世界の医療事情

ジブチ

平成28年10月

1 国名・都市名(国際電話番号)

 ジブチ共和国(ジブチ)(国際電話国番号253)

2 公館の住所・電話番号

在ジブチ日本国大使館(毎週金土休館)
住所:Rue de l’Iman Hassan Abudallah Mohamed, Hélon, Djibouti, République de Djibouti B.P.2051
電話:21354981
ホームページ:http://www.dj.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html別ウィンドウで開く

(注)金土以外の休館日は暦年ごとにホームページにて案内していますので,ご覧ください。

4 衛生・医療事情一般

 ジブチ共和国は,アフリカ北東部に位置し,東は紅海,アデン湾に面し,北はエリトリア,西はエチオピア,南はソマリアに接しています。総面積は23,200平方キロメートルで四国の約1.3倍の大きさです。気候は大部分が砂漠(BWh)気候で,地球上で最も暑い土地の一つと言われ,7~8月には最高気温が摂氏50度を超えることもあります。

 衛生事情は不良で,公衆衛生知識の浸透,啓蒙も不十分なため,家庭,食料品販売店,レストラン等の食品管理及び衛生管理も不十分です。市民はゴミをポイ捨てするため,市中の街路,路肩,空き地にはゴミが散らばり極めて不衛生です。また放し飼いされた山羊,羊や荷物運搬用の驢馬等の糞尿が道路脇に散乱している光景もいたるところに認められます。

 水道水は雑菌,鉄錆,微細ゴミ及び多量の塩分混入を認めるため,飲用には適しません。邦人家庭では,浄水フィルターを通した水を台所での洗浄用として使用している家もありますが,飲用,調理用としては市販のミネラルウオーターを使用することをお勧めします。この際必ずキャップが未開封で漏れがないことを確認してください。

 2015年の公式統計によれば,ジブチ共和国の平均寿命は62歳,新生児死亡率31(対1,000出生),乳児死亡率57(対1,000出生),幼児死亡率70(対1,000出生),周産期死亡率230(対100,000分娩)となっています。

 社会インフラ整備の遅れ,気候変動により繰り返される干ばつ被害,失業・貧困による社会不安要素が,様々な社会システム混乱を引き起こしており,その影響は医療面にも及び,医療事情は劣悪になっています。

 国公立病院は,職員不足,技量の低下,医療機器の故障や老朽化,医薬品払底等により,健全な病院機能を果たしているとはいえません。かろうじて私立クリニックがある程度の疾病,外傷に対応しておりますが,全幅の信頼をおけるまでには至らず,特に輸血を含めた観血的治療は避けるべきで,そのような症例は可能な限り先進国に移送することをお勧めします。

 私立クリニック受診に際しては,受付時に医療費支払い保証を求められ,確認が取れないと医療行為を受けられない可能性もありますので,多目の現金を持参してください。医療費自体は日本と比較して高額ということはありませんが,保証金や医療費全額支払い等にて窓口支払額が多くなります。疾病によっては先進国へ移送しての治療が望ましいことを踏まえ,高額保障の海外旅行傷害保険等に加入されることをお勧めします。

5 かかり易い病気・怪我

(1)感染性胃腸炎

 下痢を主症状とし,嘔気,嘔吐,発熱,腹痛等の症状を呈する感染性疾患です。その原因微生物は細菌,ウイルス,原虫を含む寄生虫と多岐にわたりますが,食品衛生に関する知識,食料品を販売する販売員の清潔概念,食料品店の商品管理・衛生管理などの問題も多く,家庭での調理には細心の注意が必要です。時に出血性胃腸炎の病態を呈し重篤化する症例もあります。外食の際には,十分に加熱された食品を食すること,飲料水はミネラルウオーターを飲み,氷は避けるなどの一般的注意を怠らないようにしてください。家庭での調理の際にも葉物野菜を中心に十分に洗浄し,虫体や虫卵の付着がないか確認を怠らないようにしてください。調理前,調理済みにかかわらず食品を保存する場合の温度管理にも注意が必要です。

(2)急性呼吸器疾患

 いわゆる「風邪,上気道炎」に代表される疾患ですが,病原性微生物感染症の他に,車の排気ガス,砂塵等の影響もあり,急性気管支炎を呈する患者が少なくありません。成人では急性症状軽快後の遷延性咳嗽も認めます。原因微生物は特定されない症例がほとんどですが,臨床的にはニューキノロン系抗生物質が奏効することが多い。手洗い,うがい,咳エチケット遵守等の標準予防策励行が予防の基本となります。

(3)マラリア

 蚊が媒介する感染性疾患です。原因微生物は寄生虫に属するマラリア原虫で,それを媒介するのは夜間活動性のハマダラカです。蚊に刺されて7~21日の潜伏期後,突然の高熱で発症します。4種類のマラリア亜系それぞれで発熱周期が異なることも特徴です。その他の症状は悪寒,戦慄,頭痛,全身倦怠感等です。ジブチ共和国のマラリアは,年間を通じて感染する危険性があり,ほぼ全例が熱帯熱マラリアで,迅速な治療が必要とされるタイプですので,蚊に刺された後の発熱には,十分注意する必要があります。ワクチンは存在しないため,皮膚の露出を避ける,虫よけスプレー,蚊帳,蚊取り線香,防虫剤の使用,網戸設置等の防蚊対策が基本です。

(4)デング熱(デング出血熱を含む)

 マラリア同様に蚊が媒介する感染性疾患です。原因微生物はデングウイルスで,これを媒介する蚊は,ネッタイシマカ,ヒトスジシマカ等です。蚊に刺されて2~7日の潜伏期後,高熱で発症し,二峰性発熱,筋肉痛,関節痛,皮疹等の症状を呈し,およそ発症後1週間程度で回復に向かい通常は後遺症なく回復しますが,一部の患者で皮膚粘膜からの出血,肝腫脹,血圧低下等を伴う重篤な重症デング熱(デング出血熱)となります。

 デング熱に対する特異的治療薬は存在しないため,対症療法にて治療します。またワクチンも存在しないため,マラリア対策と同様に,皮膚の露出を避ける,虫よけスプレー,蚊帳,蚊取り線香,防虫剤の使用,網戸設置等の防蚊対策が基本です。

(5)外傷(交通事故等)

 運転マナーが悪く,さらに道路や信号機の整備不良,自動車整備不良等で交通事故が多く,運転者・歩行者どちらにおいても注意が必要です。外傷症例では,緊急輸血が必要になることもありますので,ジブチ共和国では是非とも避けなければならない疾患ともいえます。

6 健康上心がける事

(1)急性呼吸器疾患,感染性胃腸炎が疫学的に高頻度の疾患となっているので,手洗い・うがいを中心とした標準予防策の徹底を心がけてください。使用人(メイド等)を雇う場合には,食品衛生,公衆衛生に関する教育が大切です。

(2)蚊を代表とする各種昆虫が媒介する感染性疾患に対して,長袖・長ズボンの着用にて肌の露出避ける,虫よけスプレー,蚊帳,蚊取り線香,防虫剤の使用,網戸設置等の防蚊対策を徹底してください。

(3)年間を通し紫外線量は多いので,日焼けに対する注意として日焼け止めの使用,帽子の着用,サングラスの着用,肌の露出を避けるなどに注意してください。

(4)外出中は,予想以上に体力を消耗し,水分を喪失します。特に屋外にて各種スポーツを行っている際には,水分補給を忘れないようにしてください。また疲労の蓄積も想像以上ですので,こまめに休息をとるように心がけてください。

(5)外傷原因として交通事故も多いので,運転時,歩行時にかかわらず,十分に注意してください。

(6)外出の頻度が減り,屋内に閉じこもりがちになってしまうことが多く,また娯楽らしい娯楽がほとんどなく,これが運動不足やストレスの原因となりますので,機会を見つけて体を動かすように心がけてください。

7 予防接種(ワクチン接種機関を含む)

 現地のワクチン接種医療機関等についてはこちら(PDF)別ウィンドウで開く

(1)赴任者に必要な予防接種

  • 成人:赴任に際し法的に要求される予防接種はありません。接種をお勧めする予防接種としては,優先度の高い順に,A型肝炎,破傷風,B型肝炎,狂犬病,腸チフスです。
  • 小児:赴任に際し法的に要求される予防接種はありません。接種をお勧めする予防接種としては,優先度の高い順に,BCG, ポリオ,破傷風,ジフテリア,百日咳,麻疹,風疹,流行性耳下腺炎,インフルエンザ菌b型(Hib)等です。

 2016年8月現在ジブチ共和国は,黄熱予防接種(証明書)要求国ではありませんが,近隣諸国は,同予防接種要求国が多いですので,可能であれば接種を済ませておくことをお勧めします。

(2)現地の小児定期予防接種一覧

ジブチ共和国の小児定期予防接種スケジュール(2012年10月~)
ワクチン名(英語)ワクチン名(日本語)初回2回目 3回目4回~
BCG結核出生時
DTPジフテリア
破傷風トキソイド
百日咳
6週10週14週15月
HepBB型肝炎出生時6週10週14週
Measles麻疹9月15月
OPV経口ポリオ出生時6週10週14週
Hibインフルエンザ菌b型6週10週14週
Pneumococcal肺炎球菌6週10週14週

(3)小児が現地校に入学・入園する際に必要な予防接種・接種証明

 統一された規則は存在しません。同一校であっても要求されたり,必要なかったりとその都度対応が異なりますので,その度ごとに学校側に確認することが必要になります。

8 病気になった場合(医療機関等)

ジブチ市

(1)Centre Médico-chirurgical InterArmées 仏軍統合外科系医療センター(CMCIA)
所在地:ジブチ駐留フランス軍基地内。
電話:代表 21450302,救急受付(24時間対応) 21 450115
概要:基本的にはフランス軍関係者のみの診療で,民間人は初診医の予約・紹介状が必須です。2016年7月1日にフランス軍基地内に開院しました。一般外科,整形外科,一般内科,歯科が設置されています。外来救急部,レントゲン撮影装置,CTスキャン,腹部超音波検査,心電図検査,各種臨床検査機器,手術室,術後回復室等が備わっています。医療スタッフは主にフランス人で,ほとんどの職員は,英語での会話も可能です。
(2)Centre Medical (通称)フランス人クリニック
所在地:ジブチ市内中心部,メネリック広場そばです。同じ建物内の歯科,小児科とともにPole Medicalと呼ばれています。
診療時間:午前8時-12時, 午後16時-19時。金・土曜日休診。
電話:21352724
概要:2名のフランス人医師が診療に従事しており,一般内科,眼科,耳鼻科,泌尿器科,皮膚科などのプライマリー・ケアに対応しています。入院施設はありません。
デジタルX線検査,超音波検査,眼底検査,心電図検査,血液,尿検査などが可能です。
(3)Nicolas Clinic (通称)ギリシャ人クリニック
所在地:ジブチ市内中心部,ラギャルド広場そばです。
診療時間:午前8時-12時, 午後16時-20時。金曜日休診。
電話:21 353859,Fax:21 350014
概要:ギリシャ人の医師が診療しています。夜勤の医師・看護師もおり観察室に数日の経過観察入院も可能です。一般内科,耳鼻科,泌尿器科,皮膚科,整形外科,外科,小手術可能です。看護師数名で,経過観察入院患者がいる場合は24時間交替制です。
酸素ボンベあり。X線,超音波,眼底,心電図検査,血液,尿検査などが可能です。

9 その他の詳細情報入手先

(1)在ジブチ日本国大使館:http://www.dj.emb-japan.go.jp/j/別ウィンドウで開く

(2)WHO世界保健機構:http://www.who.int/countries/dji/en/別ウィンドウで開く

(3)厚生労働省検疫所 感染症情報:http://www.forth.go.jp/別ウィンドウで開く

(4)国立感染症研究所 疾患別情報:http://idsc.nih.go.jp/disease.html別ウィンドウで開く

(5)ジブチ保健省:http://www.facebook.com/pages/Ministere-de-la-Sant%C3%A9-de-Djibouti/302621533110121別ウィンドウで開く

(6)CDC Travelers' Healthhttp://wwwnc.cdc.gov/travel/destinations/djibouti.aspx#vaccines別ウィンドウで開く

(7)CIA The World Factbookhttps://www.cia.gov/library/publications/the-world-factbook/geos/dj.html別ウィンドウで開く

10 現地語・一口メモ

 「世界の医療事情」冒頭ページの一口メモ(もしもの時の医療フランス語)を参照ください。


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