記者会見

佐藤外務報道官会見記録

(平成26年12月17日(水曜日)16時31分 於:本省会見室)

冒頭発言-日ブラジル外交関係樹立120周年ロゴマーク発表

【佐藤外務報道官】来年,2015年,日本とブラジルの間の日伯修好通商航海条約,これが締結されましてから120周年となります。これを記念しまして,両国間の交流を深めるということを目的とした「日ブラジル外交関係樹立120周年」事業を実施します。
 この事業におけます記念事業,それからパンフレット,ポスターなどで利用するロゴマークを国の内外から募集していたところなんですけれども,今般,応募作品の中から日本・ブラジル両国政府間の協議によりまして最優秀作品を選考しました。これがスクリーンにありますマークです。
 作者はブルーノ・ヒトシ・テルヤ(Mr. Bruno Hitoshi Teruia)氏,ブラジル在住の27歳の方なんですけれども,この方によると,鶴には縁起物としての意味があるほか,親しい人の健康などを祈って千羽鶴を折る習慣から,友情のシンボルとして着想を得たということであります。折り紙アートを通じてブラジルにも普及しております折り鶴をモチーフに,日本とブラジルの国旗の色が使用され,両国の120年に及ぶ友情が表現されております。
 ロゴマークは周年事業として認定された民間団体主催事業の広報等においても使用することが可能です。申請の手続等の詳細は外務省ホームページをご覧頂ければと思います。

パキスタン・ペシャワールにおける学校襲撃テロ事件

【毎日新聞 鈴木記者】パキスタンでのテロ対応についてお伺いします。
 本日,首相からのメッセージが出されたわけですけれども,この事件に対する報道官の受けとめと,それから,外務省の新たな対応がありましたら教えてください。

【佐藤外務報道官】今,おっしゃられた,ペシャワール市で発生しましたテロ事件ですけれども,これは多くの子供たちを含む死傷者が出ました。少なくとも,子供が132名,それから,教師が9名で,計141名が死亡しました。極めて遺憾で,強い衝撃と悲しみを覚えます。亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに,ご遺族に対しまして哀悼の意を表したいと思います。負傷者の方々に心からお見舞いも申し上げたいと思います。
 このようなテロも含めまして,あらゆる形態・目的のテロを我が国としては強く非難します。特に今回の事件は,将来ある生徒を狙った許しがたい行為であるというように私自身は感じております。
 今後ということですけれども,引き続きまして国際社会と協力しつつ,テロに立ち向かうというパキスタン政府の努力を支援していきたいというように考えております。

日中関係

【共同通信 斎藤記者】日中関係ですけれども,ちょっと旧聞に属する話になりますが,中国の習近平国家主席が12月13日に南京で「南京大虐殺」に関する発言をされまして,犠牲者30万人という数字に言及した上で,歴史の改ざんは許せないという趣旨の発言をされました。この発言を外務省は確認しているのかどうか,そして受け止め・見解をお願いします。

【佐藤外務報道官】その件について,基本的には中国国内で行われた行事ということでございますので,日本政府としてコメントをというのは差し控えたいとは思いますけれども,しかしながら「南京事件」について,これは従来から申し上げておりますとおりの日本政府の見解がございます。これは非戦闘員の殺害あるいは略奪行為などがあったということは否定できないと考えていますけれども,具体的な数についてはさまざまな議論があるということで,この点については日本政府として引き続き同じ立場でございます。
 同時に,この講話の中で日中の両国国民への友好への言及もあったやに承知しております。その点についても留意しております。いずれにしましても,日中双方が国際社会が直面する共通の課題に対応し,未来志向の協力関係を発展させる姿勢が重要ではないかと考えております。

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