報道発表

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)を通じたパレスチナ難民に対する無償資金協力(食糧援助)に関する書簡の交換

平成22年8月31日
  1. 本31日(火曜日)(現地時間同日),ヨルダン・ハシェミット王国の首都アンマンにおいて,我が方武正公一外務副大臣と先方フィリッポ・グランディUNRWA事務局長(Mr. Filippo Grandi, Commissioner-General, United Nations Relief and Works Agency for Palestine Refugees in the Near East) との間で,パレスチナ難民に対する「食糧援助」として6億円の無償資金協力をUNRWAを通じ行うこととし,このための書簡の交換が行われました。
  2. パレスチナ難民問題は未だに解決の目途も立たない中,同難民の生活は依然厳しく,特に,一昨年から続く食糧価格の高騰やイスラエル政府によるパレスチナ自治区への人や物資の移動搬入制限等が大きく影響し,生活困窮のために食糧援助に頼らざるをえない難民の貧困層は一層厳しい状況に陥っています。
  3. 今回の食糧援助により,パレスチナ自治区,レバノン,シリア及びヨルダンに滞留するパレスチナ難民のうち約27万人の貧困者層(特にガザ地区)に対して12ヶ月分の主食(小麦粉,豆類)を提供することが可能となり,パレスチナ難民の置かれた深刻な人道状況の緩和に繋がることが期待されます。

(参考)

  1. 「パレスチナ難民」とは,少なくとも1946年6月から1948年5月までパレスチナ地域(現在のイスラエル領域を含む)に在住していた者のうち,1948年の第一次中東戦争(アラブ・イスラエル間)の結果,家屋及び生計の手段を失って近隣国に逃れた人々(約75万人)とその子孫を指します。なお,パレスチナ難民の帰還又は補償を巡る問題は,現在イスラエル・パレスチナ間の交渉で扱われることになっていますが,同難民発生後60年以上を経た今もなお解決の見通しは立っていません。
  2. こうしたパレスチナ難民を救済するために1949年12月の国連総会決議によって設立されたUNRWAは,現在,その活動地域(ヨルダン川西岸地区,ガザ地区,ヨルダン,シリア,レバノン)に滞留する約470万人のパレスチナ難民に対して幅広い人道支援を実施しています。
  3. UNRWAを通じたパレスチナ難民に対する食糧援助については,我が国は1967年に初めて実施し,1970年以降はほぼ毎年実施しています。
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