記者会見

岸田外務大臣会見記録

(平成26年4月15日(火曜日)8時37分 於:官邸エントランスホール)

冒頭発言-オバマ大統領の国賓訪日

【岸田外務大臣】去る4月4日の閣議において,バラック・オバマ米国大統領を国賓として接遇することを決定いたしましたが,今般,同大統領の本邦到着日が4月23日夜となったことを踏まえ,国賓として接遇する期間を,4月23日夜から25日午前までとすることとしました。

オバマ大統領の国賓訪日

【日本テレビ 中村記者】今のお話ですと,23日夜ということは,首相主催の夕食会というのは開催されるのでしょうか。

【岸田外務大臣】23日夜は公表されていますが,時間については最終調整中です。時間については,日本だけではなくして,日本からこの後,韓国,あるいはマレーシア,フィリピンもありますが,どの国も日にちしか公表されておりません。日本についても23日夜という公表がされているのみで,具体的な時間は最終調整中と聞いております。よって今にところ,23日の夜,何か具体的な予定が決まっているものではありません。

ウクライナ情勢

【日本テレビ 中村記者】ウクライナですけれども,東部で親ロシア派が政府庁舎とか占拠していて,一方で暫定政府側としては強制排除も辞さないというような状況ですけれども,大臣として,どう今見ていらっしゃいますか。

【岸田外務大臣】ウクライナ情勢につきましては,深い懸念をもって注視をしています。いずれにせよ,従来から申し上げているようにウクライナにおける主権,領土の統一性,これがしっかり尊重されなければならないと思っていますし,あらゆる当事者が自制と責任を持って慎重に対応することを求めていかなければならない,平和裏に事態が収拾されることを求めていきたいと思っています。

日朝政府間協議

【日本テレビ 中村記者】日本と北朝鮮の間で,小野北東アジア課長が12日と13日に中国の大連で非公式に接触をして,拉致の再調査ですとか,そういったことについて北朝鮮側と当局者と協議をしたという報道がありますけれども,これは事実でしょうか。

【岸田外務大臣】非公式協議については4,5とか12,13とかいろいろ報道が流れているとは承知をしていますが,そういった事実について,私(大臣)は全く承知はしておりません。

【日本テレビ 中村記者】前回ですと,5,6の時はそういった事実はないと否定されていましたが今回は。

【岸田外務大臣】事実はありません。同じです。承知していない,同じです。

【日本テレビ 中村記者】正式な政府間協議ですけれども,次の政府間協議をやるということは一致していると思うのですけれども,時期と言いますか目処というか見通しはたっているのでしょうか,月内にも開催というような報道もありますけれども。

【岸田外務大臣】3月末に再開した日朝政府間協議においては,協議を継続することは間違いなく確認をしておりますが,具体的な日程については改めて協議するということで終わっていたと思います。具体的な日程の調整については,まだ決まったという報告は聞いていません。

【日本テレビ 中村記者】拉致被害者家族の方たちは,日本政府もそうですけれど,早期に解決をしたいというような思いがあると思うのですけれども,とすれば協議自体もなるべく早く開催したいというお気持ちはあるのでしょうか。

【岸田外務大臣】協議については,拉致,ミサイル開発,核開発,諸懸案,我が国の関心事については,しっかり取り上げていかなければならないと思っています。そして,拉致問題については,その中でも大変重要な課題だと認識をしております。
 我が国としましては,北朝鮮に前向きな対応を求めていかなければならない,一日も早く解決につなげていかなければならない,これは強く思っております。しかしながら,これは相手もあることでもあり,具体的な日程が決まらなければ話し合いも進みませんので,できるだけ我が国としては日程調整を含めてしっかり取り組んでいきたいと考えています。

日韓局長級協議

【日本テレビ 中村記者】明日,伊原アジア大洋州局長が韓国に行かれて,日韓の局長級協議をするということで,課題については,いわゆる慰安婦の問題を取りあげるということですが,日韓の間で日本側は解決済みという立場だと思うのですけれども,向こうは更に具体的な行動を求めているという状況で,隔たりはかなり大きいと思うのですが,日韓の信頼関係を築いていく上で,どのような形で政府として取り組んでいきたいとお考えでしょうか。

【岸田外務大臣】この度,日韓の間であらゆるレベルを通じて様々な課題について,しっかりと協議を行っていく,意思疎通を図っていく,こういった姿勢の下に,まずはご指摘の日韓局長級会議を明日行うということになりました。そして,第一回目の協議においては韓国側が強く求めている慰安婦問題を取り上げることになっていると承知をしています。今後,様々な課題が取り上げられることになると思いますが,日本としましては,この様々な課題について,韓国側としっかりと意思疎通を図り,そして,様々な課題についてそれぞれの立場を明らかにし,協力できることは協力しながら信頼関係をつくり,そして,是非,高い政治のレベルでの意思疎通につなげていきたいと考えています。

尖閣諸島に関するパンフレット

【香港フェニックステレビ リー記者】尖閣諸島のパンフレットについてお伺いします。
昨日,外務省のホームページで公開されました,この内容が,例えば棚上げについては中国の一方的な発言で日本は同意したことがないと,今までよりも目立つような強行的な内容となっていますが,大臣はこのパンフレットをどのように見ていらっしゃいますか,狙いと今後尖閣に対する広報戦略について教えてください。

【岸田外務大臣】今のお話の,今までよりも強行的だというご指摘ですが,今までの我が国の立場と全く変わっておりません。今までも,今,おっしゃった点を含めて我が国の立場は明らかにしておりますし,いうなれば改めてわかりやすく紹介しただけだと認識をしております。是非,今後ともわかりやすい,効果的な広報戦略に務めていきたいと考えています。

【香港フェニックステレビ リー記者】どのような尖閣の広報戦略をこれから目指していくのでしょうか。

【岸田外務大臣】まずは,我が国の立場,考え方,これを明らかにし,それを国の内外にしっかりとお伝えしていく,そして,その理解を求めていく。様々な手段を通じまして,こうした基本的なものをしっかりと広報していくことが重要だと考えています。

オバマ大統領の国賓訪日

【毎日新聞 鈴木記者】確認事項ですが,オバマ大統領の来日日程ですが,4月4日の閣議で決定されたことはそのままで,大臣は本日,日程延長を報告したというような手続きでよろしいでしょうか。

【岸田外務大臣】従来から国賓の接遇については,そういった対応を取ってきております。一応,報告したということになると思っています。

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