記者会見
佐藤外務報道官会見記録
(平成26年5月14日(水曜日)16時38分 於:本省会見室)
冒頭発言-母子手帳(親子健康手帳)の配布
【外務報道官】母子手帳について,ご報告します。
このほど,一般社団法人の親子健康手帳普及協会より,海外に居住される邦人の妊婦の皆様へ,いわゆる「母子手帳」,親子健康手帳というのがきちんとした名前のようですけれども,これを無償で提供したいという,お申し出がございまして,在外公館におきましてご希望の邦人の方々にお渡しすることになりました。
この協会は,親子健康手帳を日本国内の自治体,あるいは開発途上国等の海外に普及させまして,国の内外の育児環境を改善するということを目的として活動している団体です。
今回,この協会から,海外に居住し,母子手帳を入手する術のない日本人の妊婦の皆様に対して,親子健康手帳を役立てていただきたいと,こういう申し出があったものでございます。
外務省としましても,母子手帳の海外普及,また在留邦人のお役に立つという観点から,協力させていただくこととしました。
詳しくは,外務省ホームページに掲載しておりますので,どうぞご覧いただけたらと思います。
海外にいらっしゃるお母様方のご健康と,お子様方の健やかなご成長をお祈りいたします。
東シナ海における中露合同軍事演習の発表
【共同通信 小野記者】中国とロシアの合同軍事演習についてお伺いします。
中国国防省が,中国とロシア両海軍の合同演習を東シナ海北部の海域で実施すると発表しました。この海域が,沖縄県尖閣諸島の北西海域で実施するという報道があるのですけれども,これを受けて,まず今回の軍事演習が尖閣を含む日本の主権に何らかの影響を及ぼす可能性があるのかどうか見解をお伺いします。
【外務報道官】今,おっしゃられた発表については承知しております。
尖閣諸島は歴史的にも国際法上も我が国の固有の領土であり,現に我が国がこれを有効に支配しているということでございまして,ご指摘の点については,中露の軍事演習が実施されるとしましても,これは我が国の尖閣諸島に対する有効な支配に一切の影響を与えるものでもない,というように理解しております。
ただ,いずれにしても,こういう軍事演習を含む中露の軍事動向については,これは大きな関心を有しておりますので,引き続き今後とも注視していきたいというように考えております。
【共同通信 小野記者】ロシアが中国との間で,こうした軍事演習を行うことをどう受けとめているのかということと,ウクライナ情勢を巡って米国とロシアが対立をしている中で政府として,日露の二国間関係をどう維持していく考えかというのをお聞かせいただけますか。
【外務報道官】ウクライナを巡る問題ですけれども,これは従来から申し上げているとおり,欧州の一部の問題にとどまらず,アジアを含めまして国際社会全体の問題というようにとらえております。日本としては,G7の各国と連携をしながら,この問題の平和的,外交的な解決に向けて役割を果たしていく,ということでございます。
同時に,アジア太平洋地域での安全保障環境が一層厳しさを増しているという状況にありまして,これまでも繰り返し政府として述べておりますけれども,日露関係というのは言うまでもなく重要な関係でございます。ロシアとの対話を重ねつつ,我が国の国益に資するように日露関係を進めていく,というのが基本的な考えでございます。
対外発信
【読売新聞 横山記者】対外発信のことでお伺いしたいのですけれども,最近,歴史教育で,日本史の必修化に向けた検討とか,あと,竹島とか尖閣の領土について学習指導要領の解説書に明記したり,歴史教育についてそういった動きがあるのですが,そのようなことが今後,日本人の対外発信に向けて重要であるとか,そういったことについて認識というものはございますでしょうか。
今後,日本人が海外に向けて,領土に対する正しい知識や理解を得させることによって,そうやって説明できるようにするという趣旨だと思うのですけれども,そういったことについてご見解を伺えればと思います。
【外務報道官】対外発信という観点からいきますと,何回かここで申し上げる機会がありましたけれども,やはり,おっしゃられた歴史につきましても領土につきましても,これは子供たちも含めて正しい理解をするというのは大切なことだと思っております。
外務省としても,なるべくわかりやすい資料によって国の内外に発信をしていくということに心がけております。外に向かって発信する場合も,これはいろいろな国の方々がいますので,そのニーズに応じた,ユーザー・フレンドリーな形で発信をしていきたいと考えております。
【読売新聞 横山記者】対外発信に向けて,そういった歴史教育が大切であるといったご認識というのはございますでしょうか。
【外務報道官】歴史についても,例えば,必要に応じて皆様に理解が進むように,これはいろいろな発信の仕方があると思うのです。政府の公的な見解として述べることもあれば,あるいは何か事実誤認に基づくような報道が行われたときに,それに対して対応するということもあるでしょうし,それから,政府発信に限らず,民間の方々が知的な交流の一環として意見交換するような際にも,その方々の助けになるようなものがあったらいいのではないかということもあって,実は例の動画なども作成したりしております。
短くわかりやすく説明するというのは,実はそんなに簡単なことではないので,そこはいろいろ研究をしながら,皆さんのお知恵もかりながら,材料を提供できるように心がけているところでございます。
母子手帳(親子健康手帳)の配布
【NHK 徳橋記者】冒頭の母子手帳の件ですけれども,この配布はいつからを想定されているのかということと,海外で妊娠・出産される日本人女性の方というのは大体どれぐらいの人数いらっしゃるのかということと,それが増加傾向にあるのかどうかという点です。あと,これまで母子手帳がなかったことによって,具体的にどういった弊害があったのかという点があれば教えていただけますでしょうか。
【外務報道官】今,おっしゃられた詳細な部分は,残念ながら私自身は詳らかにしておりませんので,関係課の方で対応させていただきたいと思います。
母子手帳ということで,我が国として随分前から,ODAの文脈では母子の健康に役に立つということで,開発支援の一環として,この考え方(で普及することをやってきております。)
実際に母子手帳というものは例えばこういうもので,もしご関心があれば,この後,見ていただきたいと思いますけれども,例えばお母さんとして心がけること,これはお父さんでもいいかもしれません,親として,例えば揺さぶり過ぎにご注意とか,いろいろ役に立つことが書いてあります。それから,もっと基本的なヘルスケアの話も入っておりますので,これを例えば途上国では,もちろん,その国の言葉に翻訳して,そして,その土地に合った形で使うという,普及することをやってきておって,これについては現地からいろいろ感謝もされているということでございます。
今,いろいろご質問あったことについては,申しわけないのですけれども,所管の部局の方で答えさせていただきます。