記者会見

岸田外務大臣会見記録

(平成27年4月7日(火曜日)8時05分 於:官邸エントランスホール)

冒頭発言-平成27年版外交青書の閣議配布

【岸田外務大臣】本日,平成27年版外交青書の要旨を閣議で配布いたしました。
 今回は第1章で,戦後70年の日本の平和国家としての歩みを概観しています。
 また,本年初めのシリアにおける邦人殺害テロ事件,そして同事件を受けた在外邦人の安全確保や,国際社会におけるテロ対策への協力についても記述しています。

平成27年版外交青書の閣議配布

【テレビ朝日 藤川記者】今お話がありました外交青書についてなんですが,1章に,戦後の平和国家としての歩みを書いたということなんですが,その点についての狙いを教えていただけますか。

【岸田外務大臣】今回,戦後70年の歩みを1章に記載した訳ですが,戦後50年,戦後60年の際にも,その関連する年の外交青書に記述があります。今回70年と言うことで,平和国家としての歩みを振り返って,こうした記述を盛り込んだ次第です。

【テレビ朝日 藤川記者】この外交青書の表現の中に二国間関係,日韓関係について記述された部分で,以前外務省のホームページの中から,基本的な価値を共有するという表現が削除された事がありましたが,今回の外交青書の中での日韓関係の記述の中についても同じような変更が加えられたと聞いておりますが。

【岸田外務大臣】外交青書の改訂につきましては,毎年,定期的に改訂しています。そして,外交青書を毎年,定期的に改訂する中で,施政方針演説等に合わせる形で,改訂を行い,ご指摘のような内容になっています。定期的な改訂の中での対応ではありますが,いずれにしましても,我が国にとりまして,韓国は最も大切な隣国であり,今後とも大局的な観点から,重層的で未来志向の二国間関係を構築していきたいと考えていますし,こうした関係,発展に向けて今後も粘り強く取り組んでいきたいと思います。

日韓安保対話

【テレビ朝日 藤川記者】日韓関係の関連で日韓の安保対話なんですが,外相会談で早期の再開を合意されていると思いますが,現在の調整状況を教えていただきたいと存じます。

【岸田外務大臣】日韓の安保対話につきましては先月21日開催いたしました日韓外相会談でのやり取りを受けて,今調整がされていますが,今のところ具体的な日程等は決まっていないと承知をしております。

【テレビ朝日 藤川記者】早ければ来週にもソウルで開催という報道もありますがいかがでしょうか。

【岸田外務大臣】報道がいろいろ出ているようですが,今申し上げましたように,具体的な日程は決まっていないと承知をしています。

北朝鮮の航行禁止区域設定関連

【テレビ朝日 藤川記者】北朝鮮との関係についてなんですが,先週,日本から北朝鮮に対して抗議をしましたが,その後動きがありましたでしょうか。

【岸田外務大臣】ご指摘のとおり,まず2日に北朝鮮側から通知があり,それに対して,我が国の方から北朝鮮側に受け入れることが出来ないという抗議を行いました。その後は,特段反応があったという報告は受けておりません。

【テレビ朝日 藤川記者】北朝鮮なんですけれども,海外メディアの一部報道で飛行制限区域を設けてミサイルの発射の準備をしているのではないか,兆候があるのではないかという報道がありますが,日本政府としてはどのように見ていらっしゃいますか。

【岸田外務大臣】報道は承知をしておりますが,報道のような航行制限区域に関する航行警報等を発出したという情報は得ておりません。

中学校教科書検定の結果発表

【香港フェニックスTV 李記者】昨日の教科書の検定結果ですが,韓国が反発していますが,日本が再び過去の歴史を繰り返すと抗議をしていますが,いかがですか。

【岸田外務大臣】先ず我が国の教科書検定は,民間の発行業者が著作・編集した図書について学習指導要領等に基づいて教科用図書検定,そして調査審議会の専門的・学術的な審議に基づいて公正中立に行われるものであります。その上で,申し上げるならば,竹島問題,歴史認識についての我が国の立場は一貫しております。韓国側の抗議に対し,我が方からは抗議は受け入れられない旨応答をしました。日韓両政府は大局を見据え,今回の教科書検定の結果が日韓関係全体に悪影響を及ぼすことがないよう,お互いに努力することが必要であると考えます。

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