G20 Osaka Summit

テロ及びテロに通じる暴力的過激主義(VECT)によるインターネットの悪用の防止に関するG20大阪首脳声明

 首脳として、我々の最も大きな責任の1つは、市民の安全を確保することである。テロを防ぎ、これと闘うことは、何よりもまず国の任務である。ここ大阪で、我々は、テロリスト及びテロに通じる暴力的過激主義(VECT)によるインターネットの悪用から人々を守るために行動するとのコミットメントを再確認する。我々は、オンラインプラットフォームが自らの役割を果たすとの期待値を高めるよう、この声明を発出する。

 我々G20の首脳は、あらゆる形態のテロへの最も強い非難を再確認する。インターネットで生中継されたクライストチャーチのテロ攻撃その他の最近の残虐行為は、我々が関連する国連決議、国連グローバル・テロ対策戦略及びテロ対策に関する2017年ハンブルクG20首脳声明を含むその他の文書を十分に実施しなければならないとの緊急性を示す。

 我々が皆デジタル化の恩恵を受けるため、我々は、開かれた、自由で、安全なインターネットを実現することにコミットしている。インターネットは、テロリストがメンバーを採用し、テロ攻撃を扇動し、又は準備するための避難場所となってはならない。この目的のため、我々は、ハンブルグで確認されたように、オンラインプラットフォームに対し、法の支配はオフライン同様にオンラインでも適用されるという中核的な原則を遵守するよう強く促す。これは、人権及び表現の自由や情報へのアクセスのような基本的自由を含む国内法及び国際法と整合的な方法で達成されなければならない。我々は、これらを尊重する。我々は、この努力において、国、国際機関、産業及び市民社会と協力することにコミットする。

 我々は、オンラインプラットフォームに対し、テロやVECTを助長するために自らのプラットフォームが使われることを認めてはならないとの市民の期待に応えるよう強く促す。プラットフォームは、利用者を保護するとの重要な役割を持つ。課題が複雑であり、インターネットを悪用する犯罪者が一層巧妙化しているとしても、プラットフォームが、社会に害を与えるテロリスト及びVECTのコンテンツを自らのプラットフォームを使って拡散することを防止しようとすることは、引き続き重要である。

 我々は、オンラインプラットフォームに対し、テロリストやVECTのコンテンツがインターネット中継され、アップロードされ、又は再アップロードされることを防ぐ取組の野心や速度を高めるよう、強く促す。我々は、テロリストやVECTのコンテンツを検出し、これが自らのプラットフォームに現れるのを防ぐために、サービス利用規約を設け、実施し、強制するための共同の取組を強く奨励する。その他の手段の中でも、これは技術を開発することによって達成されるかもしれない。テロリストのコンテンツがアップロード又は配信される場合、我々は、オンラインプラットフォームが、文書の証拠が保存されるよう確保しつつ、拡散を防ぐため適時にこれに対処する重要性を強調する。我々は、自らの方針や手続に設けられているとおり、定期的かつ透明性をもって公に報告するとのオンラインプラットフォームのコミットメントを歓迎する。

 我々は、危機対応を含めて、この重要な産業横断的課題を推し進めるために「テロ対策のためのグローバル・インターネット・フォーラム(GIFCT)」が現在行っている作業に留意する。しかし、更なる緊急の行動が必要とされている。我々は、GIFCTを強化し、これがより包括的になるよう参加者数を拡大するため、産業、報道機関、研究者及び市民社会との協力を奨励する。強化されたGIFCTは、産業横断的理解と協力、及び、大企業と小企業が自らのプラットフォームのテロリスト及びVECTによる悪用を防ぐ能力を高めることとなる。

 我々は、国内において、また、国際的なフォーラムやイニシアティブを通じて、国内の経験を共有することも含め、この課題に対処するために引き続き協働することをコミットする。テロリストのプロパガンダに対抗するための前向きなナラティブは、引き続きこの取組の重要な要素となる。我々は引き続き、産業における進歩に参画し、市民社会、消費者及び投資家に対し、同様の行動を強く促す。