鳩山総理大臣

鳩山総理のインド訪問(概要と成果)

平成21年12月29日

1 鳩山総理は12月27日(日曜日)から29日(火曜日)にかけて、インドのムンバイ及びデリーを訪問した。

(注)日印間では2005年以降、年次首脳会談が行われているが、鳩山総理就任後、シン首相を始めインド政府要人から累次にわたり年内の鳩山総理訪印の要請をうけていたもの。

2 29日午前にシン首相と首脳会談を行い、「日印間の戦略的グローバル・パートナーシップ」の更なる強化・発展につき確認するとともに、会談後、「日印戦略的グローバル・パートナーシップの新たな段階」と題する共同声明を発出(骨子和文仮訳英文)。

3 ムンバイでは、昨年11月のムンバイ連続テロ事件の犠牲者を追悼するための献花・記帳を行った他、マハーラーシュトラ州知事主催晩餐会や、アンバニ・リライアンス会長やタタ・タタグループ会長等インド財界を代表する財界人による表敬等が行われた。

4 デリーでは、日本企業関係者を含む財界人との懇談や、ソニア・ガンディー・コングレス党総裁、パチャウリIPCC議長等による表敬が行われた。
 シン首相との間では、28日にシン首相主催非公式夕食、29日に首脳会談及びシン首相夫妻主催公式午餐会が開催された。

5 今回の首脳会談で三度目の会談となるが、今次訪印を通じ鳩山総理とシン首相の強い信頼関係が益々強固なものとなり、かなり率直な意見交換が行われた。
 首脳会談における具体的な成果は以下のとおりであり、着実なフォローアップをおこなうことが肝要。

(1)政治・安全保障

(イ)年次首脳会談の継続の重要性を確認するとともに、シン首相に2010年中の訪日を招請。

(ロ)次官級2+2の設置を含む、安全保障分野での協力の具体策を盛り込んだ「行動計画」を作成。

(2)経済・経済協力

(イ)経済連携協定交渉は交渉の加速化を確認(シン首相は、次回の年次首脳会談までに合意達成したい旨発言)

(ロ)貨物専用鉄道建設計画(DFC)の西回廊全体の早期実現へのコミットメントを確認。

(ハ)デリー・ムンバイ間産業大動脈構想(DMIC)計画に関するプロジェクト開発基金の共同設置。

(ニ)インド工科大学ハイデラバード校(IITH)が学術分野での日印協力のショーケースとなることを確認。

(ホ)日印エネルギー対話等を通じて、省エネ等の分野での二国間協力を推進していくことを確認。

(3)査証手続きの簡素化に取り組んでいくことを確認。

(4)軍縮・不拡散では、核兵器の全面的な廃絶に向けた新たな国際的関心を歓迎するとともに、鳩山総理より、CTBTの早期発効の重要性を強調し、シン首相からは核実験モラトリアムに対するコミットメントが改めて表明された。またFMCT(カットオフ条約)について、即時交渉開始及び早期締結に向け協力していくことを確認。

(5)気候変動問題では、コペンハーゲン合意を歓迎し、今後とも日印で緊密に協力する決意を確認。

(6)その他、国連安保理改革、国際金融・世界経済、WTOドーハラウンド、テロ対策等についても意見交換を行い、両国で協力していくことを確認した。

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