
玄葉外務大臣の中東訪問(成果)
平成24年1月12日
1. 訪問日程概要(1月5日~12日)
- 6日:
- エルドアン首相への表敬、ババジャン副首相への表敬、ダーヴトオール外務大臣との会談及び昼食会、チャーラン経済大臣との会談等
- 7日:
- アブドルアジーズ外務大臣代行との会談及び昼食会(昼食会にはザヤーニ湾岸協力理事会(GCC)事務局長も参加)、日GCC戦略対話覚書署名式等
- 8日:
- ナイミ石油鉱物資源大臣との会談、サルマン国防大臣との会談、ムクリン総合諜報庁長官との会談等
- 8日:
- アティーヤ行政監督庁長官との会談等
- 9日:
- タミーム皇太子への表敬、アティーヤ外務担当国務大臣との会談、モーザ首長妃との会談、アル=サダ・エネルギー工業大臣との会談、マイヤーサ・カタール美術館庁総裁との会談、クワーリー文化・芸術大臣との昼食会等
- 10日:
- アブダッラー外務大臣との会談及び昼食会、アミン国際再生可能エネルギー機関(IRENA)事務局長による表敬、日本人学校及びマスダル・シティ視察、在留邦人との懇談等
- 11日:
- カルザイ大統領への表敬、ラスール外務大臣との会談及び昼食会、JICA専門家との懇談等
2. 成果
(1)エネルギー安全保障の確保
- 我が国のエネルギー安全保障戦略の要としてのサウジアラビア、カタール、アラブ首長国連邦との一層の関係強化を推進。特に、現下の中東情勢及び東日本大震災からの復興に向け、我が国の必要とする原油の供給と価格の安定を上記三か国に要請し、いずれの国からも我が国が必要とする原油・LNGの供給を行う用意がある旨、また、原油価格の安定についてもサウジアラビア及びアラブ首長国連邦が協力の意向を表明。また、アラブ首長国連邦からは、権益の延長について日本企業に優先権を与える旨表明。
- 我が国のグリーンイノベーション及び「省エネ・蓄エネ・創エネ」戦略等につき説明し、上記3か国との間で太陽光発電等の再生可能エネルギー分野での協力を強化することで一致。
(2)対新興国外交
- 積極的な外交を展開し、G20の一員として国際社会での存在感を増すトルコとの間で、戦略的関係を構築することで一致。また、経済分野における協力覚書の早期署名や外務当局間の協議メカニズムを確立することで一致。
- 我が国の原油輸入の約3割を供給し、G20の一員及びイスラム世界の中心的存在として大きな影響力を有するサウジアラビアとの間で、エネルギー分野のみならず、政策対話の強化、若手外交官交流、合同委員会の実施、投資協定交渉の進展、インフラ分野の協力等を通じて二国間協力の裾野を一層拡大することで一致。
- 我が国との外交関係樹立40周年を迎え、地域・国際社会で存在感を高めるカタールとの間で、政策対話の新設やCOP18等国際場裡での協力、文化、教育、観光等の幅広い分野で重層的な関係を構築・拡大することで一致。
- 中東のゲートウェイとしての役割を果たし、我が国原油輸入の約2割を供給し、自主開発原油の約4割が存在するアラブ首長国連邦との間で、外交関係樹立40周年を機に両国関係をより一層深化させ、交流の促進、査証免除及び租税条約の早期合意に向けた協議を含む政府間協議や教育協力を推進することで一致。
- GCCとの間で、日GCC間の協力及び戦略対話に関する覚書に署名し、日GCC関係を抜本的に強化することで一致。
(3)中東・北アフリカ地域情勢への対処と協力に関する意見交換
- 同地域の平和と安定は我が国にとって死活的に重要であるところ、各国との間で、いわゆる「アラブの春」等で変動する中東・北アフリカ地域情勢、特にイラン、シリア情勢等に関して集中的な意見交換を実施。
- 各国との間で、緊密な意見交換を継続し、地域・国際場裡での協力を推進することで一致。
(4)アフガニスタン
- 本年7月に我が国が主催する東京会合についての基本的考え方を説明し、アフガン側の全面的な賛同を得、7月の東京会合に向け、両国間で協力していくことで一致。