ブラジル連邦共和国
マルシア日ブラジル外交関係樹立120周年親善大使インタビュー

平成27年4月7日

マルシア親善大使に,これからの日本とブラジルの交流,親善大使としての意気込み,出演舞台「GARANTIDO(ガランチード)」(日ブラジル外交関係樹立120周年認定事業)を通して伝えたいことなどをインタビューしました。
 
日本からブラジルまで行くには30時間近くかかります。地理的には遠いですが,2つの国の交流のベースには何があると思いますか。

お互いを尊敬し合う気持ちがあると思います。
確かに日本とブラジルは遠く離れています。飛行機がなかった頃は,移動には船で数ヶ月かかりました。当時からすれば,今はたったの30時間という感覚かもしれませんが,地理的な距離が存在するのは確かです。
それでも距離を越えて2つの国の間に100年以上の友情の歴史があるのは,お互いを思う気持ちがあるからだと思います。
 
    
      
 
ブラジルに渡ったマルシアさんのおじい様やおばあ様,また日本に渡ったマルシアさん御自身はそれぞれどのような思いを抱いていたのでしょうか。

私の祖父母は遠いブラジルに,希望を抱いて渡りました。10代の私は憧れの気持ちを抱いて遠い日本に来ました。
ただ,私たちのこの経験や思いは,2つの国の交流のほんの一例に過ぎないと思います。
たとえばサッカーの三浦選手は,15歳の時に,単身でサッカー留学のため勇気を持ってブラジルに渡りました。現在も現役選手として活躍しています。私と同様に親善大使を務めているジーコ元サッカー日本監督は,誕生して間もない頃のJリーグを強く支え,日本サッカーを引っ張ってくれました。
こうした物語が数えきれないほどあります。一人一人の紡いだ交流の糸が,太い束となって日本とブラジルとの間を堅く結んでくれているのだと思います。
 
マルシアさんの御家族はブラジルにお住まいです。時差もあります。心理的にブラジルは遠いと感じることはありますか。

通信技術が目覚ましい進歩を遂げ,離れた場所にいる人たちとのコミュニケーションの方法もずいぶん変わりました。私が日本に来た当時,ブラジルで暮らす家族とのやりとりは主に手紙で,相手の返事が届くまでに2週間近くかかりました。今ではEメールや,相手の顔を見ながら話せる通信手段等を通じ,瞬時に思いを届けられるようになりました。家族を抱きしめられない距離は当然ありますが,こうした技術の発展によって,大切な人たちとのコミュニケーションはとても取りやすくなったと思います。
 
これからの日本とブラジルの交流に何か期待することはありますか。

友情はお互いを深く知ることから生まれるものだと思います。日本はお寿司,すき焼き,相撲だけではないし,ブラジルはコーヒー,サンバ,サッカーだけではありません。ステレオタイプを超えて,皆様にはそれぞれの国をより深く知っていただきたいです。
最近では日本でもシュラスコ・レストランが増えてきました。またアサイーのジュースが手軽に買えるようになったりと,日本の身近なところでブラジルを知るきっかけが増えたことは大変うれしいことです。アマゾン原産の果物アサイーは美と健康に対する関心が高い日本人の好みに見事にマッチしたのではないでしょうか。
特に,オリンピック・パラリンピックは,来年がリオデジャネイロ大会で,続く2020年大会は東京で開催されます。この機会を通じ,日本の皆様にはサッカー以外でもブラジルが得意とするスポーツを知ってほしいですし,ブラジルの皆様には日本のスポーツ精神など,様々な面を知ってもらいたいです。そして実際にそれぞれの国を訪れる機会も増えればと思います。
今年2月のサンパウロのサンバカーニバルには,青森県の伝統的な立佞武多(たちねぷた)山車が参加しました。日本のお祭りの山車がブラジルで紹介されたことを大変誇らしく思いますし,日本とブラジルの2つの文化が融合した良い例だと思います。
 
          
   
     
 
親善大使としての意気込みをお聞かせください。

私は日本人の祖父母を持ち,ブラジルで生まれ育ちました。日本とブラジルという2つのふるさとのために何かできないかと思っていたところに親善大使のお話をいただいたので,私にとっては思ってもみない機会になりました。
2つの国をふるさとに持つ自分だからこそ親善大使として伝えていける日本の魅力,ブラジルの魅力があると思います。
日本の良さは何と言っても人々の細やかさではないでしょうか。ブラジル人はそんな日本人を信頼していますし,とても尊敬しています。
ブラジルは多様性のある国です。都市ごとに,人,風景,空気,土の色まで異なります。日本の皆様にとってブラジルは知るほどに驚くびっくり箱のような国ではないでしょうか。
私のキャリアの原点は歌です。歌は,日本とブラジルの魅力を伝える手段となります。日本にはブラジルの歌を,ブラジルには日本の歌を,海を越えて届けていきたいです。
今後,自分自身も勉強しながら,日本とブラジルの魅力に皆様が気づくお手伝いができればと考えています。
 
  

日ブラジル外交関係樹立120周年認定イベントの一つ「GARANTIDO(ガランチード)」に出演されると聞いています。タイトルの「GARANTIDO(ガランチード)」には特別な意味があると思います。舞台を通じて表現したいこと,伝えたいことをお聞かせください。

「GARANTIDO(ガランチード)」は日系人がブラジル社会で信頼されていることを表現するポルトガル語ジャポネス・ガランチード(日本人は保証付き,信頼できる)という言葉が由来となっています。
この作品は,ブラジルに移住した日系人の苦悩を描いた劇作品制作に挑む,ある劇団の物語。いわゆる劇中劇です。希望を抱いてブラジルに渡った祖父母の世代を待ち受けていたのは,期待とは異なる非常に過酷な現実でした。私を含む出演者は,仲間と共にその苦難に立ち向かう劇中の劇団員を演じています。
この作品は決して虚構ではないと思います。苦難を乗り越えた祖父母の世代がいるからこそ,現在の私たちがいる。その意味で,過去から現在につながる人々の人生と重なる作品だと言えます。
 
作品には若い俳優陣も出演すると聞いています。ブラジルに移住した日系人を演じることで彼らは何を得ていくと思いますか。

作品ではD-BOYSという若手俳優集団と共演します。ブラジルに移住した方々が諦めずに困難に立ち向かって前進したことの意義。現代を生きる彼らにはその意義を考えて「GARANTIDO(ガランチード)」を演じていただきたいですし,私からもその意義や大切さを伝えていかなければと思っています。それがD-BOYSや私の演技を観た方々の心にも伝われば大変うれしく思います。
 
どうもありがとうございました。
 
  • 岸田外務大臣からの「日ブラジル外交関係樹立120周年」に係る広報関連業務の委嘱状を手にするマルシアさん

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