在外公館医務官情報

エジプト

2010年8月

1.国名・都市名

 エジプト・アラブ共和国(カイロ市、アレキサンドリア市、ルクソール市、アスワン市)(国際電話国番号20)

2.公館の住所・電話番号

 休館日:金・土曜日

3.医務官駐在公館

4.衛生・医療事情一般

 エジプトは北緯22度から32度と南北に長く位置しており、国土の約94%が砂漠及び土漠に覆われ、大部分は乾燥熱帯地域に属しています。平均年間降雨量は、地中海沿岸が200ミリ程度であるのに対し、内陸部にあるカイロ周辺はわずか30ミリ足らずです。一般に冬季(11月~3月)と夏季(5月~9月)に分けられ、その間に短い春と秋があります。1月と2月が最も寒く、最低気温が5度以下になることもあります。2月下旬から5月上旬にかけては砂嵐(ハムシーン)がしばしば発生し、この時期にはアレルギー疾患(鼻炎・皮膚炎・喘息)や呼吸器疾患にかかる人が増加します。4月から10月にかけて気温は上昇し、食中毒や脱水症が急増します。

 医療水準は、比較的設備の整った私立病院において、急性虫垂炎などの小手術、骨折や外傷に対する処置ならびに分娩も可能ですが、基本的な衛生概念が欠如しているなど、安心して医療を受けられる水準には達していません。また、輸血の安全性にも問題があります。診察費や検査費用は前払いで、クレジットカードはほとんど利用できません。総合病院の多くが24時間体制で診療を行っています。

5.かかり易い病気・怪我

(1)食中毒:当地で最も頻繁に見られる疾患です。主に細菌やウイルスに汚染された飲食物を経口摂取することにより発症します。主な症状は腹痛、嘔吐、下痢ですが、発熱や倦怠感、血便等を伴うこともあります。潜伏期間はまちまちです。人から人へ直接うつることはありませんが、吐物や排泄物を介して感染することがあります。

(2)ノミ・ダニ:砂嵐の季節に多発するほか、年間を通じて発生しています。ホテルの寝具をはじめ、タクシーやバスの座席にも生息しています。衛生面に問題がありそうな場合は、虫除けスプレーの使用と虫の侵入を予防できるような衣類の着用をお勧めします。

(3)寄生虫症:ビルハルツ充血吸虫症、条虫症、異型吸虫症、アメーバ赤痢、ランブル鞭毛虫症などが挙げられます。この中でも、ビルハルツ住血吸虫はナイル川に生息し、人がナイル川に入ることにより、その幼虫が経皮的に侵入して感染します。初発症状は血尿で、いまなおエジプト人の死因の上位を占める寄生虫症です。近年、異型吸虫に感染する在留邦人が増えています。

(4)A型肝炎:感染者から排泄される糞便で汚染された飲食物(野菜、水、貝類、ミルク等)を経口摂取することによって感染します。発熱、全身倦怠感、食欲不振が主な症状です。ワクチンを接種することにより予防が可能です。

(5)マラリア:流行することはあまりありませんが、隣国スーダンが流行地域であるため、南部のアスワン地域で感染する可能性があります。マラリアを媒介するハマダラカは夜行性なので、夜間外出する際には虫除けスプレーを使用する等、蚊に刺されないための工夫が必要です。なお、当地で入手できるマラリア治療薬はほんの数種類に限られています。

(6)流行性脳脊髄膜炎:主な症状は発熱と頭痛です。通常、髄膜炎菌を鼻咽腔から吸い込むことにより感染します。エジプトでは健常者の約10%近くに保菌者がいるため、体調が悪いときには人ごみや公共交通機関の利用を避けるのが賢明です。カイロにある予防接種センターでワクチンを接種することが可能です。

6.健康上心がける事

(1)生水や水道水は飲用に適していません。屋台や路地で販売されている飲食物も衛生上問題があります。食中毒予防のため、食事はホテルあるいは清潔なレストランで、よく加熱調理されたものを食べるようにしてください。

(2)当地は鳥インフルエンザ流行国です。大使館のホームページ(下記10. その他の医療機関情報入手先参照)等で、流行状況をつねに確認してください。また、野鳥や鳥を扱った市場にはなるべく近づかず、鶏肉や卵を材料とした料理を食する場合は、十分過熱されていることを確認してください。

(3)夏季は日差しが非常に強く、上エジプト(ルクソール、アスワン、アブ・シンベル)では日中の気温が50℃近くになることもあります。観光は朝夕の比較的涼しい時間帯に予定してください。その際には日焼け止めを使用し、帽子着用の上、こまめに水分を補給するよう心掛けてください。

(4)医療費は日本に比べて高額になりますので、海外旅行傷害保険へ加入されることを強くお勧めします。

(5)当地では、処方箋なしに抗生剤など多くの薬剤を薬局で購入することが可能ですが、小児の薬が入手しにくい上、品質やアレルギーの問題もありますので、飲みなれた薬を常備薬として持参してください。

(6)ナイル川では、ビルハルツ住血吸虫に感染する危険性があるため、遊泳はもちろんのこと、手足を水につけたりしないよう注意してください。

(7)地域によっては、野犬や野良猫に遭遇することがあります。これまでに狂犬病の発症も報告されていますので、できるだけ動物には手を出さないよう注意してください。

(8)カイロ市内では、交通マナーが悪い上、慢性的な渋滞による大気汚染が深刻化しています。住宅を選ぶ際には、なるべく交通量の少ない地域を選択することをお勧めします。

7.予防接種(現地のワクチン接種医療機関等についてはこちら(PDF)PDF

(1)赴任者に必要な予防接種

赴任者に必要な予防接種
  成人 小児
是非接種しておくべきワクチン A型肝炎
B型肝炎
破傷風
BCG、ポリオ、DPT
麻疹、流行性耳下腺炎
風疹、B型肝炎
できれば接種しておくワクチン 狂犬病
腸チフス
狂犬病、水痘、A型肝炎
ポリオ(3回目)
考慮すべきワクチン   髄膜炎菌性髄膜炎A&C
(現地で接種可能)

(2)エジプトの小児定期予防接種一覧

エジプトの小児定期予防接種一覧
  1回目 2回目 3回目 4回目 5回目 6回目
BCG 0-1ヶ月 4-6歳        
DPT 2ヶ月 4ヶ月 6ヶ月 18ヶ月    
DT 4-6歳          
ポリオ 0-1ヶ月 2ヶ月 4ヶ月 6ヶ月 9ヶ月 18ヶ月
B型肝炎 2ヶ月 3ヶ月 8ヶ月      
麻疹 9ヶ月          
MMR 9ヶ月          
Hib 0-1ヶ月 2ヶ月 4ヶ月 6ヶ月 18ヶ月  
髄膜炎 4-6歳          

ポリオは生ワクチンが用いられている。

(3)小児が現地校に入学・入園する際に必要な予防接種・接種証明

 例:Cairo American College (Primary school)

小児が現地校に入学・入園する際に必要な予防接種・接種証明
  1回目 2回目 3回目 4回目 5回目
ポリオ  
DPT/DT
MMR      
A型肝炎      
B型肝炎    

8.乳児健診

 当地には日本で行われているような乳児健診はありませんが、小児科医院にて随時健診を受けることは可能です(有料)。また、一部の私立総合病院では小児のための人間ドックを実施しています。

9.病気になった場合(医療機関等)

◎カイロ市

(1)Dal Al Fouad Hospital(ダルアルフォードホスピタル)

所在地: 26 July St., The Touristic Zone, 6th October City

電話: (02)-3835-6040(代表)、(02)-2577-7300(救急部受付)

FAX: (02)-3835-6050

概要: 米国クリーブランド病院と提携関係にある私立総合病院。近代的な設備やシステムが導入されており、水準の高い医療を提供している。パラメディカルにもよく英語が通じる。市内から車で30分はかかるため、通院には不便である。夜間は救急部で診察を受けることが可能だが、つねに混雑している。

(2)As Salam International Hospital(アッサラームインターナショナルホスピタル)

所在地: Corniche El Nil, Maadi, Cairo

電話: (02)-2524-0250(代表)、-0077(救急部受付)

FAX: (02)-2524-0066

概要: カイロ市南部に位置する私立総合病院。外国人の利用も多く、比較的英語が通じ、医療設備も充実している。夜間は救急外来で診療を受けることができる。

(3)Anglo American Hospital(アングロアメリカンホスピタル)

所在地: Near Cairo Tower, Gezira, Cairo、カイロタワーの隣

電話: (02)-2735-6162~-6135(代表)

FAX: (02)-2735-4304

概要:1903年創立のカイロでも老舗の私立総合病院。ゲジーラ島に位置し、市中心部から近い。設備や建物はやや古いが、24時間体制で診療を行っており、対応も比較的早い。

○アレキサンドリア市

(1)As Salam Hospital(アッサラームホスピタル)

所在地: 7 Mohamed Motawea St., Shalalat, Alexandria、アレキサンドリア図書館の近く

電話: (03)-485-6772(代表)

FAX: (03)-485-6764

概要: 2004年開業。最新の医療機器を備えた私立総合病院。英語がよく通じ、救急治療部は24時間対応。主要クレジットカードが使用可能である。

(2)German Hospital(ジャーマンホスピタル)

所在地: 56 Abd El Salam Aref St., Saba Basha, Alexandria

電話: (03)-584-1806(代表)

FAX: (03)-584-0757

概要: 1993年開業の私立総合病院。ドイツの病院と人材交流がある。規模は小さいが、医療水準は高く、とくに心疾患の治療に実績がある。主要クレジットカードが使用可能である。

○ルクソール

(1)Luxor International Hospital(ルクソールインターナショナルホスピタル)

所在地: El Television St., Luxor

電話: (095)-228-0192~0193(代表)

FAX: (095)-227-7195

概要: 2000年に創立された公立総合病院。外国人に対しては割高な外国人料金が適応されるものの、オーストラリア人看護師が英語で対応するほか、迅速なサービスを提供してくれる。外国人専用の病室もあり、24時間体制で医療にあたっている。

(2)Luxor General Hospital(ルクソールジェネラルホスピタル)

所在地: El Bahar St., Luxor

電話: (095)-237-2809, 237-2025, 237-7114~7115(代表)

概要: 歴史ある公立総合病院。診療実績は十分あるが、施設や医療機器は老朽化が進んでいる。

○アスワン

(1)Evangelical Misson Hospital (エバンゲリカルミッションホスピタル)

所在地: 23 Corniche El Nil St., Aswan

電話: (097)-231-7176(代表)

FAX: (097)-230-4991

概要: 1913年にドイツのキリスト教団体により設立されたミッション系病院。通称はジャーマンホスピタル。規模は大きくないが、8名の専従医師が24時間体制で診療にあたっており、迅速な対応が可能である。緊急移送の実績も多い。

(2)Aswan Teaching Hospital(アスワンティーチングホスピタル)

所在地: Elshik Haron, Kassar El Hagr St., Aswan

電話: (097)-230-5311(代表)

概要: 最新の医療機器を備えたアスワン随一の総合病院。若手医師の研修病院でもある。ただし、公立病院であるため常に混雑しており、迅速な対応は期待できない。

10.その他の詳細情報入手先

 大使館ホームページ(日本語):http://www.eg.emb-japan.go.jp/j/index.htm 他のサイトヘ

 大使館問い合わせ先:ryoji@japanembassy.com.eg

11.現地語一口メモ

(1) 語彙

医師:ドクトール

飲み薬:ダワッショルブ

注射:ホックナ

頭痛:スダー

腹痛:マガス

下痢:イスヘール

発熱:ハラーラ

吐気:ケーエ

咳:コーハー

鼻水:ツカーム

めまい:ドーハー

胸痛:アラム・フィー・アルサドル

傷:ガルフ

薬局:アグゼハーナ

痒み:ハッカー

歯科医:タビーブ・アスナーン

(2)短文

具合が悪い:アナ・ターバーン

病院へ連れて行って欲しい:アルグーク・クデニ・イラ・ムスタシファー

救急車を呼んで欲しい:アルグーク・オトルブ・アルイセーアーフ

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