報道発表
コートジボワールの防災能力強化及び平和と安全のための無償資金協力に関する書簡の交換
1 5月17日(現地時間同日),コートジボワール共和国のアビジャン市において,我が方川村裕駐コートジボワール大使と先方ババカール・シセ国連開発計画(UNDP)コートジボワール事務所代表(Mr. Babacar Cissé, UNDP Resident Representative in Côte d'Ivoire)との間で,供与額を3億8,400万円とする無償資金協力「市民保護の向上のための防災能力強化計画(UNDP連携)」に関する書簡の交換が行われました。
2 コートジボワールでは,乾期の森林火災を一因とした森林破壊や気候変動に伴う洪水災害による被害が深刻化しています。しかし,同国の災害時救急体制は国内全30州のうち5州にのみ設置された国家消防隊のみであり,その他の地域において発生した災害については,十分な措置がとられてきませんでした。かかる状況の下,同国政府は,市民保護局(ONPC)を中心として災害に対処するため,消防等災害緊急支援センター(CSU)を全州に設置することを決定しました。
3 また,コートジボワール政府は,2011年の国内紛争終了後から武装解除・動員解除・社会復帰(DDR)プロセスによる平和構築を推進しており,旧反政府軍の戦闘員(旧戦闘員)の社会復帰の取組みとして,ONPCにおいて,旧戦闘員を防災活動等に従事する市民消防士として再雇用する措置を取っています。CSUでは既に多くの旧戦闘員を社会復帰の名目で採用し,各地域のCSUに配置していますが,防災活動に用いる機材が不足しており,日頃の訓練が十分に行われていない状況です。
4 今回の協力は,5か所のCSUに対し,能力向上支援及び施設の整備等を行うことにより,DDRの推進及び防災対策の強化を図り,もってコートジボワールの安全で安定した社会の回復に寄与するものです。これにより,市民消防士の能力向上,CSUの組織能力強化,社会的弱者である女性及び若者を含む対象地域市民の防災意識向上に貢献します。
5 我が国は第6回アフリカ開発会議(TICAD VI)において,アフリカの平和と安定の実現に向けた基礎作りに貢献すること,4,000人の人材育成を含む約18億ドル(約1,870億円)の気候変動・自然災害対策支援を実施することを表明(PDF)しており,この協力は同表明を具体化するものです。
[参考]コートジボワール共和国基礎データ
コートジボワール共和国の面積は約32.2万平方キロメートル(日本の0.9倍),人口は2,367万人(2016年,世界銀行),人口1人当たりの国民総所得(GNI)は1,520米ドル(2016年,世界銀行)。