記者会見

岸田外務大臣会見記録

(平成26年8月5日(火曜日)11時12分 於:官邸エントランスホール)

冒頭発言

(1)岸田大臣の広島出張

【岸田外務大臣】6日に地元広島で開催される69回目の「広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式」に出席をいたします。また,同日,高校生平和大使への「ユース非核特使」の委嘱式を行う予定にしております。
 被爆地出身の外務大臣として,「核兵器のない世界」に向けての誓いを新たにしたいと考えます。

(2)岸田大臣のASEAN関連外相会議への出席

【岸田外務大臣】諸般の事情が許せば,8日から11日にかけてミャンマーを訪問いたします。そして,ASEAN関連外相会議に出席いたします。
 一連の会議で,日本とASEANとの協力強化,南シナ海や北朝鮮をはじめとする地域・国際情勢等についても協議を行い,日本の考えを積極的に発信するとともに,参加国との連携を確認したいと考えます。

ASEAN外相会議

【テレビ朝日 藤川記者】ASEANの外相会合についてお尋ねします。二国間の外相会談,例えば日韓ですとか日朝の調整状況はどのようになっていますでしょうか。

【岸田外務大臣】先ほど申し上げましたように,諸般の事情が許せばASEAN関連外相会議に出席をしたいと考えていますが,その際に行われます二国間会談,バイ会談につきましては今のところ何も決まっておりません。ですので,個別にどの国がどうだという個別の状況についてはコメントは控えたいと思います。

【テレビ朝日 藤川記者】現時点でかたまった二国間の会談というのはないということでしょうか。

【岸田外務大臣】何もありません。

日中関係

【テレビ朝日 藤川記者】日中関係についてお尋ねします。福田元総理が習近平国家主席と先週会談をしたということですけれども,11月のAPECでの日中首脳会談に向けた調整状況はどのようになっていますでしょうか。

【岸田外務大臣】福田元総理は,自ら理事長を勤めておられますボアオ・アジア・フォーラムの用務で訪中されたということを承知をしております。ただ,その訪中においての具体的な日程の詳細については承知をしておりません。
 そして,11月のAPEC首脳会議等における日中首脳会談についてですが,今のところ何も具体的な調整を行っているという事実はございません。

【テレビ朝日 藤川記者】一方で,食の安全について日中の協議の枠組みを月内にも動かすという話がありますが,それについては。

【岸田外務大臣】食については,先日上海所在の食品加工会社による期限切れ鶏肉の使用の問題が明るみになりました。
 これに関しまして,まずは政府として,これまでも北京の日本大使館,あるいは東京の中国大使館等を通じまして,中国側に事実の確認,真相の早期解明,これを求めてきたところです。
 そして,それに加えて,日中間で輸出入される食品等の安全分野における交流及び協力の促進のための枠組みであります,日中食品安全推進イニシアティブに基づく協議の開催を中国側に申し入れているということですが,現在のところ調整中という段階にあります。
 是非,同イニシアティブに基づく協議の早期開催をすると共に,引き続き中国側に対しまして真相の解明をしっかり求めていきたいと考えています。
 是非,我が国としましても関連省庁で連携をしながら適切に対応していきたいと考えております。

【テレビ朝日 藤川記者】中国側から協議に応じるということは伝えられているのでしょうか。

【岸田外務大臣】現在調整中ということを報告として受けています。それ以上については,まだ何も決まっておりません。

日朝関係

【テレビ朝日 藤川記者】日朝関係についてお尋ねいたします。拉致被害者等の再調査についてなのですが,一部報道で来月上旬に報告を受けるということで調整に入っているというのがありますけれども,事実関係はいかがでしょうか。

【岸田外務大臣】日朝につきましては,既に日朝間で日本人に関する全ての問題について調査を行うことで合意し調査が始まっております。ただ,この調査の報告につきましては,夏の終わりから秋のはじめにかけて一回目の報告を行うことで日朝間で一致をしているわけですが,それ以上の具体的なことについては,まだ何も確定はしておりません。
 日本政府としましては,従来から申し上げているような方針,全ての拉致被害者の安全確認,そして,即時帰国,拉致問題の真相究明,そして,実行犯の引き渡し,これを求めていく,こうした方針には何も変更はありません。

日中関係

【日経新聞 宮坂記者】福田元総理の訪中を受けて,総理と習近平さんとの会談のことは,今のところ具体的調整は行っていないということですけれども,その前に外相間で日中の対話をしたいという,その点について大臣はどのようにお考えでしょうか。

【岸田外務大臣】日中間においては様々な問題が存在いたしますが,問題があるからこそ対話が重要であるということ,これは総理からも私(大臣)からも再三申し上げているところでございます。
 総理の方からは,APEC首脳会談等で日中首脳会談を行うことについて,先日,期待を表明されたわけですが,このこと自体は,我が国は従来から対話のドアはオープンであるということを申し上げてきました。そういった思いの表れであると受け止めております。
 是非,我が国としましては,今申し上げましたような方針,問題があるからこそ対話を行うべきである,条件を付けることなく対話を行うべきである,こういった方針につきましてこれからもしっかりと伝えていきたいと思いますし,中国側にもこれに応じていただきたいと強く願っております。今,外相会談についてのお話もありましたが,我が国はあらゆるレベルにおける対話は行うべきであるという従来の方針をこれからも貫いていきたいと考えています。

靖国神社参拝について

【時事通信 宮澤記者】終戦記念日の前の最後の会見になりますからお伺いしたいのですが,15日に靖国神社を参拝する予定はありますでしょうか。

【岸田外務大臣】それは私(大臣)のことでしょうか,従来から申し上げておりますように国のために尊い命を捧げられた方々に対して尊崇の念を示すということ,これは政治家としても大変重要な姿勢だと思っています。そうした思いをお示しする具体的な手段,方法については,それぞれの政治家が考えるべきことであると思っております。
 私(大臣) も,従来通り私(大臣)のやり方でこういった思いは示していくつもりであります。
 靖国参拝等につきましても,従来からそのように申し上げているとおりであります。そうしたお答えは従来どおりであり,変わりはありません。

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