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外務大臣演説
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中曽根外務大臣演説
中曽根外務大臣と語る in 金沢「これからの日本外交」(要旨)
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次に地球温暖化の問題です。
今年は気候変動問題の将来にとって非常に重要な年です。それは、本年末のコペンハーゲンでの国際会議で、2013年以降の気候変動問題への各国の対応を決めることになっているからです。
現在の国際的取り決めである京都議定書は、主要な温室効果ガス排出国のうち、アメリカが参加しておらず、また、中国、インドなどが排出削減の義務を負っていないため、効果が十分とは言えません。すべての主要な排出国が、責任をもって参加する2013年以降の枠組みを構築しなければならない重要な年なのです。
昨年7月、日本は北海道洞爺湖サミットを主催し、議長国として気候変動問題でリーダーシップを発揮し、その結果、これまで長期目標は検討されても、合意には至りませんでしたが、米国を含むG8が、2050年までに温室効果ガスの排出量を少なくとも半減するという長期目標に合意したのです。これは大きな前進でした。
新たな枠組み構築の成功の鍵を握るのは、最大の排出国であるアメリカと中国です。この2カ国で世界の排出量の40%以上を占めているからです。これまでアメリカは排出削減に積極的ではありませんでしたが、オバマ大統領は、選挙公約で2050年までに温室効果ガスを1990年と比べて80%削減することを約束し、本格的に気候変動交渉に臨む姿勢を示しています。
米国に次ぐ排出国となった中国の責任ある参加も重要で、中国に対しては、先月、私が訪中した際にも強く働き掛けを行いました。
さて、日本の省エネ技術は、皆様もご承知の通り、世界の最先端を行っており、これらを活用することにより生産性を落とさずに環境問題を解決していくことが出来ます。過去30年間、産業部門のエネルギー消費量を増やすことなく、実質GDP(国内総生産)を2倍にすることに成功しました。我が国はこのような技術やシステムを各国に紹介すると共に、資金面でも支援をしていきます。環境技術は日本がイニシアチブを持って世界をリードし、貢献できる分野です。
最後に、日本外交の3本柱の1つ、国際協調の要である国連についてひと言触れたいと思います。
国連は、設立されてから60年以上も経ちますが、依然として世界の平和と安定のための唯一の国際機関です。
その中で中心的役割を果たすのは、安全保障理事会です。日本は、今年1月から2年間の任期で、安保理の中で非常任理事国を務めています。
現在、日本は国連の予算の約17%、年間約1,600億円の資金を拠出し、国際社会の様々な問題に貢献しています。従って日本には、それに相応しい地位が与えられるべきだと私は思います。
数年前に、安保理改革という話題が盛り上がったことを御記憶の方も多いでしょう。相応しい地位とは、安保理の常任理事国です。設立以来60年以上、国際社会の大きな変化があるにもかかわらず、この常任理事国は、アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国の5か国が占め全く変化がありません。今年2月からは、安保理改革の政府間交渉が始まりました。我が国は常任理事国入りを目指し、安保理改革の実現に粘り強く取り組んでいきます。
最近、国連に関して、日本国内に1つ心配な動きがあります。それは、民主党が、国連の決議が日本国憲法に優先するかのような国連至上主義とも思われる主張をしていることで、国連決議があればアフガニスタンなど武力行使が必要となる可能性がある地域へも自衛隊を派遣できると言っていることです。
私は、これは非常に危なっかしい主張だと懸念しています。国連が国際社会で大きな役割を果たしていることは勿論認めます。しかし、冷静にその現実を見ると、国連は各国の国益のぶつかり合う場であり、特に国際社会の平和と安全の問題については、少数国の方針で結論が左右され得るという問題を抱えています。そのような現実がある以上、日本の命運をそのまま国連に委ねる訳にはいかないのです。
(むすび)
最後に日本外交の目指すところなどについてお話ししたいと思います。
冒頭に申し上げましたように、日本外交の目的は「我が国が安全で繁栄すること」、そして「国民の生命と財産を守ること」にあります。
それと同時に、1月の国会開会直後の外交演説でも述べましたが、大切なことは「他国から信頼され尊敬される」とともに「国民が自国に誇りを持てる国づくりをする」ことと考えています。
私は外務大臣に就任する以前から現在にいたるまで、数多くの国を訪問してきました。そこで感じたことは、国の大小を問わず、いずれの国においても、人々が自分の国を愛し自分の国に誇りを持っているということです。我が国の憲法前文においても、「国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ」と書かれており、その様な国を目指していくべきと思います。
具体的な外交を進める上で大事なことを2点申し上げたいと思います。
一つ目は首脳外交を進めていくことです。
私は、父・中曽根康弘が総理を務めた際に、その秘書官として3年間、首脳外交を間近に見てきました。痛感したのは、国と国との関係を強固なものとするためには、父とレーガン・アメリカ大統領との間のロン・ヤス関係に代表されるような首脳間の個人的な信頼関係を構築することがいかに重要であるかということです。その意味で、麻生総理が、忙しい国会日程の中、アメリカを始め海外に出かけ首脳外交を展開していることは、非常に意味があることだと思っております。昨年12月には、他の会議とは独立した形での「日中韓サミット」が福岡で開催されましたが、3か国の首脳が頻繁に顔を合わせ、地域・世界のために如何に貢献するかを議論することは大変意義あることであると思います。
二つ目は国民同士の交流、すなわち前にも述べましたが、やはり人と人との交流だと思います。本県の「ジャパン・テント」や、先程ご紹介した「学生・教職員交流」など、青少年交流、スポーツ交流、文化交流など様々な機会を通じてのオール・ジャパンによる外交が不可欠です。
私は日本外交のこれまでのたゆまぬ歩みに自信を持ち、日本と世界の平和と繁栄のために積極的・主体的な外交を展開して参りたいと思います。
最後に、お忙しい中、本日お越し頂きました皆様に改めて御礼を申し上げ、また、日本の外交への変わらぬ御支援を賜りますよう心からお願い申し上げ、私の話を終わらせて頂きます。
有難うございました。
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