2010年10月
エチオピア連邦民主共和国(アディスアベバ)(国際電話国番号251)
エチオピアは北緯3度から15度、東経33度から48度に位置します。北はエリトリア、東はジブチ、ソマリア、南はケニア、西はスーダンに囲まれた内陸国です。総面積は日本の国土面積の約3倍です。気候は小雨季(2月〜5月)、大雨季(6月〜9月)、乾季に分かれます。首都のアディスアベバは年間を通し15〜25℃前後ですが大雨季はとても寒くなります。南西部やソマリ州では40℃近くになります。
衛生水準は低くインフラ整備が不十分なため、感染性腸炎、消化管寄生虫症等が常在しています。生水、生野菜、生肉などを摂取すれば、下痢や嘔吐が起こるとお考え下さい。HIV/AIDS、結核、破傷風、狂犬病、A型肝炎、B型肝炎、コレラ、腸チフスなど多彩な風土病や伝染病、ダニ・ノミ咬症等が常在します。
国土の75%はマラリア危険地域です。池や湖の中には寄生虫もいますので生水は絶対に飲まない、手足を入れない、泳がない等の注意を守ってください。
数年毎に流行性髄膜炎の流行もありますので、エチオピアへ入国前には、あらかじめ危険情報や医療情報を入手し、日頃からの十分な注意が求められます。
アディスアベバは高地(2,400メートル)で酸素が薄く高山病症状や、盆地のため排気ガスで空気がとても汚く呼吸器疾患にかかる場合もあります。
エチオピアには優秀な医師も居て医療サービスが整備されつつありますが、医師数が人口8210万人に対し全国で約2,000人(2009年)と絶対的な不足、設備不足がみられます。公立病院は衛生環境も劣悪で邦人の入院治療には適しません。比較的清潔な私立病院でも輸血や手術などは各種の感染症の危険があると思われます。エチオピア人の平均寿命は55才で、死因の7割は肺炎、マラリア、栄養失調、下痢、AIDSなどです。医薬品は医薬分業ですが、入手できる医薬品は限られています。
| 食品 | 原因菌 | 発症時間 |
|---|---|---|
| 魚介類 | 腸炎ビブリオ | 24時間以内 |
| 鶏肉 | カンピロバクター腸炎 | 2-11日 |
| 鶏卵 | サルモネラ | 24時間以内に発症 |
| 馬肉、牛レバー | カンピロバクター腸炎 | |
| 牛肉 | 病原性大腸菌感染症(腸管出血性大腸菌感染症)、サルモネラ | |
| 自然水や井戸水 | エルシニア 赤痢 |
1-5日 |
| 生野菜など | 病原性大腸感染症 | 2-11日で発症 |
| 食習慣 ○有り×無し |
牛肉 Beef |
山羊肉 Goat |
羊肉 Sheep |
豚 Pork |
魚 Fish |
鶏肉 Chicken |
鶏卵 Egg |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 生のまま食べる | ○ | ○ | × | × | × | × | ○ |
| 加熱して食べる | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
アメーバ赤痢(Amoebic Dysentery)とランブル鞭毛虫症(ジアルジア,Giardiasis)は当地では珍しくない疾患です。
一般に"サナダ虫"とも言います。
エチオピアの湖沼や河には淡水産の貝に寄生する住血吸虫がいます。貝から出てきた感染型幼虫が、水辺などでヒトの皮膚へ侵入し感染します。
アディスアベバでは標高が高いためマラリアに感染する危険性は少ないですが、国土の75%が汚染地域で標高2,000メートル以下では常に感染の危険があります。熱帯熱マラリア(Plasmodium farciparum)85%、三日熱マラリア(Plasmodium vivax)10-15%でクロロキン耐性マラリアがほとんどです。
"髄膜炎ベルト(meningitis belt)"エチオピアからセネガルに至る赤道アフリカ地域は髄膜炎ベルトと呼ばれ、この地域では数年毎に流行します。
首都アディスアベバ(標高2,400メートル)や標高の高い地域で起こります。
"鼻血、頭痛"血圧が高くなる人もいます。高血圧症の方は要注意です。
一見、綺麗なところでも刺されることがあります。
"痒い"人によって当地の虫刺されは「世界一痒い、死ぬ程痒い」そうです。
当地でも対策が整えられつつあります。感染率はUSAIDの報告では2.1%(2007年)ですが、実際の感染者数や孤児数などはもう少し多いと思われます。
USAID:http://www.usaid.gov/locations/sub-saharan_africa/countries/ethiopia/![]()
"命がけ" Commercial sex workerの感染率はより高いと推定されます。倫理の問題は別にして、不特定多数の相手との性交渉は将に命がけの注意がいると考えて下さい。
交通ルールは無茶苦茶で、道路に人や動物が寝ていたり、道路の整備不良が多く、交通事故が多発しています。さらに地方ではスピードを出す車が多く、馬車やロバ車、家畜(牛、山羊、ロバ)等も横断するため特に注意が必要です。
前座席のシートベルト着用は義務付けられていますが(未着用は罰金があります)、後部座席でも必ずシートベルトを装着して下さい。
デング熱、フィラリア症、リーシュマニア症などもあります。
2月〜5月の小雨季、6月〜9月の大雨季には雨や雹、落雷などもあり気温の寒暖差が大きくなります。咽頭炎なども出やすくなります。
年間を通してとても乾燥しているので十分な水分の補給や紫外線対策も必要です。
当地では成人病や癌などの検査が困難です。年一回は、必ず日本での総合健康診断や人間ドックを受ける事をお勧めします。運動不足にも注意が必要です。
(3)医薬品の入手:
入手できる医薬品は限られています。インド製、中国製、UAE(アラブ首長国連邦)製が多く、ほとんどがgeneric薬品です。薬の品質や輸送、保管状態も良いとはいえません。マラリア汚染地域に行かれる方には抗マラリア薬が必要ですが、首都に滞在される方も、抗生物質(セフェム系、ニューキノロン系など)、風邪薬、うがい薬、点眼薬、小児の熱発時の坐薬、整腸剤、ステロイド軟膏などを、日本の医療機関で相談の上、出来るだけ持参された方がいいでしょう。ただし抗生物質などは自己判断での使用は危険です。医師から十分な説明を受ける必要があります。
他のアフリカ諸国と比べると、一見、治安や気候は良いのですが、モノが手に入りにくい、食べ物が口に合わない、停電・断水などが多い、娯楽が少ないなど、日常生活全般には辛いものがあります。エチオピア人は信仰心が厚く勤勉で真面目な人が多いのですが、時に頑固で衝突することもあります。狭い日本人社会の中での人間関係も負担となる場合があります。
ストレスを溜めないためには、家族や友人などと何でも話し合える良好な関係を築くことが大切です。長期間滞在される方は、定期的に休暇を取り、精神的にリフレッシュできるよう意識的に心掛けて下さい。
異常分娩への対応が十分とはいえませんので、日本での出産をお勧めします。
(1)赴任や旅行に当たっては、以下のような予防接種が必要です。
当地では停電が頻回にあり、ワクチンの低温輸送路、保管に問題があるように思われます。ヨーロッパ製の良い品質のものは高額です。日本で予防接種を済ませてからエチオピアに来られることをお勧めいたします。
(2)小児定期予防接種:
| 初回 | 2回目 | 3回目 | 4回目〜 | ||
|---|---|---|---|---|---|
| BCG | 出生時 | ||||
| DTwPHibHepB | ジフテリア 破傷風トキソイド インフルエンザb菌 B型肝炎 |
6週 | 10週 | 14週 | |
| Measles | 麻疹 | 9ヶ月 | |||
| OPV | 経口ポリオ | 6週 | 10週 | 14週 | |
| TT | 破傷風トキソイド | 妊娠中 | 1ヶ月 | 6ヶ月 | 1、2、3年後 |
(3)現地公立校に入学・入園する際に予防接種証明の提出は求められていませんが、当地のインターナショナルの私立学校に入学する際には求められます。
当国には同制度はありません。
当地には日本人が安心して利用できる医療機関や先進国と同様の医療は期待できません。以下に示す医療機関(すべて私立)は当地では最高水準の医療機関で比較的清潔です。外国人医師や専門医もいて、邦人も入院可能です。
初診料(受付時)は100〜150ブル、検査はそれぞれ前払い制で20〜200ブル、CTなどは2,000ブル。入院費は1泊200〜1,000ブル、入院時に2,000ブル程度のdepositが必要です。(2010年8月 1ブル=約7円)
重症の場合は、国外への緊急移送を常に考慮する必要があります。その場合、高額の移送費用が必要ですので海外旅行傷害保険の加入を強くお勧めします。
アディスアベバ以外の地方都市では、さらに医療事情は悪く、体調を崩した時には、早急に首都に戻ることをお勧めします。
所在地:市内Bole区、リングロード沿い、トヨタ正規代理店「MOENCO社」南隣。
電話:(011)661-4250
概要:総合病院。歯科あり。検査室、CT、手術室あり。
救急は24時間対応。救急車あり。
所在地:リングロード沿い、インペリアホテル近く。
電話:(011)629-5421(24時間対応)、(011)629 2963、
概要:韓国のミッション系の総合病院。歯科もあり。検査室、CT、手術室、ICU、NICU、VIPループなど設備が整っている。Trauma Unitあり。脳外科、形成外科の手術可能。院長はノルーウェー人医師。韓国人医療スタッフ常勤。
救急は24時間対応。いつも混雑しており外国人専用外来を作る予定あり。
所在地:インペリアルホテルからMCMの通りを進む。
電話:(011)629-8904
概要:総合病院 検査室、手術室あり。産婦人科・小児科、マタニティースクールあり。救急は24時間対応。皮膚科。
所在地:市内Bole区、Traffic office、アウラエルホテル付近
電話:(011)661-3622
概要:総合病院。検査室、CT、手術室、VIP特別室あり。
人工透析、尿路結石破砕治療可能。救急は24時間対応。
所在地:リングロード沿い、日本大使館公邸通り。
概要:循環器専門病院。検査室、血管造影室あり。心カテーテル検査・治療などスウェーデン方式の循環器内科治療が可能。治療費は高額。
電話:(011)618-0709
救急は24時間対応
所在地:オールドエアポート、市内西部Lideta区、ガーナ大使館付近。
電話:(011)371-0768
概要:スウェーデン大使館のクリニック。すべてヨーロッパ製の医薬品。
予防接種可能。産婦人科あり。
受診時には要電話連絡。治療費は高額。
所在地:市内Bole区、ボレロード沿い、Novisスーパーマーケットのビル3F。
電話:(011)661-4932
概要:Dr.Tadesse Melaku、要予約。
所在地:イギリス大使館近く。
電話:(011)661-4867、0911-233-002
概要:Dr.Woo、中国人、要予約。
在エチオピア日本国大使館 http://www.et.emb-japan.go.jp![]()
WHO世界保健機構 http://www.who.int/countries/eth/en/![]()
厚生労働省検疫所 感染症情報 http://www.forth.go.jp/![]()
国立感染症研究所 感染症情報センタ- http://www.moh.gov.et/![]()
エチオピア保健省 http://www.moh.gov.et/![]()
エチオピアの公用語はアムハラ語です。独特の文字があります。地方ではオロモ語、ティグリニア語など独自の民族語を話す部族がいます。医療機関では、ほとんどの医師は英語を話せますが、一般の人は英語が通じないことが多く、緊急の場合に備え簡単なアムハラ語は知っておいた方がいいでしょう。
「医師」 ハキム
「薬」 メダハニトゥ
「注射」 マルフェ
「病院へ連れて行って欲しい」 ハキム ベートゥ ウォサデニ
「救急車を呼んでください」 ウバックォ アムビュランスヌン タラ
「気分が悪いです」 トゥル アイサッマンニム
「・・・が痛い。」 ・・・アンモンニャル
「頭が痛い。」 ラセ アンモンニャル
「胸が痛い。」 ダラテ アンモンニャル
「腹が痛い。」 ホゥデ アンモンニャル
「熱があります」 トゥックサート アッレニ
「風邪をひきました」 グンファン イゾンニャル
「咳がでます」 ヤッスレンニャル
「下痢をしています」 タカマトゥ イゾンニャル
「吐気があります」 ヤコレ シャッレ シャル
「けがをしました」 コスル アッレニ
「新しい針ですか?」 アッディス マルフェ ノウ?
「輸血はしないでください」 ダムヌン アットゥサヌン
「英語を話せる人はいますか?」イングリゼンニャ ミチル ソウ アッレ?