記者会見

岸田外務大臣会見記録

(平成25年11月22日(金曜日)8時31分 於:官邸エントランスホール)

オバマ米大統領のアジア訪問

【フジテレビ 山崎記者】昨日,米国のオバマ大統領が4月にアジアを訪問するということになったようですけれども,これのアジア訪問の中に日本も含まれるという認識でよろしいでしょうか。

【岸田外務大臣】そういった発言が米国関係者からあったという報道,これは承知しております。オバマ大統領の訪日については,我が国として訪日,招待させていただいてきました。ただ,日程については,まだ何も決まっていないと,引き続き調整中だと聞いております。

日中関係

【共同通信 渡辺記者】日中関係についてお伺いします。経団連の米倉会長等が中国を訪れていますが,対日関係改善に積極的とされる汪洋副主席との会談が実現しました。この他,次世代のエースといわれる広東省の胡春華共産党委員長書記も日立製作所の川村会長等との会談に応じたと伝えられています。こうした中国側の一連の対応をどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。

【岸田外務大臣】まず,日中で様々なレベルにおいて交流を行うこと,これは大変重要だと認識をいたしております。そして,今,ご指摘のあったように対話が積み重ねられることは,大変意義あることだと思っています。今後とも,様々なレベルでの意思疎通を積み上げていきながら,我が国としては,我が国にとっても最も大切な二国間関係の一つである日中関係,これは是非,大局的な見地からしっかり進めていきたいと考えています。

【共同通信 渡辺記者】こうした日中の経済関係の現状を,大臣はどのように認識されていらっしゃいますでしょうか。または,内閣として今後日中の経済交流の活性化に取り組むお考えというのはございますでしょうか。

【岸田外務大臣】経済レベルにおいて様々な交流が行われている,経済関係が進んでいる,これは両国にとっても大変好ましいことではないかと思いますし,アジア太平洋地域の繁栄にも良い影響がでていくものだと思っています。こうした経済交流が進んでいること,そして,進んでいくこと,このことについては歓迎したいと思っています。

【朝日新聞 菊地記者】小野寺防衛大臣が中国の程永華大使と会われたということですけれども,大臣ご自身も,もうお会いになってお話されているのか,あわせて今の関連ですが,今後の日中関係について前進すると期待されているかどうかお願いします。

【岸田外務大臣】程永華大使と小野寺大臣が会ったということ,これは聞いております。そして,私(大臣)自身が会うかということですが,既にレセプションと会合でお会いしたことは何度かありました,記憶をしております。いずれにせよ,日中関係は我が国にとって最も大切な二国間関係の一つです。是非,進展させていかなければいけないと思っておりますし,高い政治のレベルでの対話が重要だと認識をしております。
 対話のドアは絶えずオープンであるということ,我々の方から絶えず申し上げています。是非,中国側からも応えていただけることを期待したいと思っています。

特定秘密保護法案

【NHK 渡辺記者】特定秘密保護法案の関係ですけれども,今,国会で審議していますけれども,昨日もかなり大きな規模の反対集会が行われたりとか,世論も結構高まってきているのですが,反対の声がかなり出てきている中で,今国会でこのまま成立に向けていくのでしょうか。そのあたりをどう考えていらっしゃるのか,丁寧な審議をしていくのか,今国会の成立にこだわっているのでしょうか。

【岸田外務大臣】当法案につきましては,様々な意見があります。こうした法案について様々な議論が行われて,そして,今国会においても審議が行われ,そして,できるだけ多くの政党に賛成してもらいたいということで,修正協議が進んでいると承知をしております。 こうした様々な議論が行われ,そして,より良いものが出来上がることは好ましいことだと思っています。私(大臣)の立場から政府として審議をお願いしている立場ですので,こうした動きは注視していきたいと思っています。

米軍人によるオーストラリア人女性暴行事件

【テレビ東京 山口記者】日米地位協定の関係ですけれども,昨日,豪のフィッシャーさんという方が12年前に横須賀で米軍の兵士に強姦された方ですけれども,その方が会見を開きまして,先般,米国で民事裁判が行われて,その方が勝訴されたのですけれども,その裁判の証言の中で,米軍の兵士が日本での民事裁判中に,米海軍の方から,早く帰国するようにというような指示を受けていたという話があったのですけれども,いわゆる,加害者をすぐ日本からはがして帰国するようにという指示だったのですが,そういった状況というか,在日米軍の対応についてどう受け止めていらっしゃるかということと,今後,米軍側に改善を求めていくお考えはあるのかということをお願いします。

【岸田外務大臣】まず,性的暴行事件のような凶悪事件は,決してあってはならないことだと思います。そして,ご指摘の事件につきましては,日本国内の民事裁判において,被疑者に300万円の支払いを命じる,そういった判決が出ていると承知をしております。そして,その上で,日本政府から見舞金として300万円が被害者に支払われている,こうした事件だと承知しております。そして,その事件について米国で今裁判が行われているということですので,米国での裁判の行方は注視していきたいと思っています。そして,進行している裁判の中でのやりとりですので,この段階で私(大臣)から何か申し上げることは控えさせていただきたいと思います。

【テレビ東京 山口記者】被害者が米国に行かざるを得ない状況が生まれたということに対しては,どうお考えですか。

【岸田外務大臣】私(大臣)も,そのへんの経緯については確認をしたいとは思います。いずれにせよ,今,米国で裁判が進んでおりますので,引き続き行方については注視していきたいと思っています。

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