記者会見

佐藤外務報道官会見記録

(平成26年5月21日(水曜日)16時37分 於:本省会見室)

冒頭発言-タイ王国における戒厳令の発出について

【佐藤外務報道官】タイ王国におけます戒厳令の発出について,お手元に資料があると思いますけれども,5月20日にタイで戒厳令が発出されたことを受けまして,これについて報道官談話という形でお手元の資料がつくられました。
 この発出を受け,我が国は重大な関心をもって事態の推移を注視しています。我が国としては,一つは全ての関係者に対しまして,暴力を行使することなく自制ある行動をとるよう改めて強く促すとともに,もう一つ,関係者の立場の相違が,民主的プロセス,それから,真摯な対話を通じて平和裡に解決されることを強く期待します。
 日本政府は,邦人の安全,あるいは日本企業の円滑な活動を確保するために,引き続き,タイ側への働きかけを含め,必要な措置を講じていきます。参考として,幾つかの事実関係について記載がございます。

アジア信頼醸成措置会議(CICA)第4回首脳会合

【産経新聞 山本記者】本日,中国の習近平国家主席が,例の上海でやっているCICAの会議で,アジアの安全はアジア人民が守らなければならないという趣旨のことを述べられまして,明らかに米国を牽制しておるのですが,これについての受けとめをお願いいたします。

【外務報道官】CICAの会議との関連で幾つかのことが起こっており,中には,今,おっしゃられた発言があったやに承知しておりますが,発言の内容を実はまだ正確に見ておらないものですので,今の時点でのコメントは差し控えたいと思います。

【産経新聞 山本記者】わかりました。
 もう一点,中露が接近しているということで,戦勝70年の行事をやるという旨の声明を出しました。歴史を使って,こういう形で反日の姿勢を出していることについて,報道官はどう思われますでしょうか。

【外務報道官】この共同声明につきましては,第三国間の声明ということでありますので,こういう場合に逐一コメントするということは,差し控えたいとは思いますが,しかし,日本について,やはり申し上げますと,これは戦後一貫して平和国家の道を歩んできておりますし,それから,今後ともそういう姿勢に変わりはないということで,累次これを明らかにしてきておりますし,そして,世界の圧倒的多数の国が,これを評価してくれているというように考えております。

【共同通信 小野記者】戦後70年に関連してなのですが,来年戦後70年ということで,中国が対日批判を強めてくるのではないかとも言われていますが,日本として,例えば,どういう発信をしていきたいのかとか,どういうように発信を強化していくのかみたいなアイデアがあれば教えてください。

【外務報道官】来年,確かに意味のある年です。そして,日本としては,この新しい東アジアの状況に対応して,いろいろな努力もしてきております。そして,その努力にも一貫しているのは,先ほども申し上げました,平和を尊ぶ,そういう姿勢であります。
 今,日本としては,これを積極的に,平和に対して貢献したいということでやってきております。来年に向けましても,平和への積極的な貢献,その中には,70年を振り返って日本がまだ貧しいときから途上国支援を始めたり様々な努力をしてきました,ですから,これまでの歩みを振り返りつつも,今後に向けて,前向きな積極的な姿勢を引き続き,あるいは更に強力に,発信していきたいと思います。

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