談話

ミンダナオ和平に関する交渉の終結について(外務大臣談話)

平成26年1月26日

英語版 (English)

1 我が国は,今般,フィリピン政府とモロ・イスラム解放戦線(MILF: Moro Islamic Liberation Front)が,マレーシアのクアラルンプールにおいて,ミンダナオ和平に関する包括和平合意(Comprehensive Agreement on the Bangsamoro)の交渉を成功裡に終結したことを心から歓迎します。

2 我が国は,ミンダナオ和平が地域の平和と安定に寄与するとの確信の下,長年にわたり和平プロセス支援を継続してきています。我が国のこれまでの支援が,和平の進展に寄与したことは,誠に喜ばしい限りです。

3 我が国は,フィリピン政府及びMILF並びに仲介役のマレーシア政府の努力に対し敬意を表するとともに,関係者が努力を継続し,基本法の制定や暫定移行機関の設置など,バンサモロ政府発足に向けた移行プロセスが着実に進むことを強く期待します。

4 我が国は,安倍総理が昨年7月のフィリピン訪問の際に表明したとおり,ミンダナオのコミュニティ開発,移行プロセスにおける人材育成,持続的発展のための経済開発支援等を通じ,和平プロセスへの支援を強化していきます。

【参考】ミンダナオ和平について

(1)フィリピン政府とモロ・イスラム解放戦線(MILF)との和平交渉は,2001年にマレーシアを仲介役として開始。2003年に停戦合意に至り,2004年からマレーシアを団長とする国際監視団(IMT: International Monitoring Team)が活動を開始。これにより和平合意に向けた交渉は進展したものの,2008年8月に最大の懸案である土地問題の解決をめぐる国内調整に失敗し,武力衝突が再燃。その後,2009年12月の国際コンタクト・グループ(ICG: International Contact Group)結成を契機として,2010年2月に和平交渉が再開。2010年6月に発足したアキノ政権下でも和平交渉は継続され,2012年10月に「バンサモロ枠組み合意」に署名。その後,附属書4件(移行プロセス,権限分担,資源分,正常化)の交渉を開始し,今般,最後の「正常化」附属書に合意・署名し,和平交渉は終結した。近く「バンサモロ包括合意」に署名予定。

(2)今後,和平プロセスは「バンサモロ政府(Bangsamoro Government)」(自治政府)の創設に向けた移行プロセスに入る。具体的には,今次合意を基礎とするバンサモロ基本法(Bangsamoro Basic Law)の制定、管轄領域を画定するための住民投票の実施,ムスリム・ミンダナオ自治地域(ARMM: Autonomous Region in Muslim Mindanao)の廃止と暫定移行機関(BTA: Bangsamoro Transition Authority)の設置を経て,2016年の自治政府発足を目指す。

(3)我が国は,(ア)IMTの社会経済開発部門への開発専門家派遣,(イ)元紛争地域に対する人間の安全保障・草の根無償資金協力など経済協力プロジェクトの集中的実施(J-BIRD: Japan-Bangsamoro Initiatives for Reconstruction and Development),(ウ)和平交渉にオブザーバー参加をして助言を行う国際コンタクト・グループ(ICG)への参加等を通じ,ミンダナオ和平プロセスの進展及びミンダナオ地域の復興・開発に貢献。また、2011年8月4日には,アキノ大統領及びムラドMILF議長が訪日し,東京近郊でミンダナオ和平問題の解決に向けた非公式会談が行われた。

(4)安倍総理は2013年7月のフィリピン公式訪問の際,「対フィリピン外交の4つのイニシアティブ」を発表,その一つに「ミンダナオ和平プロセス支援の強化」を掲げ、(ア)ミンダナオのコミュニティ開発(学校,診療所,井戸,訓練施設等の建設),(イ)移行プロセスにおける人材育成,(ウ)持続的発展のための経済開発(農業,鉱工業,大規模インフラ整備等を見据えた協力)の3分野での支援継続・強化を表明した。


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