地球環境
ワシントン条約第69回常設委員会会合
平成29年12月6日
平成29年11月27日(月曜日)から12月1日(金曜日)にかけて,スイスのジュネーブにおいて,ワシントン条約(CITES:絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)第69回常設委員会会合(SC69)が開催されたところ,概要は以下のとおり(なお,我が国は,現在同委員会のメンバーではなく,オブザーバーとして参加。本会合における各議題の勧告内容の意思決定は,常設委員会メンバーが行った。)。
1 北太平洋のイワシクジラの標本の海からの持込み
- (1)我が国の新北西太平洋鯨類科学調査に関し,公海において捕獲されたイワシクジラの我が国への輸送が,ワシントン条約で規制されている商業目的のために行われたものに該当するか否か等について議論が行われ,我が国からは,同調査は科学的研究を目的としており,ワシントン条約の規定に基づき適切に行われていること等を説明した。
- (2)事務局が,我が国に対し追加情報を求め,それに基づき検討した結果等について次回の第70回常設委員会会合(SC70。日程は下記4参照)での報告を求めることが決定された。
2 国別象牙行動計画(NIAP)プロセス
- (1)NIAPプロセスに関する検討が行われ,日本をNIAPプロセスに含めないこととした上で,次回の常設委員会会合で日本の象牙取引管理の取組状況を報告すること等が決定された。
- (2)その過程で我が国からは,種の保存法の改正,官民協議会の開催など,象牙取引管理の強化に向けた我が国の取組とともに,今後も適正な象牙取引の管理のために必要な国内措置をとっていく旨を説明し,締約国の理解を促した。
3 高級木材種(ローズウッド)に関する解釈の統一化および規制緩和問題
平成29年1月以降新たにワシントン条約の規制対象となった高級木材(ローズウッド)に関する規制内容(規制除外対象)について解釈の統一化が図られた。また,この規制が種の保存の目的に対して過剰であるとの意見が示され,会期間作業部会で第18回締約国会議(COP18)に向けて規制緩和の可能性について議論していくこととなった。
4 今後の日程
次回のSC70は平成30年10月1日から10月5日にロシアのソチにて,また,COP18は平成31年5月23日から6月3日にスリランカのコロンボにて開催されることが発表された。