記者会見

岸田外務大臣会見記録

(平成27年6月22日(月曜日)10時22分 於:官邸エントランスホール)

日韓外相会談

【日本テレビ 鳥羽記者】昨日,外相会談を終えまして,改めてその成果と評価をどのように受け止めていらっしゃるかお願いします。

【岸田外務大臣】昨日は外相会談,尹炳世(ユン・ビョンセ)長官として初めての訪日の上での会談となりました。会談,夕食会を合わせますと,3時間以上にわたりまして率直な意見交換を行うことができました。
 そして,その上で,引き続き,意思疎通を図ることの大切さを確認し,外相間においても定期的に外相会談を行う,あるいは相互訪問を行う,こうしたことを確認し,そして先方から今年中に私自身の訪韓について招請があり,是非,検討していこうということでも一致をしました。
 さらには,懸案でありました世界遺産の登録の問題につきましても,成果を上げることができた,こうした会合でありました。
   このように,日韓の関係改善に向けて,一定の成果を上げることができたと受け止めていますが,引き続き両国の間には様々な課題があります。こうした課題がありますが,様々な分野,レベルを通じまして,しっかりと対話を重ね意思疎通を図ることによって両国関係を前進していきたいと考えております。

【日本テレビ 鳥羽記者】今日で国交正常化50年です。今日という日を外相として迎えるにあたってのお気持ちをお願いします。

【岸田外務大臣】50年前,日本と韓国の間の人の行き来は年間1万人程度でした。今や年間550万人を数える多くの方々が両国の間を行き来する,こういった時代を迎えることになりました。
 こうした両国関係の進展・発展につきましては,率直にお祝いをしたいと思っています。今日の状況を迎える前に多くの先人の皆様方が努力をされてこられました。こうした先人のご努力には敬意を表し申し上げながら,昨日の外相会談につきましても率直な意見交換ができましたし,これからも様々な対話,意思疎通を積み重ねることによって,両国関係を一層発展させていきたいと考えております。
 こうした節目の年,節目の日を迎えるに当たって,改めて両国関係の重要性を感じ,引き続き,努力をしていかなければならない,さらなる信頼関係構築に努めていきたい,こういった思いを強くしております。

【テレビ朝日 藤川記者】昨日の会談で一定の成果があったということなのですけれど,その一方で,日韓の首脳会談について早期の開催に向けて努力するということについては一致しておりますけれど,具体的な時期について何も示されていないようですけれど,そういった状況についてはどのようにお考えになっておられるでしょうか。

【岸田外務大臣】先ほど申し上げましたように,引き続き,両国の間においては難しい問題が存在いたします。だからこそ,様々な分野,様々なレベルの会話が重要であると考えています。そして,その中にあって両国の首脳会談,これは最も大切な両国の間の対話であると考えています。
 是非,こうした様々な対話を積み重ねることによって首脳会談を実現したいと思っています。
 おっしゃるように具体的な日にちはまだ決まってはおりませんが,そうした大切な首脳会談実現に向けて努力をしていこうということについて両国の間で一致を見ることが出来たと思っています。是非,引き続き努力をしたいと考えています。

【読売新聞 仲川記者】昨日の日韓外相会談の関係なのですが,朴槿恵(パク・クネ)大統領はこれまで慰安婦問題の解決,日本からの韓国に対する譲歩を首脳会談開催の前提条件としてきたと思のですけれど,現時点で大臣はどのような認識でいらっしゃいますでしょうか。

【岸田外務大臣】韓国側の方針について何か申し上げる立場にはありませんが,我が国としましては,難しい問題があるからこそ,両国の対話が重要であるということを申し上げ続けてきました。昨日も対話の重要性については確認できたと思っております。是非,難しい問題があるからこそ,対話が重要だという思い,韓国側にもしっかり受け止めて頂き,日韓の首脳会談実現につなげていきたいと思っています。

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