記者会見
佐藤外務報道官会見記録
(平成25年11月13日(水曜日)16時30分 於:本省会見室)
冒頭発言-近衞国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)会長の再任
【外務報道官】国際赤十字・赤新月社連盟IFRCですけれども,こちらの会長に近衞,現会長の再任が決まりました。
本日,13日にシドニーでIFRC総会が開催されておりまして,選挙が行われ,近衞忠煇日本赤十字社社長が会長に再選されました。
我が国は今回のIFRC総会におきまして,近衞社長が再選されたことを歓迎いたします。
この再選は近衞社長のIFRC会長としての4年間の功績が評価されたものであり,会長としてIFRCの更なる発展に貢献されることを期待します。
なお,今般のフィリピン中部の台風被害への支援として,日本の赤十字社は医師・看護師等から構成される基礎保健緊急対応ユニットチームの派遣を決定しました。他にもIFRCの現地調査・調整チームに1名を日本赤十字社から派遣。フィリピンの赤十字社救援活動に日本赤十字社から2名を派遣しました。
お手元に外務報道官談話をお配りして,あるいは入り口に置いてございますので,ご関心のある方は参考にしてください。
日中関係
【共同通信社 斎藤記者】中国に関して二点お伺いいたします。昨日閉幕した,いわゆる3中総会で,中国は市場の役割重視とか,あるいは国家安全委員会の創設などの方針を決定しました。こうした中国の取組みを日本政府としてどのように受け止めるか,見解をお願いします,これが一点です。
もう一点は,やや古い話しになりますが,10月24日,25日に中国の習近平国家主席が北京で中央常務委員会メンバーを集めて行った座談会で周辺国との関係発展を重視するとした重要談話を発表しました。この談話内容をどう受け止め,今後どう対応していくお考えか,お聞かせ願います。
【外務報道官】二問目ですけれども,おっしゃるとおり24日25日,先月ですけれども座談会が開催されて習主席が重要講話を発表したというように承知しております。
この講話におきまして,周辺外交の基本方針として自国,中国の最重要課題である経済発展のために隣国との関係を良くし,パートナーとするために隣国を安心させ豊かにすること,隣国と親しくし誠心誠意の対応をしていくことなどが述べられたということで,これについて私どもも注目しております。
中国は,従来から平和的発展の道を歩むことを,対外政策の基本方針として掲げていいると理解しております。我が国としてはこれを支持しております。
他方,同時に,中国の周辺海域における海洋活動の活発化,これは我が国を含むこの地域,あるいは国際社会におきます共通の懸念事項となっております。言葉だけではなく実際の行動において,どのような外交が展開されていくのかについて,引き続き関心を持って注視していきたいと思っております。
一問目ですけれども,いわゆる3中全会が閉幕しました。そこでコミニュケも発表されました。我が国の政府といたしましては,他国の政党の活動内容についてコメントすることは差し控えたいと思いますが,発表されたコミニュケを含めまして中国の内政の動きについても注視しておりますし,今後も注視していきたいというように考えております。
フィリピン台風被害
【NHK 坂本記者】フィリピンの在留邦人の安否,外務報道官談話でも話しがありましたけれども,最新の確認状況はどのようになっているのでしょうか。
【外務報道官】今,在留邦人につきましては,レイテ,それからサマール島以外も含めまして,邦人被害の情報には接しておりません。それから,レイテとサマールの島につきましては,在留邦人133名のうち40名の無事が確認されております。引き続き鋭意作業を進めておると承知しております。
【NHK 坂本記者】40名の無事が確認されたというのは,ご本人と連絡がとれて無事だということでしょうか。
【外務報道官】何らかの方法で安全であるということが確認されております。
【NHK 坂本記者】逆に言うと残る93名の方については,まだ連絡が取れている状態ではないということですか。
【外務報道官】そうですね。引き続き無事が確認されるまで全力で作業を続けたい,続けているという状況でございます。
【テレビ朝日 藤川記者】フィリピンに対して政府が決定している支援の内容について,どういったものがあるかお願いします。
【外務報道官】これまでに国際緊急援助隊ということで自衛隊の部隊派遣,それからそれ以外に緊急無償1000万ドル,それから緊急の援助物資,テントなど,これが6000万円相当ということで,緊急援助隊の中には自衛隊の部隊と別途,医療チームが先に入っております。
【テレビ朝日 藤川記者】その関連で緊急無償資金の1000万ドルですが,どういった国際機関を通じてということは,内容はおわかりでしょうか。
【外務報道官】ここで明らかに出来る資料を持ち合わせておりません。申しわけありません。
【共同通信社 斎藤記者】現時点でなお安否確認が取れていない方々が,まだ多くいらっしゃるわけですが,この方々の安否確認を今どういう体制で,どういう方法で行っているのか,また今後,安否確認の作業を強化することを考えているのかどうか,もし強化するのであれば,どういうように強化するのかこの点をもし情報をお持ちであればご紹介いただきたいと思います。
【外務報道官】安否確認の具体的な手法につきましては今手元にございませんが,引き続きこの作業を促進するために大使館の方から領事を派遣するということで検討を進めておりました。そして,出来るだけ早い段階でレイテ島入りができるように移動を開始したところであります。