記者会見
岸田外務大臣会見記録
(平成26年4月22日(火曜日)8時42分 於:官邸エントランスホール)
靖国神社春季例大祭
【NHK 渡辺記者】今朝,新藤大臣が靖国神社を参拝されました。それから,また先日ですが,安倍総理が真榊を奉納されましたけれども,オバマ大統領来日ありますけれども,それへの影響ですね,というのは,これまで安倍総理の靖国参拝に対して,失望したと,そういった懸念が米国側から示される中で,こういった状況でまた繰り返されているわけですが,これについて,どうお考えでしょうか。
【岸田外務大臣】ご指摘の点につきましては,報道等で承知はしておりますが,これは私的な行動に関するお尋ねであり,政府として何か見解を申し上げる事柄ではないと考えております。
オバマ大統領の訪日との関係についても,お尋ねをいただきましたが,我が国としてオバマ大統領の国賓としての訪日,日米同盟の強靱さを内外に示す上において,大変重要な訪日だと考えております。しっかりと成功に向けて準備をしていきたいと思っています。
オバマ大統領訪日時の北朝鮮の挑発
【NHK 渡辺記者】一部報道でも伝えられておりますけれども,北朝鮮の核施設,関連施設でいろいろ車両の動きがあるとか,そういった,その何かしらの兆候を示すような動きがあるという見方が出ていますけれども,この状況については,どう見ていらっしゃいますでしょうか。
【岸田外務大臣】そういった動きについての,報道がある等は承知をしておりますが,従来からこうした北朝鮮のミサイル開発ですとか,核開発に関する動きにつきましては,重大な関心を持ち,情報収集,分析に務めてきております。ただ,具体的な点につきましてはインテリジェンスに関わる問題であり言及することは控えさせていただきたいと存じます。
いずれにしましても,引き続きしっかりと注視をしていきたいと思います。
【日経新聞 山口記者】北朝鮮に関してなのですが,今回,仮に核実験が強行された場合,今続けている日朝協議への影響をお答えください。
【岸田外務大臣】仮定の質問に答えるのは適切ではないと考えています。北朝鮮の動向については引き続きしっかりと注視していかなければならないと思っていますが,日朝間の政府間協議を通じて,北朝鮮に対しまして,拉致,核,ミサイル,こうした諸懸案に対しまして,是非,真摯な前向きな行動を促していきたいと考えています。
【NHK 渡辺記者】次回の日朝協議につきましては,現状ではどういった予定になっているのでしょうか。
【岸田外務大臣】日朝の政府間協議につきましては,もちろん,引き続き協議をしていくということでは一致をしておりますが,具体的な日程については,まだ調整がついたという報告は聞いておりません。まだ確定していないと承知をしております。
日露関係
【NHK 渡辺記者】ロシアに関連してなのですが,連日ロシア軍の爆撃機が日本周辺を飛行していると,それに対して日本が懸念を示したことについて,ロシア国防省が声明を出しまして,日本との関係改善をすれば,そういった懸念は払拭されると,そういった旨を述べているのですけれども,これはやはり日本による制裁の解除を求めるようなことを言っているのですけれども,これについては,どうお考えでしょうか。
【岸田外務大臣】露側の意図ですとか考え方について,断定的に申し上げる立場にはありませんが,我が国としましては,引き続き,我が国の領土,領海,領空はしっかりと守っていくという方針の下に対応していきたいと考えておりますし,今後の様々な動きについては注視をしていきたいと考えております。
オバマ大統領の訪日
【ニッポン放送 早渕記者】改めて,になりますが,オバマ大統領を明日,国賓としてお迎えになりますが,大臣の所感をお願いします。
【岸田外務大臣】米国大統領を国賓としてお迎えするのは18年振りのことであります。ぜひ,オバマ大統領と我が安倍総理との間において,アジア太平洋地域における日米同盟の重要性をしっかり認識した上で,日米両国の二国間関係,あるいはアジア太平洋地域の地域情勢,更には日米のグローバルな分野における協力など,しっかり意思疎通を図り,そして,両首脳間の信頼関係をしっかりと確認していただきたいと期待をしております。
国の内外に,日米同盟の強靱さをしっかりと示す機会にしていただければと期待はしております。
中国裁判所による商船三井船舶差し押さえ
【産経新聞 山本記者】商船三井の件ですが,中国側は昨日,いわゆる日中共同声明の戦争賠償にあたらないという立場で,要は民間の話だという旨の主張をされているのですが,大臣と認識の相違があるか思いますが,これについてお聞かせください。
【岸田外務大臣】いずれにせよ,商船三井においては,原告との間で示談の話し合いを進めていたと承知をしています,にもかかわらず,突然に差し押さえがされたということについては,我が国政府としましても遺憾に思っております。
こうした我が国の考え方につきましては,中国側にしっかり伝えさせていただいておりますし,商船三井ともしっかり連絡を取りながら,今後の対応は考えていかなければならないと思っています。
こうした動きは,日中間の経済活動を萎縮させることになるのではないか,こういった点は憂慮しているところです。
オバマ大統領の訪日
【時事通信 島矢記者】オバマ大統領の訪日なのですが,被爆地の広島,長崎を訪問を求める声がありましたけれども,今回の訪日では予定されていません,そのことの受け止めと,今後大臣として被爆地の訪問を・・・。
【岸田外務大臣】オバマ大統領をはじめ,世界の政治のリーダーに被爆地を訪問していただくことは,軍縮・不拡散の気運を国際的に高めていくという意味においては意義あることだと,一般的にはまず感じております。具体的な日程については,今回そういったことが決まったとは承知していませんが,一般論として,今申し上げたように感じています。