広報・資料 報告書・資料

政策評価法に基づく事前評価書

評価年月日 平成22年4月26日
評価責任者:国別開発協力第二課長 小野 日子

1.案件名

1-1.供与国名

 ニカラグア共和国

1-2.案件名

 「サンタフェ橋建設計画」

1-3.目的・事業内容

 中米の国際幹線道路に,ニカラグア南部にて交差するサンフアン川の渡河のための橋梁及び取付け道路の新規建設を行うことにより,同道路の機能強化,並びに当該地域の農業を始めとする経済の振興,住民の日常生活の利便性の向上を図る。供与限度額は27.53億円。

1-4.環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点

 以下の事項がニカラグア共和国政府により実施される必要がある。

(1)本計画により整備された橋梁及び取付道路の維持管理を,適切かつ継続的に実施すること。

(2)関連活動に必要な人的手当及び予算措置を行うこと。

2.無償資金協力の必要性

2-1.必要性

(1)ニカラグア政府は,「国家運輸計画」において全国道路施設の改善を掲げているが,同国の幹線道路の舗装率は未だ10%程度に留まる。本計画の橋梁が位置する同国南部のアコヤパからコスタリカ国境に通じる路線は,ニカラグア中央の農業地帯を縦断する唯一の幹線道路で,中米のインフラ統合等を目指すメソ・アメリカ統合計画でも国際幹線道路と位置付けられている。他方,同街道上にあるサンフアン川には現在橋は架かっていないことから,渡河が困難な状況にあり,沿線産業の経済発展や貧困層の住民生活に支障を来している。

(2)このような状況を受け,同道路の整備については,米州開発銀行(IDB)が約146キロメートルの舗装を主な内容とする融資を決定し,現在,工事を進めているが,IDBによる同道路整備事業(4,950万ドル)には小橋梁の補修は含まれるものの,サンフアン川の渡河のための橋梁建設は,技術的に困難な点も含むため対象となっていない。

(3)ニカラグア政府は,同街道整備による効果を十分に発現させることを目的として,我が国政府に対し,本件橋梁建設のために必要な資金につき無償資金協力を要請してきたものである。

2-2.効率性

(1)架橋位置について,工事費が経済的に安価となるように設定した他,環境社会配慮の観点から家屋移転が発生しないよう,また,用地取得が最小限となるように配慮した。

(2)取付道路について,西岸側は軟弱地盤であるため,経済性,景観等を考慮し,盛土構造ではなく高架橋方式を採用した。

2-3.有効性

(1)現在は小型の渡河船を手配する以外に車両の渡河は不可能であるが,本橋梁の建設により,40.8トンまでの大型車の渡河が昼夜を問わず可能となる。

(2)本橋梁の建設により,渡河に要する時間が約15分から約15秒程度に短縮される。

(3)街道沿線地域の農業を始めとする地域経済の振興・日常生活の利便性の向上が図られる。

3.事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

(1)ニカラグア共和国政府からの要請書

(2)JICAの基本設計調査報告書

(3)無償資金協力適正会議(同会議の概要については外務省ODAホームページ参照。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/kaikaku/ugoki/sochi/3_komoku/3.html



このページのトップへ戻る
目次へ戻る