記者会見
佐藤外務報道官会見記録
(平成26年2月26日(水曜日)16時38分 於:本省会見室)
冒頭発言-フランシスコ・アルバレス・デ・ソト・パナマ共和国外務大臣の来日
【外務報道官】フンシスコ・アルバレス・デ・ソト大臣が外務省賓客として来日します。
アルバレス・デ・ソト外務大臣は,滞在中,岸田外務大臣との会談を行うほか,関係機関訪問などを行う予定です。
この来日により,二国間の友好協力関係が一層強化されることが期待されます。
パナマというと,ご存じのとおり,パナマ運河がございまして,シェール革命などもあって,その重要性が昨今,さらに高くなったといわれております。
日本海呼称
【フリーランス 安積氏】日本海呼称の問題についてお伺いいたします。
最近,日本海呼称についての動画が配信されまして,初め,日本語での動画がつくられて,以降は韓国,それから,英語版というように順次更新されるということなのですが,竹島の動画のように,最終的には何カ国語ぐらいで配信されるご予定なのでしょうか。
【外務報道官】今,この時点では,安積さんがおっしゃったように,日本語がアップされています。そして,追いかけて英語,それから,韓国語ということなのですけれども,それを超えて今のところは計画しておりません。
日本企業に対する中国国内での集団訴訟
【日本経済新聞 宮坂記者】中国で,戦時中の強制徴用があったとして集団提訴する動きが出ていますけれども,改めて政府としての立場というものを確認させていただきたいのと,仮にこれが受理された場合に,外務省として,企業との連携など,どう対処していくのかということについて,基本的な立場をお伺いできればと思います。
【外務報道官】基本的な立場ということですので,まず1つは,これは民事訴訟に係る問題ですので,政府としてコメントすることは差し控えたいというのが1点。
もう一つは,いずれにせよ,さきの大戦に係る日中間の請求権の問題については,日中共同声明発出後,存在していないというのが日本政府の基本的な立場です。
企業との関係ですけれども,この事案を含めて関係省庁に,外務省も含めまして,情報提供はあります。
日本海呼称
【フリーランス 安積氏】先ほどの日本海の動画について,関連して質問いたします。
日本海呼称といいますか,東海併記もしくは東海の単独記載については,確かにアメリカのほうで法案はつくられているということは有名ですが,実際,ヨーロッパの,例えばミシュランの地図に東海が記載されたとか,スペインの出版社の地図にそういった記載があったとか,あとは中央の,オーストリアだったと思いますが,小学校の使用する地理の教科書にそういった記載があったとか,そういった感じで,多分,韓国側の展開の仕方というのは,例えば竹島とか慰安婦とはまた違ったような感じで,かなりニッチなところで,日本が想像もつかないようなところで展開しているような傾向が少なくとも2011年,2012年には見られたわけなのです。
これについては,例えば日本語,それから,韓国語,英語で配信だけだったら,多分,そちらのほうがカバーできないのではないかと思うのですが,これについては今後どういうように対処されるおつもりなのでしょうか。
【外務報道官】今のような状況も注視しながら,もちろん,金輪際つくりませんということではございませんので,他の国の言語についてもつくるかどうか,必要に応じて検討していきたいと思います。
日本企業に対する中国国内での集団訴訟
【共同通信 鳥成記者】先ほど質問のあった中国での強制連行に関する訴訟の関連ですが,今,日中関係,歴史認識,あるいは尖閣諸島をめぐって関係が非常に悪化していると思いますけれども,こうした時期にそのような訴訟が提起された,何か関係性があるというように分析されるかどうか,それから,今後,中国側が訴訟を受理する可能性について,どの程度お考えでいらっしゃるのかお聞かせください。
【外務報道官】今の最初の方のご質問ですけれども,推測でお答えするのは差し控えたいと思います。それから,受理の可能性についても,同様に,差し控えさせていただきます。米国によるプルトニウム返還要求
【テレビ朝日 藤川記者】米から日本に対して,かつて提供された高濃度のプルトニウムについて,日本側が返還の方向で調整に入っているという一部報道がありますけれども,このことについて事実関係と今の日本のプルトニウム管理政策,核軍縮の方向を合わせて取り組みの姿勢について教えてください。
【外務報道官】核軍縮・不拡散の観点ということで言えば,我が国は原子力の平和利用を徹底してきておりますし,プルトニウムにつきましても利用目的のない余剰プルトニウムは持たないという政策を堅持しております。このような我が国の姿勢は国際社会にもよく知られていると考えております。
申し上げるまでもなく,唯一の戦争被爆国として,それからまた,原子力先進国として,非核三原則を堅持するとともに,核不拡散の観点からNPT核兵器不拡散条約を遵守し,プルトニウムはもとより,保有する全ての核物質をIAEAの保障措置の下においております。IAEAも,これらの核物質が全て平和活動下にあるという結論を出しております。
米国との関係ですけれども,従来から高濃縮のウラン・プルトニウムについては,核テロの脅威ということとの関係で米国において削減プログラムを強化していると承知しております。我が国としても,国際的な核セキュリティ強化への貢献という観点から,こういう取り組みに積極的に協力しております。その取り組みの一環として,米国との間でこの件につきましても,協議中であると承知しております。