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国際協力「ちょっといい話」
各地で拾ったいい話(第二話)
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第二話 首都がわが町のパ−トナ−お付き合いは無理をせずに心を込めて

 兵庫県に社町(やしろちょう)という町がある。神戸市の北西に位置し、人口は2万人、面積はかなり広い。町内には4年制国立大学も所在する(兵庫教育大学)。
 社町はワシントン州の州都オリンピアと昭和56年に姉妹都市提携を行い、以来友好な関係を継続している。
 この町にはいくつかの注目すべきものがある。まず、国の国際都市整備事業の指定を受けて、立派な総合文化施設が建てられている。700席のホール、同時通訳可能な国際会議場、図書情報センター、展示会場などを備えた本格的な国際文化の殿堂である。この事業の指定を受ける地方自治体の数は極めて少ないので、この町の国際交流にたいする情熱が政府を動かしたにちがいない。
 この町では、この立派な施設をフル回転に利用し、いろいろな行事を行っている。日本に駐在する各国大使館の職員を招いてのシンポジウム、各国の音楽家芸術家を招待しての音楽祭、姉妹都市とのパソコン通信によるリアルタイムの情報交換などである。
 また町の行政レベルから教員、市民、高校生までオリンピア市との相互交流を幅広く行ってきている。
 よく姉妹都市交流にありがちな行政のみの交流ではなく、行政はもちろんのこと、市民同士も交流するし、高校生もお互いに訪問しあいホームステイを通して文化を学び、語学の勉強にも力を入れている。
 それから前述の国立兵庫教育大学の存在である。国立大学の多くは大都市に所在しており、町に所在する例はほとんど見かけない。社町としては、この大学が町内に設立されたことにより国際社会との拠点を作ることに成功した。大学に留学している外国人学生と、地元の市民や学生との交流の場をアレンジしたり、国際シンポジウムを開催し、地元民の国際意識を高めることに成功したわけである。
 さらに、注目することとして、町の庁舎の前に国旗掲揚のポールが立ち並び、外国人在留者の出身の国旗を掲げていることである。旗の数を数えれば、いま何カ国の国民がこの町に住んでいるかがすぐ分かる。在留外国人にとっても自分の国の国旗が翻っているのを見れば、嬉しくなるし、安心するし、誇らしくもなるであろう。

“しないこと”十カ条

 さて、社町にかぎらず地方自治体が、都市交流や協力、住民参加のボランティア活動を進める際、心がけるべきことを思いつくままに述べてみたい。
 これまでよく、国際交流・協力について心がけるべきことについて、将来に向けて「・・すべし」との形で論じられてきたが、ここでは逆の形で、失敗した例、失望した例、などを振り返り、本来どうすればそれらの失敗や失望を回避できたのか、ここに「・・ないこと」十カ条として10項目を挙げてみたい。

*決して無理をしないこと(長続きさせるため)
*思いつきだけでやらないこと(軽薄なものになってしまう)
*官のみでやれると思わないこと(尊大で独りよがりになる恐れがある)
*ご馳走ぜめにしないこと(すぐ種切れになる)
*大風呂敷を広げないこと(後でがっかりさせることになる)
*独りよがりにならないこと(自分たちだけ楽しんで、相手は不満)
*躊躇はしないこと(いいと思ったら前へ進む)
*卑屈にならないこと(誰が相手でも胸を張って堂々と)
*自分の国や言葉を嫌いだと言わないこと(言えば軽蔑される)
*外国とのお付き合いに、外国語が上手である必要はないなどとは言わないこと(相手を正しく知ることが成功の秘訣)

 もちろん、これが全てであるはずがないし、異論もあろう。しかし一つの目安として述べてみた。
 小さいながらもキラリと光る社町のような町や村が日本の各地で育ち、日本と世界を結び、交流、共存そして共生への道を堂々と進んでもらいたいものである。


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