報道発表

シエラレオネ共和国に対する無償資金協力(フリータウン電力供給システム緊急改善計画(第1期))に関する書簡の交換について

平成19年8月1日

1. 我が国政府は、シエラレオネ共和国政府に対し、「フリータウン電力供給システム緊急改善計画(第1期)」(the project for Urgent Improvement of Electric Power Supply System in Freetown)の実施に資することを目的として、5億7,000万円を限度額とする無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、8月1日(水曜日)(現地時間、同日)、シエラレオネ共和国の首都フリータウンにおいて、我が方浜田昌良外務大臣政務官と先方モハメッド・ラミン・カマラ外務・国際協力大臣代行(Dr. Mohamed Lamin Kamara, Acting Minister of Foreign Affairs and International Cooperation)との間で行われた。

2. 本計画の概要は次のとおりである。

(1)本計画の内容

 シエラレオネ共和国の首都フリータウン市及び周辺地域に安定した電力供給を行うため、リージェント配電用変電所(33kV)の建設、ウイルバーフォース変電所からリージェント変電所間の33kV配電線の延線、キングトム発電所とコンゴクロス変電所間及びコンゴクロス変電所とウイルバーフォース変電所間の11kV配電線の敷設等を行う。

(2)本計画の必要性

・シエラレオネ共和国は、1991年より2002年の内戦終結宣言に至るまで断続的に続いた戦争により、鉱物・農産物の荒廃や経済の破綻を招き、国民の大部分は難民及び国内避難民となった。電力供給設備も壊滅的な打撃を受け、首都フリータウン及び周辺地域へ電力供給を行っているキングトム発電所の設備は老朽化と頻発する故障により、現在運転可能な電力設備は7台のうち2台のみであり、発電可能容量は僅か約7MW程度、また、配電設備の損傷、老朽化等により配電損失が約40%以上となっている。

・このような電力事情は、フリータウン市及び周辺地域の電力需要を賄うには発電容量及び配電容量とも極めて脆弱な状態であり、計画停電の日常化と一般家庭ではほとんど電力供給を受けられない状態(1週間に1日、数時間程度の電力供給)が続いている。

・同国では2003年に策定した国家長期計画「VISION 2025」において、「国民の団結」、「進歩的な国家」及び「魅力的な国家」の3つのビジョンを策定し、エネルギー分野においては「シエラレオネ電力公社(NPA)の電力供給設備・系統の維持管理及び修復」を定めて同ビジョン達成を目指している。同計画に基づき、シエラレオネ政府はフリータウンの首都機能の維持及び周辺地域に対して安定した電力供給を行うために必要な施設整備及び増強について、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。

(3)本計画の効果

  本計画(第1期)の実施により、フリータウン市リージェント地域の未電化地区及び住宅の電化が可能(1世帯当たりの需要を500Wとすると、約3,200世帯が電力の供給を受けることができる)となり、また、配電網改修により電力の品質が向上(配電損失が40%から30%に、電圧降下が20%から10%に改善)するため、フリータウン市に安定した電力が供給される。

 (参考)

  シエラレオネ共和国は、大西洋に面するアフリカ西部に位置し、面積約7.17万平方キロメートル、人口約570万人(2006年)、1人あたりのGNI(国民総所得)約220米ドル(2005年)である。

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