記者会見
佐藤外務報道官会見記録
(平成26年9月10日(水曜日)16時38分 於:本省会見室)
日中関係
【共同通信 斎藤記者】尖閣の関係でお伺いします。明日,9月11日で,民主党政権下で,いわゆる尖閣の国有化手続をとられてからちょうど2年になります。 外務省として,この2年間,どのようにこの問題に取り組んできて,現状をどう受けとめているのか。この点について認識をお伺いしたいと思います。
【外務報道官】今のご質問にありましたように,所有権が移転して2年ということなのですけれども,この間,我が国は一貫して,尖閣が歴史的にも国際法上も疑いの余地のない,我が国固有の領土である,中国の公船による我が国の領海への侵入が多発しているというのはまことに遺憾である,受け入れられないという立場を持って,外交ルートでも厳重に抗議し,領海に入っている場合には速やかに退去を強く求めるということをやってまいりました。
そして,今朝も,まことに遺憾なことですけれども,領海内を航行中という報告がありましたので,これまでもそうでしたが,今回についても厳重に抗議して,速やかに領海からの退去を求めました。その後,12時過ぎには領海を出ていったというように承知しております。
領土・領海の話につきましては,今後も一貫して我が国の立場をきちんと主張していくべきものであるというように思っております。同時に,事態がエスカレートするということは避けるべきでありますので,これについても,これまでもそうでしたけれども,今後も毅然としつつも冷静に対応し,かつ先方にも冷静な対応を求めつつ,危機的な状況が起こらないようなメカニズムについても,なるべく早く稼働するように求めていきたいと思っております。
【共同通信 斎藤記者】今の関連ですけれども,尖閣については,我が国の立場としては,そもそも日本固有の領土であって,領土問題は存在しないという立場ですが,こうした中,日中の対話を進めていく中で,尖閣を外交上の問題として議題にのせるということは今後の話し合いの中で選択肢に入れているのか,それとも,入れていないのか,その点について認識を教えてください。
【外務報道官】尖閣につきましては,疑いなく我が国固有の領土でありますということですから,その立場で今後も臨んでいくということにつきるかと思います。
森元総理の訪露
【毎日新聞 福岡記者】森元総理がロシアに行かれまして,プーチン大統領と会談を調整しているということで,官房長官の会見でもでましたけれども,日本政府の立場としては,ウクライナ問題等を巡ってG7との連携という部分もあり,一方でロシアとの関係というところもあると思うのですが,そのバランスといいますか,その部分についてどのようにお考えでしょうか。
【外務報道官】今のお話の森元総理の訪露ですけれども,毎日新聞社主催の日本ロシアフォーラムに参加するということでモスクワを訪問中であるというように承知しています。そして,プーチン大統領との会談は調整中であるというように聞いています。
ロシアとの関係で,ウクライナについてのご質問がありましたけれども,半分おっしゃられたことではあるのですが,これは,G7との連携というのを引き続き重視しておりますし,今般,ウクライナで停戦合意があったというようなこと,それから,今の現状も注視しつつ,ロシアとの関係もG7との関係も,これまで明らかにしてきております我が国の立場,これを踏まえ,引き続き外交をやっていきたいと考えております。