評価年月日 平成21年4月25日
評価責任者:無償資金・技術協力課長 柴田裕憲
1.案件名1-1.供与国名ソロモン諸島 1-2.案件名「ホニアラ市及びアウキ市給水設備改善計画」 1-3.目的・事業内容首都ホニアラ市及び地方中核都市のアウキ市において、水源施設や配水施設等を設置・改善することにより、安全かつ安定的な水供給を図る。供与限度額は20.90億円。本年5月開催予定の第5回日本・太平洋諸島フォーラム首脳会議(島サミット)を念頭におき、太平洋島嶼国の繁栄と安定に対する我が国のコミットメントを示す。 1-4.環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点以下の事項がソロモン政府により実施される必要がある。 (1)本計画により整備した施設及び機材の維持管理を適切かつ継続的に実施すること。 |
2.無償資金協力の必要性2-1.必要性(1)ソロモンの首都ホニアラ市では上水道の水源は59%を湧水に、残り41%を地下水に依存しているが、水源の約45%を占めるコングライ湧水では、大雨や洪水により原水流入口の閉塞が頻繁に発生し、取水量が安定していない。このため、閉塞発生時には一人当たりの平均使用水量が、通常時の172リットル/日の64%である110リットル/日にまで落ち込む。また、大雨の後には水質が低下し、飲用に適さなくなる。さらに、未給水地域が未だに多く、現在の上水道普及率は73%に留まっており、給水されていても水圧が十分でない地域が多く、配水池は老朽化による漏水が目立つ上、貯水容量が小さく、水を多く使用する時間帯や緊急時の給水が困難な状況にある。 (2)また、マライタ島の中心都市であるアウキ市においても、一日4時間の給水制限を余儀なくされており、一人当たりの平均使用水量は75リットル/日と、他の中核都市の平均値である184リットル/日の40%程度に留まっている。 (3)このような状況の下、ソロモン政府は、2005~2006年に実施された我が方開発調査「ソロモン国上下水道改善復興計画」に基づき、ホニアラ市及びアウキ市における水供給状態の改善を内容とした「ホニアラ市及びアウキ市給水設備改善計画」を策定した。 2-2.効率性濁度低減施設について、維持管理や修繕の容易さを優先するなど、維持管理能力や人員配置等を踏まえた規模・内容としている。また、施設の運転・維持管理のための技術指導を実施することにより、効率的かつ効果的な施設運営を図る。 2-3.有効性(1)本件の実施により、以下のような成果が期待される。
(2)2006年の第4回島サミットにおいて、我が国は経済成長、持続可能な開発、良い統治、安全確保及び人と人との交流の促進を重点分野として、3年間で450億円規模の支援を行うことを表明しており、本計画はこの支援方針とも合致する。 (3)本計画の実施により、日本とソロモンの二国間関係強化への効果が期待される。また、我が国は、これまで一貫してソロモン諸島を含む太平洋島嶼国の良きパートナーとして同地域に対する支援を行ってきており、本計画も、5月開催予定の第5回島サミットを念頭におき、太平洋島嶼国の繁栄と安定に対する日本のコミットメントを示すものとなる。 |
3.事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等(1)ソロモン政府からの要請書 (2)JICAの基本設計調査報告書(JICAを通じて入手可能) (3)無償資金協力適正会議(同会議の概要については外務省ODAホームページ参照。 |