日本の国際テロ対策協力
我が国の国際テロ対策

平成27年8月26日

1 基本認識

(1)テロの脅威

  • 近年拡大する国際テロの脅威は,我々日本人にとって遠い国で起こっている他人事ではない。2013年のアルジェリアにおける邦人拘束事件,2015年のシリアにおける邦人殺害テロ事件及び同年のチュニジアにおける襲撃事件は,我が国がテロの脅威と無縁ではないことを改めて示した。
  • 昨今は,テロ組織と直接関わりのない若者や社会的に疎外感を感じている者が,インターネット等を通じて過激思想の影響を受けて,テロを計画または敢行するといった暴力的過激化の問題が生じている。また,ボストン・マラソン爆弾テロ事件に代表されるように,先進国の国民が自国民を対象にテロ行為を行う「ホームグロウン・テロリスト」や,特段のテロ集団に属していない個人が大規模なテロ攻撃を行う「ローン・ウルフ」といった新たな形態のテロも発生している。さらに,ISILを始めとするテロ組織への外国人テロ戦闘員の参加,或いは,不法な武器・薬物取引や誘拐等の組織犯罪の収益がテロリストの資金源となっている問題等,新たに出現する様々な国際テロの脅威に,日本を含む国際社会は対峙している。
  • 特に,我が国では,2020年に東京オリンピック・パラリンピックが控えており,この56年ぶりの大行事に諸外国から大勢の選手や観戦者が来日し,当然のこととして,国内のテロ対策の強化が重要なテーマとなる中,我々は,このようにボーダーレス現象にある現代の国際テロの脅威と闘わなければならない状況にある。

(2)テロ対策の重要性

  • テロは,いかなる理由をもってしても正当化できず,断固として非難されるべきものである。国際テロ組織「アル・カーイダ」及び関連組織による活動に加え,ここ数年,ISIL(イラクとレバントのイスラム国)を始めとするテロの脅威が増大する中,国際社会が一致してテロ対策を行うことが重要である。
  • 我が国は,G7首脳会議や「グローバル・テロ対策フォーラム」(GCTF)閣僚級会合などテロ対策に関する各種会合の場において,ISILなどによる暴力行為に対する強い非難を表明するとともに,日本の国際テロ対策協力として,過激派組織に対するテロ対処能力が必ずしも十分でない開発途上国などがテロの温床となるのを防ぐため,中東・アフリカ地域及び東南アジア地域に対する国際機関等を通じたテロ対処能力向上支援などを推進している。
  • さらに我が国は,2015年初頭のシリアにおける邦人殺害テロ事件を受け,UNODCのテロ対策法整備支援や国境管理プロジェクトなど中東・アフリカ地域におけるテロ対処能力向上支援を含む外交上の「3本柱」を打ち立て,包括的な取組を一層強化している。

2 テロ対策における我が国外交の「3本柱」

(1)テロ対策の強化

  • 中東・アフリカでのテロ対処能力向上支援(計約1,550万ドル)
    • 国境管理,捜査・訴追能力,法整備等
  • 国際的な法的枠組みの着実な実施・強化(安保理決議第2178号等を含む)
  • マルチ・バイの枠組みを通じたテロ対策強化
  • 在外邦人の安全対策強化

(2)中東の安定と繁栄に向けた外交の強化

  • 積極的な中東外交の展開
    • ハイレベル要人往来(首脳・外相レベルの対話の強化)
    • 多様なコミュニティー(含むビジネス界等)とのパイプ強化
    • テロ関連情報を巡る協力強化
  • 安倍総理が表明した総額2億ドル程度の支援の実施及び人道支援の拡充
  • 経済成長の促進に必要な地域の経済・社会安定化支援

(3)過激主義を生み出さない社会の構築支援

  • 「中庸が最善」の実践(活力に満ち,安定した社会の実現)
    • 若者の失業対策,格差是正,教育支援
    • ポスト紛争国における平和の定着に向けた支援
  • 人的交流の拡充(宗教指導者の招聘等を含む)
  • ASEANとの連携(穏健主義の促進等)
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