宇宙
国連宇宙空間平和利用委員会(COPUOS)
令和7年3月3日


1 国連宇宙空間平和利用委員会(COPUOS)の概要
- (1)1959年開催の第14回国連総会は「宇宙空間の平和利用に関する国際協力」と題する決議を採択し、宇宙空間平和利用委員会(COPUOS: Committee on the Peaceful Uses of Outer Space)を常設委員会として設置しました。
- (2)COPUOSは、宇宙空間の研究に対する援助、情報の交換、宇宙空間の平和利用のための実際的方法及び法律問題の検討を行い、これらの活動の報告を国連総会に提出することを任務としています。加盟国は日本を含む104か国(2025年2月現在)です。
- (3)COPUOSの下には、科学技術小委員会及び法律小委員会が設置されています。COPUOSと2つの小委員会は、それぞれ年1回ウィーン(オーストリア)において開催されます。
- (4)近年、民間企業も含めた各国の宇宙活動が多様化、活発化し、宇宙技術の利用が人々の生活や経済・社会に深く関わってきています。COPUOSは、宇宙空間の平和利用を進めるために、地上における人材育成から宇宙空間における環境保全まで、宇宙に関する幅広い分野の議論を行っています。
- (5)第67会期COPUOS本委員会が、2024年6月19日から6月28日までの日程で開催され、月活動の協議に関するアクションチームの設立や宇宙活動の長期的持続可能性(LTS)に関するワーキンググループでの議論等をはじめ、様々な意見交換が行われました。
2 科学技術小委員会
- (1)科学技術小委員会においては、専門的な見地から科学技術面における国際協力に関する検討を行っており、スペース・デブリ(宇宙ごみ)低減ガイドライン及び宇宙活動の長期的持続可能性(LTS)ガイドライン等が作成されました。また最近では、各種パネル・セミナーの開催等も行っています。
- (2)近年の主な議題としては、宇宙活動の長期的持続可能性、スペース・デブリに関する技術的検討、自然災害管理、リモートセンシングの利用、原子力電源(NPS)の利用に関する技術的検討等が挙げられます。
- (3)第62会期科学技術小委員会が、2025年2月3日から14日までの日程で開催され、「宇宙活動の長期的持続可能性(LTS)」の議題等の下、様々な意見交換が行われました。また、日本と国連宇宙部が「Japan Day」と題したサイドイベントを共催し、日本の民間事業者や有識者を含めたパネルディスカッションを実施しました。
3 法律小委員会
- (1)法律小委員会においては、専門的な見地から宇宙活動により生ずる法律問題に関する検討を行っています。これまでに、宇宙条約(PDF)
(月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における国家活動を律する原則に関する条約)、宇宙救助返還協定(PDF)
(宇宙飛行士の救助及び送還並びに宇宙空間に打ち上げられた物体の返還に関する協定)、宇宙損害責任条約(PDF)
(宇宙物体により引き起こされる損害についての国際的責任に関する条約)、宇宙物体登録条約(PDF)
(宇宙空間に打ち上げられた物体の登録に関する条約)、宇宙物体登録勧告等が、法律小委員会において作成されました。
- (2)近年の主な議題としては、宇宙関連の条約のステータスと適用、宇宙の平和利用に関する各国の国内法制やスペース・デブリ低減に関する情報交換、宇宙資源の探査・開発・利用における潜在的な法的モデル、国際協力メカニズムのレビュー等があります。これらの検討の背景には、民間による宇宙活動の機会の増加や様々な形態でのロケット打上げといった、従来の形態とは異なる宇宙活動が行われることとなったことがあります。なお、第60会期法律小委員会では、青木節子慶應義塾大学大学院法務研究科教授が日本人として初めて議長を務めました。
- (3)第63会期法律小委員会が、2024年4月15日から4月26日までの日程で開催され、宇宙資源の探査・開発・利用における潜在的な法的モデル等の議題の下、様々な情報交換が行われました。