記者会見

岸田外務大臣会見記録

(平成28年6月17日(金曜日)8時48分 於:本省会見室)

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冒頭発言

日露平和条約締結交渉の開催

【岸田外務大臣】6月22日,東京において,日露平和条約締結交渉の次回会合を開催いたします。日本側からは原田政府代表が,ロシア側からはモルグロフ露外務次官がそれぞれ代表を務めます。
 北方領土問題については,4月の私(大臣)とラヴロフ露外相との会談において,今後の交渉に弾みを与えるような前向きな議論を行いました。その結果を踏まえ,先月行われました日露首脳会談では,双方に受入れ可能な解決策の作成に向け,今までの発想にとらわれない「新しいアプローチ」で交渉を精力的に進めていくことで両首脳が一致いたしました。今回の交渉では,このような首脳・外相間のやり取りを踏まえ,前向きかつ充実した議論が行われることを期待しております。

舛添都知事関連

【フリー 上出氏】ちょっと,直接外務省マターではないのですが,舛添都知事の辞職に関連して質問させていただきます。今回,舛添知事は辞職に当たってですね,一つ保留をいたしました。その理由がですね,今の時期辞めると,都知事選挙がリオと東京と両方のオリンピックに重なってしまって,これは日本の国益を害するというような判断を示されております。そこで2件,簡単に質問いたしますが,現実にそういった舛添問題が国際的に何か悪影響を与えていると,今現在ですね,そういうようなご認識がおありかというのが一点,もう一つ,そもそも2014年の都知事選挙では,政府与党,自民,公明が安倍首相を始め,舛添さんしかいないということで強く押されております。その責任について一点批判がございます。更に,今回辞職したことで幕引きをしてしまったと,この問題について無しというようなことについても,参議院選の関係でそういうふうにやっているんじゃないかというような批判があります。この辺についての大臣のご所見をお伺いしたいと思います。

【岸田外務大臣】まず,今回の舛添都知事の辞任につきましては,国際的にも様々なメディアで取り上げられ,報じられているとは承知をしております。影響についてということですが,私(大臣)として確たることを申し上げる材料はありませんが,いずれにしましても,今回の件につきましては,都民の皆様方の様々な意思,こういったものをしっかり踏まえた上で,舛添都知事ご自身が適切に判断された結果であると認識をしております。
 そして前回の都知事選挙における支援等の責任についてのご質問がありましたが,前回の選挙の支援の有り様については,様々な方々の話を聞きますと,まず前回の選挙,舛添都知事の応援は,自民,公明それぞれ東京都連ベースで行われたと承知をしています。またそれ以外にも,連合も推薦された,こういった体制であったと聞いております。自民,公明それぞれの都連が推薦し,連合も推薦した,こうした選挙であったと聞いておりますが,いずれにしましても関係者は今回の様々な出来事,そして都民の皆様方の様々な意見,こういったものをしっかり踏まえた上で,今後都民の皆さんが望まれる方向をしっかりと見据えた上で,選択をしていくものであると認識をいたします。

中国海軍艦艇による北大東島接続水域内の航行

【テレビ東京 鵜飼記者】昨日,中国の海軍軍艦,情報収集艦がですね,北大東島付近の接続水域を航行して,防衛省に取材しますと,まだ自衛隊,インド軍,アメリカ軍の艦船を引き続き追尾しているようなことも,昨日の時点では聞いているのですけれども,これについて今日のNSCも含めて,政府としての対応をまず教えていただけますか。

【岸田外務大臣】今回の一連の中国海軍の動きにつきましては,先般,中国海軍の艦艇が尖閣諸島接続水域に初めて入域をし,そして15日,中国海軍情報収集艦が口永良部島及び屋久島周辺の我が国領海を航行し,そして今回,同一の情報収集艦が北大東島接続水域を航行した,こうしたことに鑑みて,一方的に我が国周辺海域での行動を中国軍がエスカレートさせている,こうしたことに対して懸念を中国側に申し入れました。昨日19時頃,外務省アジア大洋州局長から在京中国大使館次席に対して懸念を申し入れた次第です。
 そして我が国の対応ですが,政府としてはいたずらに事態をエスカレートさせることがないよう冷静な対応を継続しつつ,我が国の領土,領海,領空は断固として守り抜く,こうしたことのために引き続き万全を期していきたいと考えます。

【テレビ東京 鵜飼記者】おとといもですね,口永良部を通行した直後に,局長から懸念を伝えていた,その翌日に更にこういうことが起こったわけですけれども,今後外務省として,例えば尖閣諸島に近づいたときには,次官から程永華(てい・えいか)大使に直接抗議をしているわけですけれども,今後,この連続をしているということも踏まえて,抗議のレベルを上げていくお考え,もしくは大臣が直接,抗議なり懸念を伝えるお考えというのはありますでしょうか。

【岸田外務大臣】まず,今回の一連の動きに対しての対応は,今申し上げたとおりです。そして今後につきましても,引き続き注視しておりますし,我が国の領土,領海,領空は,断固として守り抜くため,万全を期していきたいと考えています。具体的に何かレベルを上げるとか,ということについてどうかというご質問がありましたが,今申し上げた方針で,しっかりと状況を注視した上で,適切に対応していきたいと考えます。

【朝日新聞 安倍記者】関連して伺います。やはり今まで中国には再三,抗議や懸念を伝えてきたにもかかわらず,中国側の動きは止まっていないということについて,中国側の意図についてどのように分析しているのかということと,あと,やはりこれだけ抗議,懸念を聞き入れていないというような状況の中で,中国側に無視されているというようなご認識はお持ちでしょうか。

【岸田外務大臣】様々な情報収集・分析については,しっかりと努めております。ただ,こうした場で中国の確たる意図を申し上げることは控えなければならないと思っています。いずれにせよ政府としては,いたずらに事態をエスカレートさせることがないよう冷静な対応を継続していきたいと考えます。状況をしっかりと注視していきたいと考えます。

在沖縄米軍事件関連

【テレビ東京 鵜飼記者】別件なんですけれど,うるま市,沖縄県のうるま市で起きた事件についてなんですけれど,在日米軍,先ほど出していた,米軍に対して出していた禁酒命令を一部緩和したわけですけれども,今週末には抗議集会もあり,また再発防止策もいまだ見えてこない中で,まずは出していた,暫定的に出していた禁酒命令を緩和するということについての受け止めをお願いいたします。

【岸田外務大臣】まず米側においても今回の事件を深刻に受け止め,そして再発防止,綱紀粛正に向けてしっかりと取り組んでいかなければならない,こういったことについてはしっかり認識をしていると考えます。その中にあってどう対応していくかということでありますが,まずは日米両国としましては,先般の防衛相会合において一致しました軍属を含む日米地位協定上の地位を有する米国人の扱いの見直しなど,一致した3点につきまして今協議を行っているわけですが,できるだけ早く,スピード感を持って協議を進めていくべきであると考えています。

【テレビ東京 鵜飼記者】私がお伺いしたかったのは,それに先んじて米軍が先に禁酒令を緩和したことについて,どうお考えなのかということなんですけれども。

【岸田外務大臣】米側として再発防止,綱紀粛正についてどう対応するべきなのか,具体的な対応としてどのような対応が適切であるのか,これは真剣に考えた上で対応していかれるものだと認識をしています。是非,今後ともそうした考えに基づいて,しっかりと対応していただきたいと考えています。

中国海軍艦艇による北大東島接続水域内の航行

【産経新聞 田北記者】中国の軍艦の接続水域への侵入についてなんですけれども,中国の南シナ海とかのやり方を見てでもですね,こういうふうに既成事実を積み重ねて,それで自分たちのものだというような,さっきも言いました既成事実というか,それを確立するような手法を取っているわけですけど,今回についてもそういうものにつながっていくという認識は大臣の方にはあるでしょうか。また昨日,15日の時もそうでしたけど,今回,中国の情報収集艦ということで,これが通過していることで,無害通航ではないというケースに当てはまる場合もあると思うんですけれども,そこんところの認識はどうでしょうか。

【岸田外務大臣】まず,我が国としましては,言うまでもなく,領土,領海,領空は断固として守りぬくため万全を期していきたいと考えております。今後ともしっかりと対応してまいります。また国際法上の評価については,引き続き分析中であります。現時点では確定的に評価を行うことは差し控えたいと思います。しっかり分析をしていきたい,このように考えます。

【産経新聞 田北記者】既成事実の積み重ねというところに関する大臣の認識はいかがですか。

【岸田外務大臣】しっかりと領土,領海,領空を守るため万全を期してまいります。

在沖縄米軍事件関連

【日本テレビ 鳥羽記者】沖縄の米軍に関することなんですが,明後日,県民大会の方でこれまでの基地縮小から踏み込んで,在沖縄のアメリカ海兵隊の撤退にまで踏み込むことが予測されています。見込まれていますけれども,そうした日米地位協定の見直し,運用の見直しも含めて大臣としてはそうした沖縄県民の主張に対してどのようにお考えですか。

【岸田外務大臣】沖縄県民の皆さま方の思いには,しっかり寄り添わなければならないと思います。その中で様々な意見があります。そういった意見もしっかり踏まえた上で,政府としてどう対応するかを冷静に,真剣に考えていかなければならないと思います。こうした沖縄県民の皆さま方の声もしっかり踏まえさせていただき,引き続きアメリカとの間の協議,再発防止,綱紀粛正に向けての努力を続けていきたい,このように考えます。

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