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外務大臣演説
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中曽根外務大臣演説
TICAD IVフォローアップ・シンポジウムにおける
中曽根外務大臣政策スピーチ
「平和を創出する〜日-アフリカのパートナーシップ」
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平成21年3月11日
(和平合意の実施のための積極的関与)
第二は和平合意の実施のための積極的な関与です。この分野でも我が国は、より積極的なイニシアティブをとりつつあります。ダルフール問題と共に、スーダンの抱えるもう一つの大きな課題は、南北スーダンの間の和平合意の実施です。スーダンでは、20年にもわたる内戦が南北間で行われ、これが2005年にようやく終結し、現在、和平合意が実施されています。この和平プロセスの中で最も大きな懸案であり、履行が遅れていたのが、元兵士の武装解除・動員解除・社会復帰、いわゆるDDR(Disarmament, Demobilization and Reintegration)です。我が国は、昨年6月にはDDRのための第一回支援国会合の共同議長役を務めた他、先般、他国に先駆けて約1700万ドルの支援を決定しました。また、このことが、スーダン政府、国際社会の取組を牽引しました。具体的には、我が国が支援を決定したことにより、2月10日に長い間停滞していたDDRプロセスが正式に開始されるとともに、先日、南部スーダンで開かれた第二回支援国会合では日本に続いて他の多くの国からもこのプロセスに対する支援表明が得られました。
(アフリカ自身の平和維持能力強化支援の拡充)
第三はアフリカ自身の平和維持能力の強化です。
アフリカの平和の創出に向けた、アフリカ諸国自身の主体的な取組も進んでいます。現在、我が国が約17%の経費を負担する国連PKO16ミッションのうち7ミッション、要員の約7割がアフリカで活動中です。こうしたミッションには、アフリカから多くの要員が参加しています。また、ソマリア等でアフリカ連合(AU)の枠組でアフリカ自身の平和維持部隊が停戦監視、治安維持や人道状況の改善のために展開しています。しかしながら、未だ発展途上にあるアフリカ諸国の平和維持能力は、決して十分とは言えません。装備が不十分であったり、一定の資質を備えた要員が十分にいないミッションがあるのが現実です。
昨年、我が国が主催したG8北海道洞爺湖サミットでは、アフリカに焦点を当てつつ、こうした平和維持分野での能力向上支援の強化を打ち出したところです。そのような取組の一環として、我が国はアフリカ自身の平和構築能力の強化を支援するため、訓練強化、機材供与、施設修復など、アフリカに所在するPKO訓練センターへの支援を行ってきています。昨年、エジプト、ガーナ、ケニア等に所在する5つのセンターに対し総額1450万ドルの資金を提供し、本年は、更に南アフリカ、ベナン、ナイジェリアのPKOセンターへの支援を実施します。このような資金面での支援に加えて、先日、エジプトのPKOセンターには、我が国の自衛隊によるイラクにおける復興支援活動や海外の災害緊急援助で得た経験や教訓を伝えるため、2名の自衛官を講師として派遣しました。また、本日のパネリストのお一人である篠田広島大学准教授・広島平和構築人材育成センター事務局長にも講師を務めていただき、平和構築の現場活動において必要な人材の育成などにつき講義していただきました。アフリカ9ヵ国から総勢35名が参加したエジプトでの講義は、訓練受講生らから高い評価を受けました。今後とも、こうしたアフリカの平和維持能力強化のための支援を積極的に行っていきます。
今後、国連PKOミッションとは別に、AUの枠組で派遣されるアフリカ自身のミッションが活躍するケースが増えていくと思います。先ほど申し上げたソマリアにおいては、AUソマリア・ミッション(AMISOM(アミソム))が約3,500名展開していますが、アフリカ自身のミッションはいずれも資金面の問題に直面しており、国際社会による支援を必要としています。日本はこれまでもアフリカ自身のミッションに対して支援を行ってきましたが、今後も継続していく考えです。
(日本の人的貢献の強化)
最後はこのようなアフリカの平和構築における人的貢献の話題です。我が国は15年ほど前のモザンビークのPKOミッションへの自衛隊部隊の派遣を最後に、アフリカのPKOミッションへの自衛隊の派遣は行っていませんでした。しかし昨年、国連スーダン・ミッション(UNMIS(アンミス))に、自衛官2名を司令部要員として派遣しました。現在、我が国の国連PKOへの要員派遣は3つのミッションに計38名であり、貢献国120カ国中81位に留(とど)まっています。PKO要員をはじめとして、平和構築のための人的貢献は今後も強化していく必要があると考えます。勇気付けられることは現在スーダンで、国連機関職員として32人、NGO職員として26人の邦人の方々が厳しい環境の中活躍されていることです。この中には外務省が進める広島平和構築人材育成センター、いわゆる「寺子屋」事業の卒業生・研修員4名も含まれています。更に、現在世界で最も過酷なPKOミッションの一つといわれるダルフールAU・国連合同ミッション(UNAMID(ユナミッド))では現在2名の邦人職員が文字通り日夜奮闘されています。こうした平和構築の最前線に立つ邦人を今後、一人でも多く輩出していければと考えます。
(おわりに)
アフリカの平和と安定の確保は、決して一筋縄ではいかない、覚悟と決意のいる国際社会の大事業です。我が国は復興・開発分野における経験、知恵、実績を携え、これまであまり得意としてこなかった平和を創出する段階を含め、平和構築のあらゆる段階において取組を強化したいと思います。もちろん日本として出来ることと出来ないことはあります。しかし、日本としてもっとできることはあるのではないか、その可能性を最大限追求してみたい、というのが今回、私が提起したい問題意識です。
このような私の問題意識について今回のシンポジウムに参加される皆様の議論から多くの示唆を得られることを期待します。
ご清聴、有り難うございました。
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