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外務大臣演説
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岡田外務大臣演説
読売国際経済懇話会における岡田外務大臣の講演会
テーマ:「民主党新政権の日本外交」
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平成21年10月21日 12時40分〜14時00分
於:東京會舘
質疑応答
(問1:安全保障、PKO関連)
安全保障関係で伺いたい。アフガニスタン問題について、個別の問題というよりも、今後の日本の国際平和協力への参加の問題はどう考えておられるのか。アフガニスタンの人道支援を進めるのは重要なことだが、それだけでこの地の安定が図れるのか。個別の問題は離れて、これからの日本はどのような形で国際平和活動に参加していくのか。PKOは現在、日本の参加数約50名で世界80位ぐらい。日本の立場からふさわしい姿にはなっていない。こういうことをさらに積極的に進めるのか。その場合、様々な制約条件がある。例えば、PKOの参加条件が現実のPKOに合っていないのではないか、あるいは、武器使用が国際的な基準に合致していないとかである。そのような法的な枠組みの見直しをして、さらに続けていこうという考えはあるのか。さらには国際平和協力について、他の法を作ったほうがという議論もある。そういった問題について、大臣のお考えを伺いたい。
(大臣)PKOの問題は約20年前にPKO法を作り、最初の挑戦であったカンボジアでのPKO活動はかなり成果をあげたと思うが、その後は続いていない。これはやはり様々な原因があると思う。私は、スーダンへのPKO派遣は積極的に考えていけばいいと思うが、他方で法律上の制約、PKO5原則もある。そういうことについて、もちろん今の憲法の枠内でということが大前提だが、もう少し見直してみてはどうかと私は思っており、外務省の事務方にも申し上げた。同時に、ピース・キーピングからピース・ビルディング、平和構築に移っていく時に、もう少し日本としてきちんと役割を果たせないか、必要があれば法律の制定も含めて考えられないか、ということは併せて検討するように先般お願いした。
今まで自民党の議論でできた法律は、国連というよりむしろ日米同盟の中で自衛隊をもっと活用できないかという発想で組み立てられてきたと思うが、私は国連を前提として、もう少し日本として貢献ができるような道を考えるべきではないかと思っている。もちろん、国連の中には米国も入っている。
そういう意味での一般法なら分かるが、日米同盟を補完するような形で、(自衛隊を)イラクに出したとか、インド洋に出したとか、そういうことを一般法でもっとするというのは、イラクについて国連決議があったとかなかったとか議論が分かれるところだが、インド洋における展開については、最初はなかったわけだから、そういったところではなくて、国連がかんでいるというのが物事の前提にあると思う。
(問2:北朝鮮関連)
北朝鮮問題について伺いたい。外務大臣として2年間仕事をする場合、優先課題として北朝鮮問題があると述べられたが、具体的に何が最終的に成果として期待できるのか。その手段と結果について教えてほしい。拉致問題、核問題、ミサイル問題。それらを2国間、あるいは6か国で(行うのか)。例えば、国交回復が考えられるのか。具体的に教えてほしい。
(大臣)基本的に相手次第ということころがある。ただ、時間の利はこちらにある。そう長く膠着状態は続かないだろう。私は、北朝鮮側に事態を改善する必要性があると思っている。そのためには国交を正常化しなければならない。そのためには、拉致、核、ミサイル問題を解決しなければならない。こういうことで、物事が動く可能性はかなりあるし、そのチャンスはしっかりと逃がさないようにしたい。
(問3:核の先制不使用)
核の先制不使用について2、3お尋ねしたい。核の先制不使用は、日米に敵対する国の側から見れば、核の先制不使用をアメリカが宣言している場合、3つの種類の大量破壊兵器のうち、核については対応しないということになるだろうが、生物、化学兵器による攻撃を敵対国が行おうとした場合、日米の国民に大きな危険をもたらす可能性があるが、どう考えるか。特に最近の報道では、ロシアが防衛ドクトリンを変更して、核の先制不使用物の範囲を広げようとしているが、そうすると、この問題はなかなか解決が難しいと考えるが、どう考えるか。これに関連し、昨日のゲイツ米国防長官との会談で、大臣はこの問題を定義したとのことだったが、これに対するゲイツ国防長官の初期的な反応はどうだったのか。また、この問題を日米間で公式な課題として取り上げるとするならば、エバンズ・川口委員の来年1月の報告書を待って、それから日本は正式に提議するのか。もし、そうなると、それはオバマ政権との間ではどのような関係をもたらすのか。オバマ大統領自身は、大統領選挙の公約、今年春のプラハ演説でも核の先制不使用については触れていない。そうすると、日本が同盟国としてこの問題を提起することになってしまうが、米国側からみて同盟国からのよき助言となりうるのか。それとも、日米間の新たな阻害要因となるのか。
(大臣)もちろん、生物・化学兵器によって攻撃を受けた時に、核によって攻撃をするということは、先制不使用が確立すればできないことになる。しかし、核兵器を使わなくても、通常兵器で報復することはできる。そもそも、生物兵器、化学兵器で攻撃を受けるということの確率や、あるいはそれに対して、わざわざ核兵器を使って反撃をするということの必要性を考えた時、私には現実的な話とは思えない。
ゲイツ長官の反応については、私は述べるつもりはない。ただ、米政府の中にも様々な議論があるのは事実だと思う。通り一辺倒ではない。
先制不使用には触れていないが、核なき世界を目指した時に、先制不使用の話は議論せずに済む話ではない。私はただちに先制不使用を米国に求めるという話をしているのではなく、先制不使用をするのなら、世界全体が検証可能な形で同時にやらなければ意味がないし、そもそもそこまでいくには時間がかかる。先制不使用という大きな流れの中で、今何ができるかをよく議論しようと申し上げた。この問題は結局、報復の可能性とかいろいろなことを論理的に詰めていくと質問のようになるだろうが、大きく捉えた時に、核の先制不使用を我が国が求めるのは「核なき世界」を目指す日本の考え方と矛盾しない。そもそも非倫理的なことだと思う。その常識を政策の中に入れていかないと、核を使っていない国、あるいは核を持っていない国に対しても、核を使っていい、核を持つ権利を留保してくれと、我が国が言うべきなのかというと、私の常識、倫理観がノーという。そういった感覚を活かしながら、ただちに先制不使用ではなく、現実的な道で進めていきたい。
(問4:ASEAN)
ASEANの他のメンバーについての見解をうかがいたい。
(大臣)1つ1つコメントするわけにはいかないが、ASEAN首脳会談は(自分は)今回参加をしない。もちろん総理は出られる。しかし、早いタイミングで、私がまだ意見交換をしていないマレーシアやフィリピンなどその他の外相とも意見交換をしたいと思っている。マレーシアはすでに何回か訪れた経験はある。
(問5:日米FTA)
FTA関連、特に日米FTAについて外務大臣はどのように考えているか。
(大臣)この問題は気をつけて発言しないと政治的に利用される。特に選挙前には、FTAを結ぶと言った瞬間に、農協が大反対運動を選挙戦の中で繰り広げた。私は、農協が選挙運動をすること自体がおかしいのではないかと思っているわけだが。一般論として、日本はFTAの取組が全般的に遅れている。先般、日中韓の首脳会談があった時に、イ・ミョンバク大統領が、韓国は世界中の人口の半分に相当する国とFTAを結ぼうと思っていると言っていた。実際、韓国は、米国、EU、インド、中国とも進めている。日本は遅れをとっている。したがって、FTAは外務省の中でしっかりとアクセル踏める体制をとりたい。政府の中でも取組を進めていきたい。FTAは各担当課の係で検討して積み上げていくことになるので、どうしても時間がかかる。しかし、政治主導で進めていくことが大事と思っている。また、ある国とFTAを結んでいても、隣の国はまた一からということも現実にあり、非常に時間がかかっているが、もっと早く進められるようにしなければならない。これは日本の国益に関わる問題だと思う。日米のFTAはもう少し慎重に申し上げなければならない。今の日本の自給率を高める政策に反する結果となっては国益が害される。しっかりとバランスがとれる形で進めていかなければならない。具体的に、日米間で話し合いに入ったとか、近々話し合いに入る、ということは現時点ではない。
(問6:日EU関係)
大臣の話を聞き、レジュメを見て気づいた。米国とアジアについて話を聞いたが、ヨーロッパについてはない。私は今ヨーロッパ企業の代表をしているが、日本はヨーロッパとの関係を強化することで、互いに恩恵があるのではないかと考えている。民主党政権になり、日米だけでなく、もう少し広い意味でアジア、ヨーロッパとの関係を強化することを期待している。日本では、ヨーロッパとは問題がないからいろいろ検討する必要ない、英国、仏、独と非常に良好だから、特に研究する必要はないとよく言われる。大臣はヨーロッパについてどう考えるか、ヨーロッパの位置づけについて教えていただきたい。
(大臣)そういう質問が出ると思っていた。ヨーロッパはどうだ、南米は、アフリカは、中央アジアは、となってしまう訳だが、私は、ヨーロッパは様々な意味で日本にとって参考になる政策を展開しており、そこから学べるものがあると思う。米国もオバマ大統領になりだいぶ変わったが、日本も多様な価値観を認め合う社会を目指すべきだと私は思っているので、その意味でヨーロッパは参考になると考えている。当面、FTAを日本とEUの間で結ぶべきだ。FTAはいろいろと遅れているが、FTA交渉の中でも特に加速して進めなければならない。早くFTAを結んで日EU双方の経済交流を進めるのが非常に大事である。
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