記者会見
岸田外務大臣会見記録

(平成27年7月7日(火曜日)9時37分 於:本省会見室)

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日朝関係

【TBS 深井記者】日朝なのですけれども,この間,日本側から遺憾の意を伝えられたかと思うのですが,それに対して向こうからリアクションがあったのかどうかということと,それから日朝の表の政府間協議の開催の必要性についてはどのようにお考えになっているかという点について,お願いします。

【岸田外務大臣】まず,最初の北朝鮮側からの反応ですが,現時点では北朝鮮側からの反応はございません。いずれにせよ,政府としては北朝鮮からの具体的な動きを早急に引き出すべく,働きかけを強化していきたいと考えています。
 そして,具体的な協議の必要性,予定についてでありますが,現時点において,そうした具体的な検討が行われているということはございません。引き続き,働きかけを行っていきたいと思いますし,北朝鮮側から前向きな,具体的な動きを引き出すべく,何が最も効果的なのか,こういった観点から検討を行っていきたいと考えています。

【TBS 深井記者】関連なのですけれども,去年9月に大体1年をめどとするという話,ことしの7月ごろという話でしたが,去年の9月に連絡が日本に日朝の協議の中で出たと思うのですけれども,9月のタイミングとかをまた新たな報告の時期としてお考えになるということはありますか。

【岸田外務大臣】ご指摘のように,去年9月,北朝鮮側から全体として1年程度の調査期間を考えている,こういった趣旨の発言があったと記憶をしていますが,ただ,具体的な期限等について,日朝間で何か確定したものがあるとは承知はしておりません。
 こうした発言等も参考にしながら,できるだけ早く正直に調査結果を通報するべく働きかけていかなければならないと考えます。

藤﨑駐米大使(当時)とクリントン米国務長官(当時)との会談

【フリーランス 上出記者】ちょっと古い話,5年ぐらい前の話になってしまうのですが,民主党時代のことなのですが,ヒラリー・クリントンさん,2009年のときに国務長官をやっておりまして,そのときに個人のメールアドレスで公務のやりとりをしていたということで,共和党から問題になりまして,最近,それが少しずつ公開されています。
 2009年12月に,鳩山内閣のときですが,いわゆる普天間基地を海外に移転する可能性についても言及して,大きな問題になりました。そのときに,当時の日本の駐米大使がヒラリー・クリントンさんから呼び出されて,大雪の日なのですが,ほとんど交通機関もストップしたときに呼び出されて,そういった発言は遺憾であるというようなことを言われたということを大きく各紙が12月23日付で報道しているのです。
 ところが,実際には呼び出されたのではなくて,キャンベルさんという国務次官補とやりとりを事前にして,秘書を通じてクリントンさんが,大使から会ってもらえるかという要請があるけれどもそれがいいかどうかということで,オーケーというサインをして,実際には大使が働きかけて実現したことが,クリントンさんから呼び出されてやったというので大きく報道されたのです。
 どうも事実関係が違うようで,これはアメリカのほうでも実際には大使が立ち寄ったのだ,呼び出したのではないということを言ってはいるのですが,そのことはほとんど報道されていないのです。
 これは大変,当時大きな問題になりましたね。最低でも県外ということが本当は違っていたという鳩山さんの問題があったので。大きな問題なので,事実関係を今更ながらなのですが,民主党時代ではありますが,外務省の名誉もございますでしょうし,これをお調べになることは可能かどうか,そういうつもりはあるか。もし,ご認識されていたら,ご所見などを聞かせていただければと思います。

【岸田外務大臣】まず,ご指摘のような文書が公表されたという報道については承知をしております。しかし,今おっしゃったようにこれは民主党政権時代のことであります。私(大臣)自身はその当時のことを十分承知はしていないというのが事実であります。
 何か調べるつもりがあるのかというご質問をいただきましたが,米国政府の内部のやりとりにもかかわる話であり,こうしたことについて我が国としてコメントすることは控えなければならないのではないかと考えます。改めてそれについてコメントすることは控えたいと思います。

日韓関係

【読売新聞 仲川記者】今後の日韓関係についてお伺いしたいのですけれども,外相会談のときに前向きな雰囲気を出すことができた。その翌日に日韓両首脳がそれぞれの国で行われました,東京とソウルで行われました50周年の記念行事に出席された。雰囲気づくりも進んでいたのですけれども,世界遺産の関係では最後,結果はよかったのですけれども,ごたごたするようなこともあった。今後,日韓関係を改善の必要性というのはあると思うのですけれども,大臣としてどのように進めていきたいか,お考えをお聞かせください。

【岸田外務大臣】まず,今回の世界遺産の登録の件についてですが,先般の日韓外相会談において,両国の推薦案件であります明治日本の産業革命遺産,そして百済の歴史地区,両案件がともに登録されるよう協力をしていくといった点で一致をしたわけです。そして,今回,ドイツのボンにおける審議に当たりまして,こうした両国間の合意を実現するべく調整を行いました。相手のあることでもあり,そして日韓以外にも19の理事国がかかわる話でもあります。この登録が確実なものとなるよう丁寧に作業を行いました。そして,結果として両国の推薦案件は世界遺産として登録される,これが実現をいたしました。
 是非,今後とも日本と韓国,大切な隣国関係にある2つの国であり,今年は日韓国交正常化50周年という節目の年でもあります。両国関係が未来志向で発展していくために,是非,努力を続けていきたいと存じます。この国交正常化50周年という節目の年が,意義ある年になるよう努力を続けていきたいと考えております。

平和安全法制:世論調査の結果

【フリーランス 上出記者】この2,3日,世論調査が出ています。平和安全保障の法案に対して反対するという声が過半数を上回ったり,だんだん増えてきておりますが,この辺,丁寧に説明ということになっていますが,大臣としてはどのように受けとめておりますでしょうか。

【岸田外務大臣】まず平和安全法制ですが,我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中にあって,国民の命,そして平和な暮らしを守り抜くためのものであると認識しております。
 様々な議論があることは承知をしていますが,政治の立場からも国民の命と平和な暮らしを守るために最善を尽くす。これは大変大きな使命である,役割であると認識をしておりますし,是非,国民の皆様方にも真摯かつ丁寧な説明を続け,理解を得ていきたいと考えております。

世界遺産申請案件「明治日本の産業革命遺産」(旧民間人徴用工について)

【NHK 小嶋記者】世界遺産の件なのですけれども,韓国側のメディアの中で今回の強制労働というような受け止め方をしているところもあるのですけれど,確認なのですけれども,これは日韓両政府間で「forced to work」ということは確認できていると,これは英語で確認しているのだと思うのですけれど,そのあたりもう一度ご説明お願いいたします。

【岸田外務大臣】まず,ご指摘の「forced to work」という部分ですが,これは当時国民徴用令に基づく徴用が行われたことを記述したものであって,これは何ら新しい内容を含むものではないと認識をしております。
 今回の発言は我が国として,強制労働があったと認めるものではなく,これまでの日本政府の認識を述べたものであります。この1965年の韓国との国交正常化の際に締結された日韓請求権,経済協力協定によって,いわゆる朝鮮半島出身の徴用者を含め日韓間の財産請求権の問題は完全かつ最終的に解決済みである,こういった立場に変わりはありません。
 そして韓国政府との外交上のやり取りを通じて,韓国政府は今回の我が国代表の発言を日韓間の請求権の文脈において利用する意図はないと理解をしており,その旨ハイレベルで確認をしております。

【産経新聞 楠城記者】今大臣は日韓間の請求権の文脈で利用する意図はないということを確認されたということですが,裏を返せば,今後,徴用工の問題で,請求権をからめて韓国政府の方が利用しないという言質を取ったというふうに解釈はできないのか,ハイレベルの交渉内容はわからないので,大臣のお考えを,その点について,お聞かせ下さい。

【岸田外務大臣】いずれにしろ,具体的なやり取りについては,外交上のやり取りですので,これは控えなければなりません。我が国の立場,日韓間の財産請求権の問題は,完全かつ最終的に解決済みであるという立場,これは全く変わってはおりませんし,先ほど申し上げたような外交上のやり取りも今回行ったということであります。それぞれ詳細につきましてはこの場では控えたいと存じます。

ギリシャの国民投票結果

【NHK 栗原記者】質問が変わるのですけれども,ギリシャについてなのですが,ギリシャでEUの財政緊縮策の受入を巡る国民投票が行われまして,これが否決されました。新たな提案をギリシャ側からするという発言もあるのですけれど,欧米ほどではないにしても日本にも少なからず影響はある問題だと思います。この受け止めと日本政府の対応についてお伺いできますでしょうか。

【岸田外務大臣】国民投票の結果については当然承知をしております。そしてユーロ圏諸国は国民投票の結果が出た後のギリシャ政府の対応を待っており,責任ある対応を求めている,このように承知をしております。
 そして,日本とギリシャの間においては直接の経済,金融上の関係は限定的でありますが,ギリシャ問題への対応に遺漏がなきよう,既に政府・日銀の関係当局間で協議を行ったと承知をしております。
 政府・日銀が緊密に連携し万全の体制で臨むように指示が出されたと聞いております。いずれにしましても世界経済の安定的な成長のためにもユーロ圏やEUの経済の安定は重要であると認識をしております。

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