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政策評価法に基づく事前評価書

評価年月日 平成22年6月29日
評価責任者:国別開発協力第2課長 小野 日子

1.案件名

1-1.供与国名

 アフガニスタン・イスラム共和国

1-2.案件名

 「カブール国際空港誘導路改修計画」

1-3.目的・事業内容

 アフガニスタンの玄関口たるカブール国際空港の滑走路南側の誘導路と駐機場の整備・改修及び標識,照明等の整備,雨水・排水施設の改修等を行うことにより,年間17,000~18,000回の航空機の離発着があり,約100万人が利用することが推測されている同空港における航空機の安全運航を確保するもの。供与限度額は25.72億円。

1-4.環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点

(1)円滑な事業実施のため,今後カブール市における治安状況が著しく悪化しないこと。

(2)案件実施に際して,アフガニスタン側負担事項が実施され,案件完了後も適切な維持管理がアフガニスタン側で図られる必要がある。

2.無償資金協力の必要性

2-1.必要性

(1)アフガニスタンでは,約30年間に亘る内戦の影響のため,経済社会の諸施設が壊滅的な打撃を受けた。航空運輸では,国際社会からの支援を受け,現在,主に首都カブールの国際空港とカンダハール空港の2空港が国際線の発着空港として機能している。中でも,カブール国際空港は,3,500メートルの滑走路1本を持つアフガニスタン最大の空港であり,その年間旅客数は2008年には66万人に上り,2010年は100万人を超えると推測されている。

(2)カブール国際空港は,これまで我が国の無償資金協力(国際線ターミナルビルの建設等),及び世銀等の支援により部分的に改修されているが,特に航空機の誘導路と駐機場に関しては,長年に亘り適切な維持管理がなされておらず,更に,近年の離発着便の増加による著しい劣化のため,航空機の安全運航に支障を生じかねない状況にある。

(3)このため,カブール国際空港の滑走路南側の誘導路と民間航空用の駐機場等の改修を行い,同空港における航空機の安全運航を確保するために,我が国に無償資金協力を要請してきたものである。

2-2.効率性

 調査を通じ,航空機の安全運航の確保という目的及びアフガニスタン側の運営・維持管理体制等に適した供与内容とした。

2-3.有効性

 本計画の実施により,以下のような成果が期待される。

(1)カブール国際空港の舗装表面の表示及び灯火の設置により,航空機が利用する誘導路及び駐機場の視認性が高まり,安全性が向上する。

(2)同空港の駐機場の改修により,駐機可能な航空機が17機から21機に増加し,事故やミサイル攻撃等の高い危険を伴う上空待機が減少する。また,上空待機が減少することにより,同空港における発着便数の増加が期待され,アフガニスタンの経済復興に資する。

(3)本件計画は昨年11月に発表した対アフガニスタン支援の新たな取組において重視しているインフラ分野の支援の一環であり,本件計画の実施により日本とアフガニスタンの二国間関係強化への効果が期待される。

3.事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

(1)JICAの基本設計調査報告書

(2)無償資金協力適正会議(同会議の概要については外務省ODAホームページ参照。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/kaikaku/ugoki/sochi/3_komoku/3.html



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