記者会見

城内外務副大臣会見記録

(平成27年4月9日(木曜日)17時01分 於:本省会見室)

冒頭発言

(1)外交日程等

【城内外務副大臣】久方ぶりの記者会見でございますが,昨秋以降,解散総選挙がございまして,残念な邦人殺害テロ事件もございました。また,自分の海外出張等もありまして,実は5カ月半ぶりの記者会見ということであります。
 先般,仙台で第3回国連防災会議が開催される等,外交面では様々な出来事がありましたし,今後も,来週はドイツでG7外相会合が開催されますし,ご承知のとおり,月末には安倍総理の米国訪問,そして,5月には太平洋・島サミットがいわき市で開催される。重要な外交行事が目白押しであります。私としても,安倍外交・岸田外交を外務副大臣として引き続きお支えしてまいる所存でございます。

(2)平成27年度版外交青書

【城内外務副大臣】本日は1つ,外交青書が先般,閣議で配布されました。この平成27年版外交青書の中身ですけれども,これは毎年,その前の年の1年間の国際情勢と日本外交について紹介するのがこの外交青書でございます。
 そして,ISILによる邦人殺害テロ事件等,特筆すべき事項については,本来は昨年の12月31日末でありますが,本年初頭分まで記述しているものもあります。
 また,ご承知のとおり,戦後70年の節目の外交青書であることですから,第1章におきまして,国際社会とともに歩み,貢献を積み重ねてきた戦後70年間の日本の平和国家としての歩みを振り返っている部分がこの第1章でございます。
 また,対外発信の強化の一環として,これは平成18年版以来となる英語の全訳版を,同じ厚さのものを作成予定であります。通常ですと,英語のものは要約版で薄いものなのですけれども,これをこれから一生懸命英語に翻訳して,全訳版を作成して,これをもって発信するということでございます。
 以上,私から簡単にご報告させていただきました。何か皆様からご質問等がありましたらお願いします。

AIIB

【朝日新聞 松井記者】AIIBについてお聞きしたいのですが,これは日々刻々と情勢がいろいろ変わってきていて,新しい情報も入ってきてアップデートされているかと思うのですが,現在においての日本が収集している情報で明らかにできる部分,現状認識と,日本の現時点での考え方を改めてご説明をお願いします。

【城内外務副大臣】いくつか,AIIBに対する日本政府の対処方針案なるものとか数字とかが報道されていることは承知しておりますが,一般的にAIIBへの我が国の対応については,政府におきまして様々な検討を行っていることは事実でありますが,報道されている個別の内容について,コメントすることは差し控えたいと思います。
 いずれにしましても,AIIBへの参加については,我が国として慎重な立場であることには変わりはありません。引き続き関係国と連携し,AIIBが国際金融機関にふさわしい基準を満たすよう,中国側に働きかけていきたいと考えております。
 また,AIIBに関する日本の基本的立場についてですが,日本政府は,これまでも明らかにしておりますように,まずは公正なガバナンスを確立できるのかどうか。2つ目は,債務の持続可能性を無視した貸し付けを行うことにより,他の債権者にも損害を与えることにならないか。こういった点を含めて,慎重な検討が必要であるというのが我が国政府の立場であり,いずれにしましても,参加については,現時点では慎重な立場であります。
 中国に対しましては,これまでも累次にわたりこうした,今,申し上げた点につき問題提起をしておりますけれども,明確な説明は得られておりません。繰り返しになりますけれども,政府としては,引き続き関係国と連携しつつ,中国側に対し,働きかけていく考えであります。
 これは大臣も繰り返し述べているラインであります。

【朝日新聞 松井記者】関連で,今,自民党のほうでも有識者の方々を招いて勉強会を今後も定期的に開いて意見を集約していくとのことですが,政府の中でももちろん日々刻々といろいろと議論や検討をしていると思うのですが,具体的に政府として今後6月ぐらいまでに,具体的に何をどのように,例えば日々打ち合わせ等,いろいろやっているとは思うのですが,具体的な検討の方法について,どのような考えを持っているのかをお聞かせください。

【城内外務副大臣】今のご指摘の点についてですが,安倍総理の指示もありまして,自民党内で,今,外交部会等でこのAIIBのあり方について議論が行われていることはそのとおりでありますが,先ほど申しましたように,我が国のAIIBへの対応については,政府において様々な検討を行っている。それは事実でありますが,それ以上について,現時点でコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。
 いずれにしましても,当然メリット,デメリットも含めて,いろいろな角度から日々刻々と,いろいろな情報も入ってきておりますので,それを踏まえて様々な検討を行っているというのが現状であります。

日朝関係

【産経新聞 楠城記者】北朝鮮のことについてお聞きしたいのですけれども,短距離ミサイルですが,今月に入って何発か発射していたりと,いろいろと情勢も変わってきているような雰囲気もありますが,先週には北朝鮮のほうから日朝協議の中断を示唆するような通告もあり,それに抗議をしたと思います。その後の政府の対応についてお聞かせください。

【城内外務副大臣】北朝鮮問題についてでございますが,これについて,済みません,現在手元に資料がございませんので,後ほど確認した上でお答えさせていただきたいと思いますが,いずれにしましても,そういった北朝鮮側からの通告については承知しておりますけれども,具体的なことについては,この場で申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。

日中関係

【朝日新聞 松井記者】日中関係についてお聞きしたいのですが,先ほど全人代の副委員長の方,吉炳軒(きつ・へいけん)さんが衆院のほうとの会合を始められまして,明日もされるそうですが,日中関係は最近,要人の往来が双方かなり活発化してきていますが,現状をどう捉えていて,今後どのように更に改善を進めていきたいのか,お考えをお聞かせください。

【城内外務副大臣】中国との関係は,東シナ海をめぐる関係等ありますが,今後とも様々なレベルで,日中関係の改善に向けて日本政府としても粘り強く対応していく考えであります。

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