記者会見
川村外務報道官会見記録
(平成27年4月15日(水曜日)16時34分 於:本省会見室)
冒頭発言
(1)平成26年度中央アジアにおける対日世論調査
【川村外務報道官】本日は,私のほうから最初に2件ほど発表をさせていただきたいと思います。最初が,中央アジア地域における対日世論調査の結果であります。
ことしの2月から3月にかけまして,中央アジア4カ国におきまして対日世論調査を初めて実施いたしました。その結果の概要は,配布資料のとおりです。
結論として申しますと,日本に対する好意的な評価を示す調査結果が得られました。
調査の主なポイントについて申し上げます。
最初は,調査対象の85%が日本との関係が良好であると,また,78%が日本に親しみを感じると評価しているということです。
また,アジアや欧米の主要12カ国の中でロシアに次いで,「最も信頼できる国」として日本が選ばれております。
更に,現在の重要なパートナーとして,ロシアの75%,中国の35%,そして日本の23%の順で評価されております。
また,日本と中央アジア各国の連携を強めていくことへの肯定的評価も70%以上という結果になっております。
中央アジア諸国との外交関係樹立から20年以上が経過しまして,日本と中央アジアの間に良好な関係が構築されてきたことがこの結果からうかがえるかと思います。昨年,2014年には中央アジア諸国との対話と協力の枠組みである「中央アジア+日本」が10周年を迎えたということで,この機会に調査が実施され,日本への好意的な評価がこれら4カ国において国民レベルで浸透してきていることが確認できたと思っております。
我が国としては,引き続き,各国との更なる関係強化に向けて外交政策を推進していく考えであります。
(2)原子力損害の補完的な保証に関する条約(CSC)の発効
【川村外務報道官】続きまして,原子力損害の補完的な補償に関する条約の発効についてです。本件につきましても,参考資料をお配りしております。
本15日,原子力損害の補完的な補償に関する条約,略語でCSCと申しますが,
これが発効いたしました。この条約は,越境損害を含む原子力損害の賠償に関する国際ルールを定めるものです。この条約が発効したことは,国際的な原子力損害賠償制度を強化する重要な一歩でありまして,我が国はこれを歓迎します。
我が国は,2011年の福島第一原発事故の経験と教訓を世界と共有しまして,国際的な原子力安全の強化の様々な取り組みを行うとともに,国際的な原子力損害賠償制度の強化に貢献すべく,今年の1月15日にこの条約,CSCを締結いたしました。我が国の締結によりまして,CSCは発効要件を満たしまして,発効に至りました。
発効要件といいますのは,締約国が5カ国以上になって,これら締約国の原子力設備容量が40万メガワットを上回るということをもって発効することになっております。我が国締結前のCSC締約国5カ国の原子力設備容量が約30万メガワットであり,
これに我が国の原子力設備容量が約14万メガワットということで,足して40万メガワットを超えるということとで,これら2つの条件を満たして発効ということになったわけであります。
国際原子力機関(IAEA)の原子力安全行動計画等で累次,その重要性が確認されている国際的な原子力損害賠償制度の強化に向けて,我が国は,近隣諸国を初めとする各国に対して,このCSC条約の締結を呼びかけていきたいと思っております。