菌ワクチン、インフルエンザ桿菌B型ワクチン(HIB))
| 初回 | 2回目 | 3回目 | |
|---|---|---|---|
| BCG | 出生時 | 9ヶ月(ツ反陰性時) | |
| TETRACOQ (注1) | 6週 | 10週 | 14週 |
| 黄熱病 | 9~15ヶ月 | 10年毎 | |
| R.O.R (注2) | 9ヵ月 | 6歳 | |
| B型肝炎 | 出生時 | 10週 |
注1:ジフテリア、破傷風、百日咳、ポリオの4種混合。ポリオは日本(経口生ワクチン)と違い、不活化ワクチンです。
注2:麻疹、おたふくかぜ、風疹
いずれも、接種時期、回数が日本と異なり、接種計画を立てる際、注意が必要です。
接種の義務、証明書提出の義務はありませんが、受けたものを申告する必要はあります。
BCG、破傷風、ポリオ、結核の接種証明書が必要です。
風疹、麻疹、おたふく、肝炎A・B、髄膜炎、チフスの接種が勧められています。
9ヶ月までの乳児には、無料でワクチン接種を行っており、その際に簡単な健診も行う場合があります。しかし、実際には、外国人はプライベートクリニックで有料で予防接種(接種料1,000ウギア程度)を受けることがほとんどです。また乳児健診も希望があれば有料で受けることができます。健診代は6,000ウギア程度です。
所在地:Tevragh-Zaina, Nouakchott
電話: 525.80.80 ファックス: 525.34.35
概要:内科・外科・小児科、産科、歯科などを有する私立病院です。循環器や肝疾患などの専門医は公的病院から派遣されています。入院ベッドが18床あり、虫垂炎程度の手術は可能です。ただし邦人の利用実績はありません。レントゲン・CT・MRI・エコー検査も可能です。英語はほとんど通じません。原則的には24時間救急対応もしてくれます。支払いは基本的には現金(ウギアのみ)ですが、相談によってはクレジットカードや小切手でも可能です。
電話 525.23.98
概要:外国人を多く見ている私立クリニックです。小児科、内科等のプライマリーケアを行っています。心電図やエコーはありますが、レントゲン設備や入院設備はありません。英語での受診が可能です。
電話 525.15.71
概要:私立クリニックで、女性の医師(院長)と呼吸器専門医2名で診療を行っています。小児科、内科等のプライマリーケアを行っています。心電図、血液検査、レントゲン設備があります。入院施設はありません。初診料は、外国人6,000ウギア(ウギア現金のみ可、クレジットカードやユーロ等は使用不可)です。英語はほとんど通じません。
電話 525.72.61 ファックス : 529.29.54
概要:モーリタニア国内で最大規模の病院です。内科、外科、産婦人科、小児科、手術部、救急部、透析施設等があり、血液検査機器、レントゲン、CT装置を備えています。病床数は380床ありますが、機材やスタッフの不足が目立ち、生命に関わる緊急時以外の利用はあまりおすすめできません。外国人が受診した場合でも、受診料は500ウギアで、支払いはウギア現金のみです。邦人の利用実績はありません。英語はほとんど通じません。
保健省 :http://www.sante.gov.mr/
(感染症情報有り)
公用語はアラビア語ですが,実務言語として仏語が通じますので,主要言語の仏語をご参照下さい。