記者会見
岸田外務大臣会見記録
(平成26年4月18日(金曜日)8時42分 於:官邸エントランスホール)
冒頭発言-北朝鮮人権状況に関する安保理非公式対話(アリアフォーミュラ会合)開催について
【岸田外務大臣】北朝鮮人権状況に関する安保理非公式対話,アリアフォーミュラ会合につきまして申し上げます。
4月17日(木曜日)現地時間ですが,安保理メンバーによる非公式の対話が開催され,北朝鮮の人権状況,特に,先般の北朝鮮における人権に関する国連調査委員会(COI)の報告書が議論されたことを高く評価いたします。
我が国からは,安保理メンバーが,拉致問題を含む北朝鮮の人権状況につき,適切な行動を取ることを期待する旨発言をいたしました。また,増元家族会事務局長より,拉致被害者ご家族の声を直接訴えられたことは有意義出会ったと考えています。
参加した各国からは,安保理が適切な行動を取る必要性について,多くの賛意が示されました。安保理メンバー等が,理解をさらに深め,今後,安保理による具体的な行動に繋がるよう,関係国と協議していきたいと考えています。
岸田大臣訪露の延期
【フジテレビ 山崎記者】昨日,大臣が今月中というように予定されていたロシア訪問が延期されることが発表されましたけれども,これの受け止めと,それから今後の日露関係への影響についてお聞かせください。
【岸田外務大臣】今回の私(大臣)の訪露の延期につきましては,日露間で様々な調整,意思疎通を図ってきましたが,最終的には日程の都合により,双方の合意に基づいて延期するということを確認いたしました。
今後,延期の具体的な日程については,引き続き協議していくということになっております。今,ウクライナ情勢を巡りまして,様々な動きがありますが,我が国としましては,アジアの情勢等を考えましても,日露関係の重要性は引き続きしっかりと認識しながら政治的な対話は続けていきたいと考えています。
日韓局長級協議
【フジテレビ 山崎記者】日韓の局長級協議が今週行われ,また来月もということになっておりますけれども,その日韓関係改善に向けた見通しについてはいかがお考えでしょうか。
【岸田外務大臣】日韓の対話については,局長級の協議を行い,1回目の協議におきましては慰安婦問題を中心に取上げました。そして,今後,引き続き協議をしていくことで合意をし,5月中にも次回の会合を開こうということになっております。
日韓間において,様々な課題が存在しますが,是非,こうした具体的な案件において,しっかりと意思疎通を図ることによって両国関係を進めていき,高い政治のレベルでの対話につなげていきたいと考えています。
ウクライナ情勢
【NHK 渡辺記者】ロシアに関連してですけれども,昨日,スイスのジュネーブでロシア,EU,ウクライナ,米国,4者の外相級が集まって共同声明を出しました。一定の歩み寄りを示した形になっておりますけれども,これを日本としてどう評価するか,今後のウクライナ情勢,どう対応していくべきか,今後の日露関係,先ほどお話しがありましたけれども,それを踏まえて,また伺えればと思います。
【岸田外務大臣】まず,今回4者が同じテーブルにつき会談を行ったことは第一歩として評価したいと思います。そして,ジュネーブ宣言が発せられたということでありますが,ジュネーブ宣言の中で違法に占拠された全ての建物は正当な所有者に返還されるべき,こういった内容が盛り込まれています。こうした内容が着実に,そして,円滑に実施されること,これからはそれがまず重要であると認識をしております。今後のこうした取り組みを注視していきたいと考えております。
日露関係については,我が国として,従来からウクライナの主権,あるいは領土の統一性は尊重されなければならない,力による現状変更は認められない,こういったことは強く言い続けてきたわけですが,こういったメッセージは引き続きG7をはじめ,関係諸国としっかりとともに発していかなければならないと思っていますが,昨年来積み上げてきた日露関係に基づいて露にしっかりものを言っていく,こうした政治対話は重要だと考えています。
政治対話については,引き続き続けていきたいと考えています。
国会内でのスマートフォン等使用
【フジテレビ 山崎記者】衆議院の議運委員会の方で,議場内のスマートフォンの使用の解禁というのが検討されているのですけれども,大臣ご自身議場でのスマートフォンの使用についてはいかがお考えでしょうか。
【岸田外務大臣】具体的な議論の内容については承知をしておりませんが,スマートフォンの性能ですとか,あるいは活用の仕方も時代と共に変化をしているので,そういったものを踏まえた上での議論になるのではないかと想像はいたします。
【フジテレビ 山崎記者】大臣は賛成か反対かというのは。
【岸田外務大臣】これは議運で,国会のルールとして決めることですから私(大臣)の立場から賛成,反対を申し上げるのは控えなければならないと思います。
その他
【産経新聞 山本記者】今,総理の部屋に残られて入っていたかと思うのですが,案件は何だったのでしょうか。
【岸田外務大臣】これは関係閣僚と確認事項です。