記者会見

岸田外務大臣会見記録

(平成27年4月17日(金曜日)8時45分 於:官邸エントランスホール)

北方領土問題等(プーチン大統領の発言)

【フジテレビ 藤田記者】プーチン大統領がテレビ番組に出演して,領土問題,北方領土に関してボールは日本側にあると,その交渉に関しては日本が原因で遅れているというような発言をされているのですが,その受け止めはいかがですか。

【岸田外務大臣】まず平和条約締結交渉について,日本側が止めているというような事実は全くありません。本年2月には日ロ次官級協議を行いました。そして,その際に日本側から,積極的に平和条約締結問題を提起し議論も行いました。
 安倍総理とプーチン大統領は2013年の4月に発せられました共同声明におきまして,平和条約問題の双方に受け入れ可能な解決策を作成する交渉を加速化させる,こうした点について合意をしております。是非ロシア側においても合意に従って真剣に交渉に臨むことを期待いたします。

【フジテレビ 藤田記者】今年の夏,8月か9月に向けて,総理が中央アジアを訪問する時に日ロ首脳会談が行われるかもしれないという一部報道があるのですが,今後日ロ関係にこうしたプーチン大統領の発言が影響を及ぼす可能性はありますでしょうか。

【岸田外務大臣】総理の海外へ出かけられる日程等についてはまだ何も決まっておりません。いずれにせよ2013年4月の共同声明に従ってロシアが平和条約交渉についても真剣に交渉に取り込むことを期待いたします。

AIIB(G7外相会合でのやりとり等)

【フジテレビ 藤田記者】ドイツで行われたG7外相会合でAIIBに関してG7各国と引き続き連携していくことで合意されたと思うのですけれど,今後どういった連携が考えられるのでしょうか。

【岸田外務大臣】G7外相会合においては,東アジアを議論する一環としてAIIBも議論になりました。そして,ガバナンスが重視されなければならない,引き続きG7で連携していこう,こういった点で一致をいたしました。引き続き中国側に対して交渉に参加する,あるいは交渉の外側に位置する,それぞれ立場の違いがあっても,連携しながら働きかけを続けていきたいと思います。

日朝協議

【フジテレビ 藤田記者】北朝鮮側が一方的に日朝協議を中断させるような発言があった後,今月初頭にも,日朝は引き続き接触しているという一部報道もあるのですけれど,その後北朝鮮側から返答というか,なにか反応といったものは来たのでしょうか。

【岸田外務大臣】まず報道について一つ一つコメントすることは控えますが,政府としましても引き続き北朝鮮側に対しまして,特別調査委員会の調査,迅速な調査を行って,速やかに正直に通報を行うよう働きかけていく,こうした方針は,全く変わりはありません。
 そして向こうの反応ですが,先般4月2日の通報に対しまして我が国としては受け入れられないとして抗議したわけですが,それに対しては具体的な反応は来ておりません。

日米韓次官協議

【読売新聞 仲川記者】日付でいうと16日,ワシントンで日米韓次官協議が行われますけれども,アメリカはおそらく同盟国である日本と韓国に仲良くやれよと言うのではないかと思うのですけれども,今後日韓関係の改善に向けて日本政府としてどういうように取り組んでいくのか,お考えをお聞かせください。

【岸田外務大臣】まず日米韓の次官協議については16日行われました。そして詳細はまだ報告は受けていませんが,3カ国においては,去年3月日米韓首脳会談,そして8月には日米韓外相会合を行い,そして今回の次官協議としては初めての協議となります。
 グローバルな課題に関する戦略的な利益を共有するとか,あるいは地域の平和と安定に対して強いコミットメントを有する,こういった点を確認することができた有意義な会合であったということについては聞いております。
 そして合わせて,日韓の間においても意見交換を行ったと聞いております。その詳細は控えますが,今年日韓の間においては,国交正常化50年という節目の年を迎えます。是非大局的な見地から未来指向の二国間関係を発展するべく努力をしていきたいと考えております。

【読売新聞 仲川記者】慰安婦問題について韓国側というのは特段考えを,立場を変えていないと思うんですけれど,日本政府としましてどのように対応されたのでしょうか。

【岸田外務大臣】慰安婦問題をはじめとする歴史に関わる問題について我が国として,これまでも最大限の努力をしてきました。引き続き,粘り強く韓国側と議論して行きたいと思っています。

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